大人は判ってくれない [DVD]

監督 : フランソワ・トリュフォー 
出演 : ジャン・ピエール・レオー  クレール・モーリエ  アルベール・レミー  ジャンヌ・モロー 
  • ポニーキャニオン
3.64
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本棚登録 : 397
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4949478180493

感想・レビュー・書評

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  • すごく有名な映画、として頭の中にあったが、やっとみることができた。

    最初の教室の場面では、「ともだちのうちはどこ」にも通じる、永遠に分かりえないんじゃないかと思える教師と生徒のいる教室。家に帰れば、父にも母にもあまり可愛がられていない様子の主人公の少年。そしてとても狭いアパートだ。しかし仲よしの友達はいて、一緒に学校をさぼっている。その友達の家は印刷工場を営む家なのだろう、友達のベッドは大きく、部屋も広いが、母はきっと社交にいそしみ不在。父と2人の夕食が済むと、父も夜のクラブに出かけてゆく。

    ヌーベルベーグの記念碑的作品? う~ん、進みはけっこう退屈でしばしばうとうとしてしまう。が、途中の検索でトリュフォー自身の自伝的映画だ、というのが分かる。感化院に入れられ自分の過去を12歳の少年が話す。自分がお腹の中にいるうち母は父と別れ、その後今の父と結婚した。母は「お父さんになってくれたのに・・あなたは迷惑ばかり」 

    そんな事情が分かり、最後に護送車に乗せられるところでは、理不尽さに涙がでてきてしまった。確かに「大人は判ってくれない」

    トリュフォーは何度も感化院に入れられたというが、監督になった。強い、生きる力、があったんだろう。1932年生まれだと映画と同じ12才頃は1944年。戦争時、どういう生活をしていたんだろう。

    主人公役のジャン・ピエール・レオは1944年生まれ。公開時15才。13才の時にこの映画の主役オーディションに受かる。ずっと活躍しているようだ。



    1959フランス
    2022.9.22BSプレミアム

  • 数年ぶりに観たがやっぱりいい。大人がアホに見えてくる映画。大人が日常生活を送るなかで覚える寂しさ(空しさ)と、子供が覚える寂しさ(どうして大人たちは判ってくれないの、世界はこんなにシンプルなのに?)。くらべてみれば、後者が圧倒的に悲劇。そして前者は圧倒的に喜劇。

  • 大人は子供の言い分を全く聞いてくれないもの。
    親も教師も警官も。
    何も主張できず、哀しみだけがこみ上げる。護送車での少年の涙が象徴的。

  • ヌーベルヴァーグの代表作。
    ミニシアターはしご時代が懐かしい…

  • 大人はわかってくれない、というタイトルですが、アントワーヌにとって特に両親が理解者でなかったことがやはり最も大きいだろう。教師も、表層の部分だけを見て叱りつけることしかせず、アントワーヌの感性を理解することなどついぞなかった。「家庭」と「学校」という子供にとっての世界のほとんどを占める場所で、悪友のルネ以外にどこにも自分の存在を正面から受け止める者がおらず、抑圧しかない閉塞感がアントワーヌにこのような帰結を強いたのだと言えよう。感性の芽を摘む、というのはまさにこのようなことではないか。
    ヌーベルバーグがフランスの映画界に大きな変革をもたらした、その代表的な作品で、今でこそ新鮮味はないですが、登場人物たちの等身大の息遣いを感じる作品です。

  • 原題はLes Quatre Cents Coups(レキャトルサンクー)。直訳すると「400回の打撃」となるが「放埓な生活をおくる」という意味をもつ慣用句「faire les quatre cents coups」の一部らしい。
    そのタイトルの通り、少年は親や教師に反抗するように身勝手な行動を取り続けるが、その原因が家庭内での親子関係にあることは観ていればすぐに分かる。
    両親は本当にろくでもないし、少年には無邪気な部分が残っているし、結構しんどい映画である。
    邦題「大人は判ってくれない」だと世代間の分断のように読めてしまうが、個別のネグレクト親とその被害者である少年の話であった。

    本筋とは関係ないが、少年が学校をサボって行った、すごい速さでぐるぐる回転して遠心力で壁に押し付けられる円形の部屋のアトラクションがすごかった。あんなのがパリにあったのか。

  • 古典的な名作だというけれど、まあこのトシになって観る映画でもないかなあ。走って走って海にどんどん飲み込まれていくようなラストシーンを想像したけれど、振り返ってストップモーションでFINというのはトリュフォーの謎かけというかどんでん返しみたいなものか。いずれにせよ元気がでる映画ではない。

  • ずっと見たかった作品。
    なんか、私の好きなロベール・ドアノーの写真を見るようだった。

  • 音楽がフランスらしい社交ダンスのような?おしゃんなシックでかわいいBGMに彩られ、少年がどんどん落ちて行ってしまうのがなんともアイロニカルな映画です。
    先生も親も主人公の言うことを聞いてくれないし信じてもくれないから、嘘をついたら今度は親元から離され施設、というところまで…
    子どもがまっすぐなだけに大人の情けないところが目につきます。子供は勝手に育つけれど、きちんとみないと本当に勝手に育つのだなあ

  • 子どもは親から見てほしいがために行動する。
    そこでも見てもらえないとわかると…どうなってしまうんだろう。
    この少年はもう幼くして両親からは不要だと言われた。海辺に立ち、これ以上追い詰められようがなくなった彼はどうするのだろう。

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著者プロフィール

フランソワ・トリュフォー(François Truffaut)
1932年、パリに生まれる。1984年、ガンのため死去。映画評論家を経て映画監督に。映画作品に『大人は判ってくれない』『突然炎のごとく』『恋のエチュード』『終電車』『隣の女』『日曜日が待ち遠しい!』など。著作に『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』『子供たちの時間』『ある映画の物語』など。

「2020年 『文庫 ある映画の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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