荒野の用心棒 [DVD]

監督 : セルジオ・レオーネ 
出演 : クリント・イーストウッド  マリアンネ・コッホ  ジャン・マリア・ボロンテ 
  • パイオニアLDC
3.52
  • (22)
  • (43)
  • (51)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 219
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102713911

感想・レビュー・書評

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  • 『007』シリーズ全作品、『シャレード』『ピンクの豹』, etc.
    近年だと『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『アイアンマン』『スパイダーマン』三部作(特に「2」!)などなど、映画のタイトルバック・フェチの僕としては、エンニオ・モリコーネの音楽とも相まって『荒野の用心棒』の幕開けが、こんなにもスタイリッシュであることに驚き。
    マカロニ・ウエスタン、侮りがたし。

    悪徳保安官バクスター一家と、悪漢ロホス三兄弟が勢力を二分する辺境の町に流れ着いた一人のガンマン(クリント・イーストウッド)
    彼は荒くれ者がはびこる町に平穏を取り戻し、また何処かへ去っていく。

    単純な筋書きの娯楽作品でありながら、まったく隙のない映像とシナリオ。
    緊張と緩和の連続で引きこまれる物語と、ワンカット、ワンカットがシャープで、どこを切り取っても素晴らしい構図。
    ロホス三兄弟ら無法者たちの屋外での酒宴のシーンは、日が翳ってきた頃の色合いもあってか、ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』にもみえる。
    これは狙いかもしれない。

    若きクリント・イーストウッドが本当にかっこいい。
    荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第三部の主人公、空条承太郎のモデルはクリント・イーストウッドらしいが、わかる気がする。
    ファッションとしては第四部登場時のジョセフ・ジョースターのスタイルに近いが、立ち姿がクール。そしてしなやかで力強い。
    物語の方も『ジョジョ』よろしく、不屈の闘志と冴えわたる頭脳で大勢の敵にどのように立ち向かうのか、圧倒的に不利な危機的状況をどう脱するのか。そのスリリングな展開がたまらなく面白い。

    セルジオ・レオーネ監督の才気あふれる傑作。
    映画監督という人種は元来、芸術にも造詣が深く、美的感覚に優れた人たちばかりなのだろうが、いかにも「アート作品を撮りますよ」といった感じではなく、エンタテインメントでプロの仕事に徹しつつ、それでもどうしようもなくセンスが滲み出てしまったこういう作品に出会うと嬉しくなる。

    クリント・イーストウッドの役名は「Man with No Name」だった。

    イタリアのマカロニ・ウエスタンという辺境の地に流れ着いた「名も無き男」が、輝かしい勲章を手にハリウッドに凱旋し、いまや真のヒーローとなったことを考えるとより感慨深い。

    • kwosaさん
      GMNTさん!

      「ドル箱(名無し)三部作」
      そんなに言われたら、これは全部観ないといけませんねぇ。
      マカロニ・ウエスタン・ブームの到来です...
      GMNTさん!

      「ドル箱(名無し)三部作」
      そんなに言われたら、これは全部観ないといけませんねぇ。
      マカロニ・ウエスタン・ブームの到来です(自分の中で)。

      『裸のランチ』『めまい』は昔観たんですけど意識していませんでした。
      『ブリット』も気になっていたので、合わせて観返してみます。

      ソール・バス、僕も詳しくはないんですけど、JAZZのレコードジャケットでもいい仕事してますよね。
      その観点で映画をセレクトするのも面白いですよね。
      以前「カイル・クーパーで観る!」という裏テーマにハマっていた時期があります。
      2013/05/14
    • andesapresriam12さん
      kwosaさんへ

      黒澤監督の「用心棒」は大好きな映画で何度も見ているのですが、「荒野の用心棒」はまだ見ていません。

      評判の良さは聞いてい...
      kwosaさんへ

      黒澤監督の「用心棒」は大好きな映画で何度も見ているのですが、「荒野の用心棒」はまだ見ていません。

      評判の良さは聞いていたのでいつか見ようとは思っていたのですが、この春に録画したのでいずれ見る予定です!
      2013/07/21
    • kwosaさん
      andesapresriam12さん!

      花丸とコメントをありがとうございます。

      『荒野の用心棒』おもしろいですよ。
      でも黒澤監督の『用心...
      andesapresriam12さん!

      花丸とコメントをありがとうございます。

      『荒野の用心棒』おもしろいですよ。
      でも黒澤監督の『用心棒』を何度もご覧になっているのであれば、あまりの「まんま」な感じに驚かれるかもしれません。
      andesapresriam12さんのご感想が楽しみです。
      2013/07/21
  • BSで放映されたので久しぶりに観ました、『荒野の用心棒』。以前観たのはまだ西部劇をあまり観たことがない頃。アメリカ製西部劇と、イタリア製のマカロニウェスタンの違いにも詳しくなく、当時知り合った面白いおじさんがマカロニ好きだったりして、西部劇を観たいと思ったのが10年ぐらい前。マカロニウェスタンを観るとき、誰もがだいたい最初に手にとるのがこの『荒野の用心棒』ですね。

    でも、実は僕は『荒野の用心棒』そんなにピンと来なかった。そして今観てもそこまでピンとこない。イーストウッド主演、レオーネ監督の「ドル箱三部作」だと二作目の『夕陽のガンマン』は大好きなんだけど。
    あと、色々観ていくとセルジオレオーネよりは、セルジオコルブッチの方が好きなことに気づく。ピンと来るどころかビンビンに来る。

    そして元になった黒澤明の『用心棒』、こちらもすごく好き。なのになぜ『荒野の用心棒』はそんなに好きになれないか?と考えたら、やっぱり沢村いき雄さんが出てないからなんじゃないかなと笑。

    それは半分冗談だけど、『用心棒』の方はコメディ要素もあって、キャラクターがとにかく面白い。『夕陽のガンマン』も三すくみでキャラが面白い。
    レオーネ作品ってカッコいいんだけど、ただカッコいいだけであんまり好みではないんです。そのカッコよさはもはや芸術そのもので、『悪魔のいけにえ』なんかと近い気がする。

    それは例えばオープニングシークエンスもだけど、その直後に強い光で画面が真っ白になる。これはラストシーンの対決で、悪役がやられるところと繋がってる。今回気づけた点でした。
    それとレオーネといえばとにかく顔面どアップですね。これも非常にカッコいいです。

    映画の前半はあまり面白くないけど、後半から面白くなった。
    『用心棒』との違いは、町の大きさなのかな。郊外の家まで遠い気がする。
    最大の違いは、これ他の方の評で読んだんだけど、桑畑三十郎がふたつの勢力を共倒れさせるのに重きを置いてるのに対して、名無しのジョーは悪役との対決と女を救うことがメインになっている、だからなのではと。
    プロットの面白さがその分削がれていて、翻案はまさにしっかりと「西部劇的」になっている。

    それと、マカロニの面白さというのはやはりギミックだと思う。この映画はラストのギミックが超有名ですね。ただ、これも元の『用心棒』のギミック?の方が好き……。

    ちょっと前に黒澤さんの『羅生門』を観たとき、男と女ともう一人の関係性をどこかで見たことあって、聖書もそうだと書いたけど、あとでフェリーニの『道』と同じだと気づいた。『羅生門』に影響されて『道』を作ったんだと。
    イタリアに日本映画を輸入するバイヤーの人がいたんだけど、同じように『用心棒』もイタリアで『荒野の用心棒』になった。と同時に、レオーネは下積み時代にネオレアリズモ作品に関わっていたので、そことの関係は無視できないと思う。
    これはイタリアのホラー映画も同じだけど、ネオレアリズモ、そしてフェリーニ、マカロニウェスタン、ルチオフルチなんかもひっくるめて「イタリア映画」として観ていくと面白い。

    最近、BSでクリントイーストウッドの10年ちょい前のインタビュー(『硫黄島からの手紙』の頃)を観たら、すごく同意できることを言ってました。
    イーストウッドとレオーネは一歳違いの同世代だからウマが合ったと。しかし、レオーネはどんどん大がかりなものを作るようになっていって、それは自分の目指す映画とは異なって行ったんだ…と。
    レオーネはイーストウッドの師匠だけれど、この後アメリカでもうひとりの師匠、ドンシーゲルと『ダーティハリー』を作るのですごく納得できる。

    ドル箱三部作の最後、『続・夕陽のガンマン』を僕があんまり好きになれない理由とまったく一緒です。この映画は非常に評価が高くて、タランティーノなんかも大好きなんだけど、あまり好きになれなかった。だから『夕陽のガンマン』が一番好きなんです。

  • 1964年
    クリント・イーストウッド主演

  • バンバン撃ちまくる派手なガンアクションのうるさい発砲音
    その合間に流れる音楽が良い

    ハートの形に撃ち抜く几帳面な弟
    実は良い人なんじゃないかと

    だからこそ、クライマックスの名無し男との対決シーンがアツかった

  • 2009年12月8日鑑賞

  • 先日、BSテレ東で放映していた『荒野の用心棒(原題:Per un pugno di dollari / 英題:A Fistful of Dollars)/1964』を観ました。

    -----story-------------
    二人のボスが対立するニューメキシコの小さな町に現れた凄腕のガンマン。
    御存じ「黒澤明」の『用心棒』を西部劇に翻案したマカロニ・ウェスタンの代表作。
    当時、映画俳優としては鳴かず飛ばずだった「イーストウッド」を一躍トップスターに押し上げ、監督「レオーネ」、音楽「エンニオ・モリコーネ」共に出世作となった。
    この3人は次作『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』でもトリオを組む。
    『続・荒野の用心棒』は本作とは何の関係もない。
    -----------------------

    「クリント・イーストウッド」が国際的に認知されるきっかけになった、マカロニウエスタンの代表作… イタリアで公開された「黒澤明監督」の傑作時代劇『用心棒』を観て感銘を受けた「セルジオ・レオーネ」が西部劇に作り変えようとしたことがきっかけのようですね。


    1872年、米国ニューメキシコの小さな町にやって来た風来坊のガンマン・ジョーは、当地を恐怖に陥れている2大勢力「ロホス兄弟」と「モラレス一味」の対立を知って、金もうけのチャンスにしようと画策… まずはそのみごとな拳銃さばきの腕を披露し、「ロホス」側に自分を用心棒として売り込むのに成功する、、、

    しかし、「ロホス兄弟」の弟の情婦に同情し、彼女を自由にさせたことがばれて、「ロホス」側のガンマンたちからリンチに遭ってしまい……。


    「エンニオ・モリコーネ」作曲のテーマソングとオープニングロールが印象的でした、、、

    そして、「クリント・イーストウッド」のカッコ良さに引き込まれる作品ですね… でも、作品としてはどうかなぁー 嫌いじゃないけど、やはり元祖『用心棒』の方が何倍も面白いですね!



    -----staff/cast-------------
    監督:セルジオ・レオーネ(ボブ・ロバートソン名義)
    製作:ハリー・コロンボ
       ジョージ・パピ
    原作:黒澤明
       菊島隆三
    脚本:セルジオ・レオーネ (ボブ・ロバートソン名義)
       ドゥッチオ・テッサリ
       ヴィクトル・A・カテナ
       ハイメ・コマス
    撮影:ジャック・ダルマース
    音楽:エンニオ・モリコーネ
    出演:
     クリント・イーストウッド 名前のない男(ジョー)
     ジャン・マリア・ヴォロンテ ラモン・ロホス
     マリアンネ・コッホ マリソル
     ヨゼフ・エッガー
     マルガリータ・ロサーノ

  • 西部劇っていまいち皆のポジションがわからない。棺おけおじちゃん。終わり方は好み

  • 確かに面白い。でも、「用心棒」そのまま。

  • 無許可のパクリはいけません、絶対!音楽はエンニオ・モリコーネの傑作です。

    『荒野の用心棒』(A Fistful of Dollars)は、1964年にイタリアで制作及び公開されたマカロニ・ウェスタンである。1966年公開のマカロニ・ウェスタンに『続・荒野の用心棒』(原題:Django)という作品があるが本作とは一切関係ない。1965年に日本、1967年にアメリカでそれぞれ公開されたこの映画の後にイーストウッド主演による『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』の2作が制作され、『荒野の用心棒』と合わせて「ドル箱三部作」と呼ばれる。アメリカではユナイテッド・アーティスツがイーストウッドの演じたキャラクターを「名無しの男」として宣伝した。
    イタリアで公開された黒澤明の『用心棒』を見て感銘を受けたセルジオ・レオーネが、日本の時代劇『用心棒』を西部劇に作り変えようとしたのが始まりである。レオーネは同僚の撮影監督や脚本家たちを誘って再度『用心棒』を鑑賞、脚本執筆の参考にするために映画の台詞をそのまま書き写したと言われている。
    レオーネは当初、ヘンリー・フォンダの起用を望んでいたが、フォンダはハリウッド・スターだったため獲得できなかった。その次にチャールズ・ブロンソンに出演依頼をするがブロンソンは脚本が気に入らないという理由で辞退。さらにヘンリー・シルヴァ、ロリー・カルホーン、トニー・ラッセル、スティーヴ・リーヴス、タイ・ハーディン、ジェームズ・コバーン等にも打診するが何れも断られた。そこで代わりに白羽の矢を立てたのが当時テレビ西部劇『ローハイド』でブレイク中だったクリント・イーストウッドだった。この時、イーストウッドが受け取った脚本の題名は「Magnificent Stranger」だったといい、また、その内容は『用心棒』の翻案であることもすぐに読み取った。無名のイタリア人監督がスペインで日本映画の西部劇風リメイクを制作するという如何にも胡散臭い企画ではあったが、『ローハイド』出演の際に他のハリウッド映画に出演できないという契約を結んでいたイーストウッドはヨーロッパへの物見遊山気分半ばでオファーを受諾、無事撮影が開始されることになった。

    裁判沙汰:
    レオーネを始めとする製作陣は公開にあたり、黒澤明の許可を得ていなかった。そのため、東宝はレオーネ等を著作権侵害だとして告訴、勝訴している。この裁判の結果を受けて『荒野の用心棒』の製作会社は黒澤たちに謝罪し、日本、台湾、韓国などのアジアにおける配給権と10万ドルの賠償金と、全世界における配給収入の15%を支払うことになった。また、この裁判の過程で映画の著作者が受け取る世界の標準額を知った黒澤は東宝に不信感を抱き、契約解除、ハリウッド進出を決意させる要因にもなった。

    反響:
    1960年代初期からイタリアでは西部劇が作られていたが、そのイタリア製の西部劇、いわゆるマカロニ・ウェスタンが世界的に知られるようになったのは『荒野の用心棒』のアメリカにおける大ヒットからである。その暴力的なシーンを多用した乾いた作風や激しいガン・ファイトが、当時の西部劇の価値観を大きく変えたと言われている。1960年代中盤から1970年代にかけてイタリアでは大量のマカロニ・ウェスタンが量産されるようになったが、現在でもマカロニ・ウェスタンの代表作として本作品を挙げる人は多い。

    アメリカに帰国後、再び『ローハイド』に出演していたイーストウッドはヨーロッパ全域で『A Fistful of Dollars』という映画が人気を博しているという噂を耳にしたが、それが自分が主演した「Magnificent Stranger」のことであるとはまったく知らなかった。この作品、及び一連の後続作品の影響で当時、ヨーロッパで最も有名なアメリカ人の一人となり、訪米した多くの著名なヨーロッパ人が彼との会見を希望したが、落ち目のテレビ俳優と認識していた周囲の人たちはその光景が不思議なものに見えていたという。
    その知名度の高さゆえか本作品は他の映画やアニメ、テレビゲームなどでパロディにされることも多い。例としてバック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズでは本作の映像やイーストウッドの名が劇中で使用されている。

    ストーリー:
    ある日、アメリカ=メキシコ国境にある小さな町サン・ミゲルに、流れ者のガンマン・ジョーが現れる。ジョーは酒場のおやじのシルバニトから、この街ではドン・ミゲル・ベニート・ロホスとジョン・バクスター保安官の2大勢力が常に縄張り争いをして、儲かるのは棺桶屋だけだと聞かされる。ジョーは、早撃ちでバクスターの子分を殺して、ミゲルに100ドルで手下になる。ミゲルの息子でライフルの名手であるラモンが帰ってきて、バクスターと手打ちをしたことにより、ミゲルの手下を辞めて、シルバニトの宿に泊まることにする。ジョーとシルバニトは、メキシコの軍隊の後を追って、国境沿いの川でアメリカの騎兵隊との取引現場で、ラモンとその一味が機関銃で全員を射殺、撃ち合ったように見せて、金を奪ったのを目撃する。ジョーとシルバニトは、ラモンが機関銃で殺した兵隊の死体を墓に生きてるように置いて、バクスター側とラモン側とで銃撃戦をさせ、その間にラモンが軍隊から奪った金を探すのだが、その時に囚われてたラモンの愛人マリソルを救い出してしまう。銃撃戦の最中に、バクスターの息子を人質に取ったラモンは、マリソルとの人質交換を行う。その夜の宴会で、酔っ払ったふりをしたジョーは、マリソルの護衛を撃ち殺して、その夫と子供と共に逃がしてやるのだが、それがラモンにばれて、ジョーは酷く痛めつけられる。命からがら逃げのびたジョーだが、ラモンはバクスターの仕業と思い、バクスターを襲い壊滅させる。ラモンとミゲルは町を牛耳り、シルバニトを町の真ん中で痛めつけて、ジョーをおびき寄せる。左手が使えず、ライフルの名手であるラモンに対して、それでもジョーは敢然と立ち向かっていくのであった。(ウィキペディア)

  • 古典的な名作と思っていて観なおしてみたんですが、今となってはあまりいただけない内容というか自分の好みからははるかに外れてしまっている作品という位置付けになっています。無駄な殺戮と無駄な暴力が多すぎて無意味に人を傷つけるのが演出の一部ということであればまったくいただけない。テロリスト映画じゃないかこれでは。

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