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- / ISBN・EAN: 4988104022004
感想・レビュー・書評
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久々のリアルタイム劇場鑑賞録はあと一回を残すのみとなったJapan SocietyでのMonthly Film Series、THE DARK SIDE OF THE SUN: JOHN ZORN ON JAPANESE CINEMAを通して。
自分はやはり「Tuburaya」の名にはつい背筋をのばして反応してしまう世代のようで、幾分気合も入った状態で席につく。開演前の紹介の中で本作が吹き替え版としてアメリカにも輸入されていた事実を知り、会場にはその記憶を持ちつつ乗り込んだ人もいたのか、「本日はそちらのTVサイズに歪められたものではなく、オリジナルの東宝スコープサイズ、35mm版にてお届けします!」の口上に拍手喝采となる場面にもついニヤリ。
英語字幕で楽しんでいらっしゃる方達を中心にたびたび起こる爆笑の渦は若干面倒でもあった。(その成熟度は別の話として)大人としてしかこの作品を観れない人達は発想が貧困になってしまったことを認めるかのように、ジョークとして笑うことによってしか本作の良さを評価できないのだ。元ウルトラマンマニア小僧であった自分としては鑑賞時にはある程度スイッチの切替が効くようで、それなりに真顔で観続けていたような気がする。
子供にみせるためだけに作ったわけではない、人間の深層心理をつくなかなか凝ったシナリオだったのではないかと。自分ならどう振る舞っただろうか、やはりキノコには手を出してしまったのだろうか…てなことをスイッチが切り替わった自分の頭で考えながら観ていた。で、その頭が打ち出した結論とは…
「英語で書かれた航海日誌ぐらいは読めるような大人になろう。」
大人の年齢になってから言うのも変な感じではあるが(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・演技は安くて笑ってしまうが、演出や美術がよい。
・しかし子供のころに見たら怖かっただろうなぁ。
・最初に歌手がウクレレを捨てる場面からすでに突っ込みどころ満載。
ぐわーっと登場した怪人の処理がばっさり。
割と平気で海を渡る。などなど。
・利己的になる人間の醜さというテーマを、もといた町に強引に引き戻すこの手法=精神病院。
・「うまいよー一杯どう?」てな感じで笑いかけてくるおっさん。
・むしろキノコ人間がかわいそうになってくる。 -
怖いっちゃー怖いけんども、キノコの化け物がチープ過ぎて、ゲンナリしたんだ、おら。ホラー映画じゃ、ウルトラマンに出てくる怪物のような、ちょっとかわいらしい(?)風貌したもんを求めてねえんだ。もちっとリアルなキノコ、観たがったなぁ。
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『ゴケミドロ』を観るとこちらも観たくなる。若い時、ラストで衝撃を受けた作品。閉鎖空間での極限状態の度合いでは『ゴケミドロ』よりも上です。食料不足や禁欲から疑心暗鬼とドロドロ。近しい関係であるがゆえに仲間割れを起こすと醜い。怪物の恐ろしさよりも人間ドラマに重きが置かれてるかな。やっぱり面白いです。
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「極限状態では…」で表出する、と我々が抱いている金、暴力、セックス!をスピーディに展開。古典のような共通認識としてすでに持っている部分ですから、これでいいのだと思います。人間の尊厳を売り渡すラインとは?そのせめぎ合いが同乗者間のズルや喧嘩であり、終盤に「理性が…」とかセリフが出るくらいですから、そういう話に落ち着く作品なんだと思います。序盤に出る消毒棚の変異動物のホルマリン漬け、あれがラスト東京に戻る彼の姿とだぶるんです。
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<私的ホラー映画祭⑳>これは…すごい。たぶん、何年たっても忘れない映画だ。トラウマになりそう。マタンゴが怖すぎる。だって、キノコ人間ですよ…。髪の毛が小さいボツボツしたキノコみたいになるんですよ…。怖い。
特にラスト。逃げ延びたものの、隔離されている男に対し、「おい、お前もかよ!」となってしまった。
人間が心身ともに、だんだんとキノコになっていく。この「だんだん」というのが正にミソ。不条理なこの変態を「だんだん」と見せていくことで、その映画は、たちまちホラーになる。『ハエ男』がほとんどホラーに仕上がるのは、このためだ。四谷怪談のお岩さんの顔も崩れていくのは、「だんだん」だ。
カビを表現した船内が、いかにもカビ臭そう。オエっとなってしまった。それぐらい、美術がすごい。
【ストーリー】
太西洋に、ヨットで旅だった一行があった。城東大助教授の村井、その教え子で恋人の相馬明子、笠井産業社長の笠井、彼の愛人で歌手の関口麻美、笠井産業の社員でヨットのベテラン作田、若い推理作家吉田、漁師の息子で臨時雇いの仙造等の7人だった。
順風満帆にセーリングをしていたところ、猛烈な暴風雨に遭遇した。マストは折れ、舵ははずれ、無電も使用不能となり、暴風雨がやんでもただ南へ南へと流されるばかり。水も食糧もなくなってしまった。
7人はぐったりとなったまま、死を待つほかはない。そのとき、深い霧の中に島影が見えた。一同は狂喜して上陸したが、絶えず白い霧が流れ、不気味だった。どうやら人間の足跡らしいものを辿って、一行が密林を抜けると、そこの海岸に一隻の難波船があった。
人間はおらず死体もない。ただ、カビやコケにおおわれていた。船核実験の海洋調査船らしい。巨大なキノコが入った冷蔵庫の扉には、「MATANGO」と謎めいた横文字が記されていた。
せっかく見つけた缶詰も、やがて食いつくし、一同は食物を求めて奔走した。その疲れ果てた彼らの前に、身の毛もよだつ怪物マタンゴ!が出現する。巨大な体から燐光を放ち、手足とおぼしきあたりから細長い数千の触手をのばしている。ライフル銃を射ちこんでもビクともせず、恐ろしい叫びをあげてジリジリと迫ってきた。
星新一・福島正実の原作から「妖星ゴラス」のトリオ、木村武脚色、本多猪四郎が監督、小泉一が撮影したSFもの。 -
男も女もキノコくわえてみんなハッピー、気持ちいい
全員ばけものになっちゃうけどね
いったいこれは神のキノコか、それとも悪魔のキノコなのか? -
バルタン星人の声が耳から離れなくなるお化けキノコ映画。こういうシチュエーションは好き。