千年女優 [DVD]

監督 : 今敏 
出演 : 荘司美代子  小山茉美  折笠富美子  飯塚昭三  津田匠子  鈴置洋孝  山寺宏一  津嘉山正種 
  • バンダイビジュアル
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569615473

感想・レビュー・書評

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  • 夫が借りてきたDVDを一緒に観賞、面白かったー。
    人間の想像力ってすごい、と思わされる映像。
    今監督、若くして亡くなられたのが、残念だなあ。

  • 大女優の若かりし頃から隠居するまでのことをインタビューを通して語られていくお話しです。ただのインタビューシーンではなく、女優の話の中に引きずり込まれて、過去と現実が入り混じったようなシーンを何度もはさみながら進んでいきます。今までに見たことの無いような構成のため非常に変わった作品だなと感じました。

    一方で、恋慕というか、思いを寄せる人を、ひたすら思い続け、思い続け、そして追いかけていく、それも寄り道をすることなく追いかけていくということが中心にあるお話でした。でも、この作品の表現の仕方がやはり興味深いので、一味違った作品ではないでしょうか。

  • 懐かしの映画への愛と一途な恋愛のロマンチック……と見せかけておいて結構な狂気。
    「その愛は狂気にも似ている」ってキャッチコピーもぴったりで、藤原千代子のラストの台詞でヒッてなりました。鍵の君へ向けてかと思ってたら!!

    大女優の藤原千代子へのインタビュー、現実と幻想(出演映画の内容)が違和感なく繋がれててどこから映画だった?となるの凄過ぎる。ある映画から別の映画の転換も滑らか…絵も綺麗だしワクワクしました。
    蜘蛛巣城しっかり観たい……松竹だったらしい叔父は観たかな千年女優。。

    元映画スタッフだったインタビューしてるディレクターの立花さん、千代子さんに会って鍵渡せるまで、元特高警察のお爺に言われた鍵の君の事を一人で抱えてたんだろなと思うとつらい。
    カメラマンの兄さんもふたりによくついてきたなと思いました。ツッコミながら。お疲れさま。。

    映画に出演する理由も引退(?)した理由も“あの人”。でももう顔も思い出せなくて……
    ラストシーンも好き。始まりのシーンでは映画のシーンなのに、ラストでは見上げてるの立花さんとカメラマン君。


    久々に観たら「千年女優はそんなに〜」と思ってた自分を殴りたいです。
    今敏作品は全部最高!!天才!!(信者)
    わりと時代劇だけど平沢進さんの音楽合うなぁ。

  • 想い人を追いかけるという一貫した姿勢は分かりやすかった。
    夢と現の境界が曖昧になる~ってのは、Perfect Blueやパプリカと似てる。

  • ひたすら愛する人(虚像)を追う物語
    こういう独特の表現・世界観は、今さんしかなし得ないな
    次元を越えて、その奥行きに酔いしれた

    女優でドラマ・映画のような演出がまた面白い

    展開が早くてさらっと観てしまったが、思い返すと唸る作品だったな

  • 出だしの、現実と映画の世界が混じっちゃってる辺りがいちばん面白かった。千代子のルックスはキュートだけど言ってしまえばただそれだけ。感情移入できるきっかけが少なすぎてすーっと映像が通り抜けていく感じだった。
    と言いつつ最後は、泣いた。ただし
    「だって、あたし…」
    につづく台詞で涙ひっこんだ(笑)「えっ?」って感じ。なんとシニカルな…。結局なにが言いたかったのだろう。愛は狂気だってことか?愛は狂気だよね。想いが強ければ強いほど、わけがわからないものである。

  • 「だって、わたし、あの人を追い掛けているわたしが好きなんだもの。」

    この一言で物語は閉じる。この言葉は単なる自己愛ではない。「あの人を追いかけている自分が好き(だからそういう演技を、ずっとしてきた)」という自白なのではないか。
     ということを最近考えて、ぞわっとした。

  • 「パプリカ」も「東京ゴッドファーザーズ」も好みじゃなかったのですが、本作はすごく面白いですね。

    現実と虚構が入り混じりところは「パプリカ」と同様ですが、本作のほうが圧倒的に見やすいです。まず何より、1人の女優の聞き語りの物語という体裁を取りつつ、彼女の出演作に時代劇から、未来が舞台のSF作品までを時系列に並べ、1000年の時代を生きた女性の壮大な一代記に見せるというアイデアなにより素晴らしい。そして、インタビュアーがそのドラマの中を自在に行き来して、ツッコミを入れるというメタフィクションの手法が効いています。彼女が宇宙に飛び立つラストには、壮大な物語が締め括られたという感慨がひとしおです。

    これはまさしく天才の仕事。傑作です。

  • ひとつの円環を見ているようでした。
    初めのシーンがぐるぐるっと回って、最後に行き着く先は円が始まった開始点というような……。

    恋は盲目という言葉がありますが、千代子さんはまさにそれで、結ばれることが目的の恋なんだけれども、結ばれるまで不幸なわけじゃない。その過程も含めて恋というものを愛していたのではないかと感じました。

    随所に平沢チックな音楽が流れる中、独特のタッチで描かれるアニメーションが特徴的で、これはアニメ映画ではなく、どちらかというと芸術品の類なんだなとわかりました。

    前情報を全く入れずに観たので、千代子の女優としての生きざまとかそういうものを含めたストーリーかな? ぐらいに考えていましたが、女優としての千代子というよりは千代子そのものを描く作品でした。

    今聡監督……亡くなってもうすぐ10年になられるんですね。まだまだ監督の作品を観ていたかったですね。

  • 「その愛は狂気にも似ている」

    たったひとつの約束のために、「あの人」の影を追い続ける。
    現実と、映画のなかの虚構の世界が混ざり合う。
    ただ唯一確かな現実が、「あの人」の落としていった鍵。
    つまり、千代子は「あの人」との約束を、自身のアイデンティティ、存在の証にしていたのではないだろうか。

    キャッチコピーが適切か否か、ちょっと途中まではわからなかったのだが、最後のあの衝撃的な台詞で、たしかにそうなのかもしれないと納得してしまった。ある意味ね…。

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著者プロフィール

今 敏(こん さとし)
1963年10月12日生まれ。北海道出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒。漫画家、アニメーション監督。大学在学中の1985年、ちばてつや賞を受賞し、漫画家としてデビュー。漫画作品としては『海帰線』、『ワールド・アパートメント・ホラー』、短編集『夢の化石 -今 敏全短篇』(以上 講談社・刊)、『OPUS』上・下巻、『セラフィム 2億6661万3336の翼』(以上 徳間書店/復刊ドットコム・刊)がある。
1990年以後、劇場用作品を中心に、美術設定やレイアウト担当としてアニメーションの世界でも活躍。1998年には、映画『パーフェクトブルー』で初監督。その後、2002年『千年女優』、2003年『東京ゴッドファーザーズ』、2006年『パプリカ』を発表し、世界各国の映画賞を受賞。また、2004年には、TVアニメ『妄想代理人』を、2007年には短編アニメ『オハヨウ』を制作。
2010年8月24日逝去。享年46歳。

「2023年 『今 敏 MANGA選集 3 海帰線 [ワイド版・生原稿ver.] KAIKISEN』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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