機動戦士ガンダム F91 [DVD]

出演 : 辻谷耕史  冬馬由美  池元小百合  寺島幹夫  前田昌明 
  • バンダイビジュアル
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569607768

感想・レビュー・書評

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  • 1991年公開だからF91。わかりやすいね。
    しかも formula って、公式、新基準、という意味もあるが、当時流行っていたF1も意識しているんだとか。わかりやすいね。
    1991年当時、8歳だった。
    本当なら本作がガンダムとの出会いであってもおかしくなかったが、当時見ていたのは「きんぎょ注意報!」「ゲンジ通信あげだま」「少年アシベ」「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説」「21エモン」「丸出だめ夫」とかだった。
    とことんロボットとはニアミスしてたんだな。

    舞台は宇宙世紀0123。
    「逆襲のシャア」第2次ネオ・ジオン抗争(シャアの叛乱)0093から、30年後。
    たった30年なのに、平和を享受した結果少年たちは、ガンダムとか戦争とかに対する意識が薄い、という前提が面白い。
    ビルギットが「昔さ、ニュータイプって、モビルスーツに関してはスペシャリストが居たよな。そういうのって大概個人的には不幸だったんだよな?」と言っているが、この距離感、絶妙。
    この台詞に関連して、ニュータイプ=パイロット適性とあっさり済ませているのも潔い。
    太平洋戦争とか「戦争を知らない子供たち」への富野流の接近。

    話の流れやキャラクター配置は、旧作を踏襲している。
    アムロ→カミーユ→シーブック、そして、シャア(マスクを作品ごとに徐々に外して「逆襲のシャア」では素顔)→カロッゾ(鉄仮面)。
    面白いのは旧作で隠し味(エグい)になっていた「家族論」が、正々堂々全面に来ていることだ。

    シーブック・アノーの父レズリー。
    脱出できそうな間際、取り残された子供を見かけた瞬間(ノータイムで! 躊躇いゼロ!)助けに行くのが、いい。
    そして最期の言葉「私はお前とリィズをちゃんと育てた……ちゃんとな……育てたよ……」ここ、極上のシーンだった。
    母モニカも、アムロの父母やカミーユの父母を引き継いだような配置でありながら、いい言動を取る。

    に、対して、セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)の家族の体たらくよ。
    母ナディア・ロナは措くとして、祖父マイッツァー・ロナの危ういノブレス・オブリージュ(コスモ貴族主義)、そんなマイッツァーの薫陶を曲解し、なおかつ妻に逃げられた屈折を原動力にするカロッゾ・ロナの駄目さ……つまり私の大好物。
    なにせ、カロッゾ名台詞だらけ。
    (ナディアに罵倒され)「私も感情をもつ人間だ。素顔であれば今お前を殴り殺していたかも知れん……」
    (バグについて)「誰の良心も痛めることがない、いい作戦だった。機械による無作為の粛清……」
    (セシリーのビギナ・ギナを捕らえて)「つくづくお前は悪い子だ。大人のやることに疑いを持つのはよくないな」
    (こんなことはやめろというセシリーに)「人類の十分の九を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう」
    で、セシリーに「機械が喋ることかっ!」と一蹴されてショボン。
    また、「私は機械ではない。任務遂行の為にエゴを強化したものだ! ふはははは、怖かろう! しかも手足を使わずにコントロール出来るこのマシンを使うこの私を、ナディアと同じように見下すとは……、つくづく女というものは、御しがたいな!」
    で、やっぱりセシリーに「そうさせたのは、仮面を外せないあなたでしょう!」と核心を突かれる。
    なんでも出渕裕がインタビューで、富野の娘さんが当時セシリーくらいの年齢だった、と。(さらにいえばクェスも当時の娘さんの年齢くらいだった)
    さすがマゾヒスト富野。
    親子喧嘩を宇宙で繰り広げる。
    ちなみに、セシリー「仮面を付けなければ、何も出来ない男性。それが世直しを言うなんて」という台詞は明らかにシャアへの言及。こういう繰り返し、自己言及が楽しめるようになったので、嬉しい。
    また、「あの光は僕には、宇宙を乱すもののけに感じられる」というシーブックの台詞。もののけっていう言葉が0123にあると想像すると、なんか嬉しい。

    少し前に「閃光のハサウェイ」を見て、市街戦の凄みを「F91」に引き付けて語っているレビューをよく見たが、納得。
    前半の市街戦……空薬莢で死亡する、子を抱いた母、に代表される、結構衝撃的なシーンあり。
    また後半には「バグ」という、円盤チェーンソー+レーザーという無人機械で、人々を惨殺する機械が登場し、それこそカロッゾの「罪悪感なき粛清」を実現していくが、これなんか現代のドローン兵器を先取りして描いているようだ。
    ちなみに今回鑑賞したのは完全版(120分)。
    劇場公開版(115分)ではバグ関連の凄惨描写がカットされていたんだとか。
    ビルギットが「人間だけを殺す機械かよ!?」と慄いていたが、劇場公開版では該当場面がなかったため視聴者はわけがわからず、直後にバグに負けたビルギットを茶化して「ビルギットだけを殺す機械かよ!?」というネットーミームが生まれたんだとか。

    ラストに「THIS IS ONLY THE BEGINNING」と字幕が出る。
    なんでも本来連続テレビアニメの企画だったが、まず先にワンクールぶんを映画にしてみた、という従来とは逆の流れだった。
    その上本来想定されていたテレビ版はお蔵になったまま「Vガンダム」へと移行してしまった、という変則的な成立過程。
    そのためひどく駆け足……あらかじめ編集版を出しておいて大河的スケールを想像させようとしたような……という批判もあるらしい。

    が、個人的にはうまくまとまっていると思う。
    分身とか残像とか(ドラゴンボールじゃん)、フェイスオープン機構が中途半端に人間みたいでダサいとか、宇宙空間に漂うセシリーを探し出せ!気合でな!(バイオコンピューターとサイコミュシステムをセンサーにして知覚を増幅し、彼女の存在を感じればOKという理屈)とか、あまり好きじゃない箇所は、ないではない。
    しかし、それ以外はいい、というか、シーブックとセシリーが好ましい。
    セシリーの髪がなびく描写も、当時のセルアニメならではの良さがある。
    「逆襲のシャア」がこってり味なら本作はあっさり味。どちらもよいのだ。

    で、富野の小説「機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード」(1991)を原作にして、長谷川裕一が「機動戦士クロスボーン・ガンダム」(1995-1997、全6巻)として漫画化しているんだとか。
    ん? と調べたみたら、小学生当時の私が「ドラえもん」からちょっとだけ背伸びして手に取った「マップス」(1987-1995)の作者だ! ちょいエロだった。
    さらにいえば「飛べ!イサミ」(1995)の漫画化(1995-1996)もしている人……お世話になりました。

  • 見返すとクロスボーン・バンガード製のモビルスーツがカッコよかった。やっぱり動いているとカッコイイな。

    演出というかストーリーの流れは、なんというかワンパターンなものを感じた。ザビや他のシリーズにもまま登場する血統主義の話があり、子供たちが戦争に巻き込まれ、家族はうまくいっていなくて…。

    シーブックの母親はクソだと思った。

    結局宇宙世紀123年になってもスペースコロニーの統治や、地球の粛清をやっていて、(舞台設定として)あまりそれまでの作品群に対する新規性が無いように思えた。SFとしてみても、宇宙世紀100年以前に対する技術的・社会思想的進歩をあまり感じない。

    結局のところ宇宙世紀モノはU.C.100までくらいがディテールを詰めるのには限界で、あとは別世界として描くしかないというのが、SF作品としてのガンダムの限界なのかもしれない。

    戦闘の経緯含めて、スケール感は小さく感じた。これは1クール分だけを映画化したためだろう。本来はこの続きがあったはずで、そちらも気になる。

  • ヴェズバーは当時は画期的だった

  • 『逆襲のシャア』で一度ガンダムの物語が完結となり、新たなガンダム物語の立ち上げ作品とのこと。
    ですが、ガンダムの呪い、はそのままなのでライトなファンであればすんなり見ることができると思います。
    正義を標榜する者vs排除される者、戦争に巻き込まれる子ども達、家族だからこその愛憎劇、結局ニュータイプ(本作では設定上なしだけど)、戦争という暴力、といった富野節は健在なのでやっぱり重たい。新しいガンダムというコンセプトがほとんど無意味になっているように感じました。
    本作で有名なラビアンローズは気持ち悪いし、人が介在せず無作為に人を殺すバグという兵器は完全に今の戦争の問題だし、なかなか評価が分かれる作品じゃないかと。

  • いくらなんでもこれはない

  • 小学生の頃、ガンダムシリーズを初めて見たのがこの作品。
    それまで見ていたどのアニメよりも、
    「大人のアニメ」って感じがして印象的だった思い出。

    ディテールは殆ど忘れていたけど、
    今見ても十分楽しめた。

    明らかに「つづく」って終わり方なのに、
    未だ続編が製作されていないは残念。

    森口博子が唄う主題歌はアニメ音楽の傑作。

  • 1年戦争から40年以上経ってからのお話し。
    ファーストこそ至高故寂しい。

  • 私のジュブナイル。

  • 話の展開が早すぎでよくわからない!

  • 20年ぶりに観た。クロスボーンバンガード。貴族主義。
    F91がかっこいい。シーブックいいやつ。主人公の親がガンダムの設計者ってゆーのはどうやらテンプレですね。

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