まぼろし<初回限定パッケージ仕様> [DVD]

監督 : フランソワ・オゾン 
出演 : シャーロット・ランプリング  ブリュノ・クレメール  アレクサンドラ・スチュワルト 
  • 東芝デジタルフロンティア
3.72
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4540088002955

感想・レビュー・書評

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  • 結婚して25 年になるが、今でも仲のいい熟年カップルは休暇をとって夫の別荘のある海辺の町ラカンにやってくる。砂浜に来て、妻がまどろみ、夫は泳ぎに行く、そして妻が目覚めると夫は忽然と姿を消している。ここからは妻の内面のドラマになります。夫は妻に告げず、鬱病に悩んでいたことを知る。夫の死を受入れられない妻。仲の良かった義母との夫をめぐる迫真のバトルでようやく夫の死を認めます。描かれるのは人間という存在の絶対的な孤独ですね。アラフィフのシャーロット・ランプリングが見せるヌードとスタイルの良いドレス姿が美しい。

    • myjstyleさん
      nejidonさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      もう20年前の作品です。いかにもフランス映画ですね。ヴァージニア・...
      nejidonさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      もう20年前の作品です。いかにもフランス映画ですね。ヴァージニア・ウルフの一節をスラスラと口にするとか日本人にはできない芸当(教養)です。また、女性はもちろん男性もおしゃれで着こなしていて羨ましい。「喪失」 人生は、親しいもの、大切なものを喪失し続けるものですね。愛別離苦。会者定離。
      2020/09/08
    • nejidonさん
      myjstyleさん!
      ああ、そうそう、そうでしたね!
      あのテキストはヴァージニア・ウルフの「波」でした。
      それで私はヴァージニア・ウ...
      myjstyleさん!
      ああ、そうそう、そうでしたね!
      あのテキストはヴァージニア・ウルフの「波」でした。
      それで私はヴァージニア・ウルフを読むようになったのです。
      成熟した文化、成熟した大人のいる国、憧れましたね。
      ちょっと嬉しくて二度も書き込みました、ごめんなさいね。
      2020/09/08
    • myjstyleさん
      nejidonさん!

      そうです。素晴らしい記憶力ですね。
      「波」の一節、そして、世界で最も美しいと言われる遺書のラストもそらんじてい...
      nejidonさん!

      そうです。素晴らしい記憶力ですね。
      「波」の一節、そして、世界で最も美しいと言われる遺書のラストもそらんじていました。でも、そこからウルフを読むっていうのも、すごい!意識の流れですね。
      2020/09/08
  • 始まって10分しないうちに世界に引き込まれた。
    夫婦の会話の雰囲気とか、ちょっとしたしぐさが、
    そうそう、フランス人ってこんな感じだよね、と懐かしく感じた。
    淡々と流れる時間と、フランス語が美しかった。
    ヴァージン=ウルフの「波」。読んでみたい。
    忘れろって言われて忘れられるなら早く受け入れて忘れてしまいたいよね。

    映画とは関係ないけど、シャーロット・ランプリングの肩甲骨と足のラインが美しかった。
    sous le sable。砂の下。邦訳「まぼろし」。

  • シャーロット・ランプリングが見たくて、2000年に制作された、フランソワ・オゾン監督の映画を見ました(DVD)。ちょうどFMからシューベルトのピアノソナタが流れてきて、これがぴったり。原題は『 Sous le sable 』、砂の下?フランス語がわからないので、最後に砂のシーンはあったけど...
    独特のカメラワーク、サングラス越しの目の動きとか、熱帯魚の水槽と顔のツーショットとか。シャーロット・ランプリング、『愛の嵐』の時は20代後半、撮影時は50代半ば、やっぱりいいですね。

  • 初フランソワオゾン。10年前ぐらいまで、名前と作品も一致してなかったぐらいで、観る機会がなかった監督。
    『ELLE』を観た際に姉と話したら、イザベルユペールが好きらしくて、昔『8人の女たち』なんかは観たと。
    それからSwichインタビューでの池松壮亮くんとの対談があったのですが、『2重螺旋の恋人』はクローネンバーグの『戦慄の絆』っぽいなあと。
    先入観はあまり持ちたくないし、持たないようにしているけど、諸々含めて自分とは合わない監督かもしれない…と思うようになってて、『まぼろし』を観てもやっぱりそう思ってしまう。

    シャーロットランプリングといえば、自分の中では『未来惑星ザルドス』!DVDのキャリア紹介のところで無視されていて腹が立つ笑。
    それとやはり『愛の嵐』で、これ観る前に観たかったんだけど順番が逆になってしまった。
    あとは大友克洋先生が『気分はもう戦争』の中で好きだって似顔絵とともに書いてましたね。だから、シャーロットランプリングはけっこう好きな女優さんです。この映画の時は53歳ぐらいですかね。

    『まぼろし』は邦題もあまり良いとは思えない。原題は『砂の下』という意味。邦題のせいで若干わかりやすくなってるのも良いんだか悪いんだか。
    メインのプロットは、旦那さんが失踪する話だと思わせといて何かあるのかと思いきや、普通に旦那さんが失踪する話だった。

    けっこう良いと思った点は、お婆さん(旦那の母)と会うシーンと、もうひとつは他の方も指摘されてるとおり「重さが…」っていうセリフ。
    このセリフ素晴らしいなあと思ったんだけど、他の方のレビューを信じるなら女性スタッフのアイデアだそうで…いや、オゾン本人は考えてないのかよ。その女性スタッフがすげえよ。

    失踪事件自体はオゾンが若い頃に目撃したことらしいんだけど、そのアイデアだけであとはあまり深く考えずに撮られたんじゃないかなあ。
    オゾンが33歳頃の作品なので、実感として本人から湧いてくるものはまずないでしょうし。
    50代のシャーロットランプリングを使って、性的なもの諸々入れたそれらしい映画をやりたかっただけ、と言うのは意地が悪すぎでしょうか。

    この映画はセザール賞にノミネートされたけど、1位は『アメリ』で得票差は10票差。まあそうでしょうね。

  • 自分以上にかけがえのない存在が失われてしまっても、恐ろしいことに生活は惰性で続く。それでもいつかは車軸から外れたホイールが倒れてしまうように、マリーも立てなくなるのだろう。

    はなやかに美しい中年女性のマリーが、よそいきの顔をやめたときの無残が心に残った。

  • 喪失の物語。

    真の大きなテーマは、
    老い
    かと。

    海に、
    飲まれていく日常。

  • 喪失を受け入れるまでの過程を優しく、温かい目線で、それでいて余計な感傷に耽溺することなく描いた秀作。


    主人公マリーはあまりに身近で大きな存在を失ってしまったために、その現実を受け入れることができず、そこに“まぼろし”の蓋をしてしまう。そうすることが、当たり前のように、ごく自然と、現実を拒否する。

    そんな風にして一歩も前に進むことができなくなってしまった人を、私は到底責めることなどできない。そしておそらく、誰にもそんな権利はない。
    それは自分の身を守るためにとった、本能的な、反射的な方法だったのだろうから。
    少なくともマリーにとって、そうなることは避けられなかった。そしてそういうことは、誰にでも起こりうる。

    最後、マリーはその事実を受け入れることができたのか曖昧なまま終わるのも、いい意味で観る者に引っ掛かりを残す。『ぼくを葬る』同様、この作品でも非常にラストが印象的。


    全編を通し、哀しさの表現がとにかく洗練されている。
    それはフランソワ・オゾンの演出に依るものであるのだろうけど、シャーロット・ランプリングの演技に依るところもかなり大きいと思う。
    彼女が素晴らしい女優であることを再確認。

    静かで、穏やかで、尖ったものがまるでない狂気。だからこそその繊細なバランスの上で揺れるマリーの内面が、危うげで、美しい。

  • 50代で、愛する夫を失った妻。死んではじめて知った彼の苦しみ。切ない。最後、あれはどういう意味だったんだろう。

    オゾン監督、やっぱりいいな。

  • 「」


    マリー(シャーロット・ランプリング)とジャン(ブリュノ・クレメール)は、幸せに連れ添って25年になる50歳代の夫婦。
    例年の夏のように、フランス南西部のランド地方にヴァカンスにやってきた2人だったが、マリーが浜辺で昼寝している間に、夫が突然消えてしまう。大きなショックを受けたマリーは、パリに戻っても、ジャンとの日常生活が続いているような会話をし、ジャンの幻覚を見て暮らしていく。
    やがて彼女は、出版社を経営する男性ヴァンサン(ジャック・ノロ)とベッドを共にするようになるが、違和感を感じるばかり。
    そんなある日、警察からジャンと思われる水死体が見つかったと連絡が入る。死体確認のため、マリーはランドへ。ほぼジャンに間違いないと説明する法学医に対し、遺物の時計が夫のものではないと正気を失ったように笑い出す彼女。
    そしてマリーは海岸に行き、初めて泣く。
    やがて遠くの海岸線にジャンらしき男性のシルエットを見た彼女は、そのまぼろしに向かって砂浜を走り出すのだった。

  • 割り切る事は、容易くない。

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