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- / ISBN・EAN: 4988104022387
感想・レビュー・書評
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「向田邦子」の代表作の映画化作品『阿修羅のごとく』を観ました。
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昭和54年の冬。
竹沢家の三女「滝子(深津絵里)」が突然三人の姉妹全員を呼び集めた。
「滝子」は探偵の証拠写真を示し、70歳になる父「恒太郎(仲代達矢)」に愛人と子供がいると伝える。
四人は母には知らせないようにと約束する。
だが、彼女たちも互いに人には言えない問題を抱えていた。
華道で生計を立てる未亡人の長女「綱子(大竹しのぶ)」は、妻子ある男性と付き合っている。
次女「巻子(黒木瞳)」は夫の浮気を疑い始めていた。
潔癖症の「滝子」は、父の調査を頼んだ内気な青年との恋が足踏み状態。
四女「咲子(深田恭子)」は売れないボクサーと同棲中。
母「ふじ(八千草薫)」だけが、何も知らずに平穏な日々を過ごしているようだった…。
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全般的に昭和の雰囲気が感じられ「向田邦子」作品っぽさは感じられました。
あと、何も知らないと思っていた母が、実は何もかも知っていたというのは、なかなか衝撃的ですが「向田邦子」作品らしくて良いですね。
「向田邦子」作品だし、四姉妹(母親も含んでいるかも)が阿修羅に例えられて作品なので、もう少し感情の奥底の葛藤や嫉妬、猜疑心等のドロドロした部分、男女間の微妙なバランス感をリアルに感じられることを期待していましたが、その点はやや物足りない印象を受けました。
あと、四女の「深田恭子」と夫役の「RIKIYA」のキャスティングについて違和感あり。
何だか雰囲気が合ってない感じがするんですよね。
音楽はなかなか良かったです。
「ブリジット・フォンテーヌ」の『ラジオのように』が、妙なくらいピッタリ似合っていましたね。
もともとNHKのドラマ用に書かれた作品。
とても評価が高いようなので、時間があれば観てみたいですね。
本作では母親役の「八千草薫」が、ドラマでは次女役らしいです。
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監督: 森田芳光
製作: 本間英行
プロデューサー: 市川南
アソシエイトプロデューサー: 春名慶
三沢和子
原作: 向田邦子
脚本: 筒井ともみ
撮影: 北信康
美術: 山崎秀満
編集: 田中愼二
音楽: 大谷幸
照明: 渡辺孝一
製作主任: 橋本靖
製作担当者: 川田尚広
録音: 橋本文雄
助監督: 杉山泰一
出演:
大竹しのぶ 三田村綱子(長女)
黒木瞳 里見巻子(次女)
深津絵里 竹沢滝子(三女)
深田恭子 神内咲子(四女)
小林薫 里見鷹男
中村獅童 勝又静男
RIKIYA 神内英光
桃井かおり 枡川豊子
坂東三津五郎 枡川貞治
木村佳乃 赤木啓子
益岡徹 緒方
長澤まさみ 里見洋子
紺野美沙子 土屋知子
八千草薫 竹沢ふじ
仲代達矢 竹沢恒太郎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女性を鬼の阿修羅に例えるけれど、この映画を観ると女性を阿修羅にさせているのは女性ではない気がする。中村獅童さんの役柄にはちょっとビックリした。
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なんというか。怖い話だった。日常だけに怖い。
前のバージョンも見たいな。 -
監督、脚本、原作は順に、森田芳光 筒井ともみ 向田邦子 2003年作。大竹しのぶ 黒木瞳 深津絵里 深田恭子 小林薫 紺野美沙子 中村獅童 木村佳乃 長澤まさみ RIKIYA 桃井かおり 坂東三津五郎 八千草薫 仲代達矢 出演。
<コメント>
•4姉妹の日常生活もの。その点では是枝監督の映画「海街ダイアリー」と同じ。でもそれに比べてこの映画は、年老いた姉妹だけあってドロドロした男女関係を描いており爽やかさは全くなく、評価の割に、見た後でどんよりする。
•夫の浮気を知りながらかわす。そういう女は賢い女としてもてはやされた。その妻にマヌケな夫も手を合わせる。それが昭和の価値観だったのだろうな。
•ただ、今の時代に照らしていえば、結婚している男女が浮気をするなら、バレないようにスマートにいくべき。男ならM:pのイーサンくらいに振る舞わないと。
•これだけのキャストをよくも集められたものだなと思う。ほぼすべての俳優が主役級です。それだけに演技自体は安心してみていられました。
<あらすじ(ネタバレ)>
三女・竹沢滝子(深津)は70過ぎの父・竹沢恒太郎(仲代)がこぶつきの愛人(紺野)を囲っていることを、探偵(中村)を使って知り、姉妹(長女・綱子(大竹)、次女・巻子(黒木)、四女・咲子(深田))に相談、滝子と咲子は取っ組み合いの喧嘩を始める始末で、とりあえず母・ふじ(八千草)には知らせないでおくことにした。
姉妹は実は父の浮気どころではなかった。綱子は妻帯者(桃井)の男(坂東)と不倫、巻子は部長の夫(小林)に女(木村)のにおいを感じ、滝子はやがて興信所の探偵(中村)と親しくなり、咲子は浮気性のボクサー(RIKIYA)に手を焼いていた。
ある日、新聞に40代の主婦の投稿として「老いた父に愛人が発覚し共白髪を信じる母が不憫。私の夫も惑いの40代だが波風を立てないのが女の幸せなのか」との投書が載り、姉妹の誰が書いたのか問題になる。
その後も恒太郎は愛人と逢瀬、その子からは「パパ」と呼ばれ好かれている。
また、咲子が妊娠すると夫はボクサーとして成功しはじめるが、目が見えにくくなる。
滝子は探偵の勝又との結婚を父母に相談、式には咲子夫婦を呼びたくないというが結局、夫婦はやって来る。しかし身体に異変のある陣内は式場で倒れ、結果的に粗相をしでかし、そのまま寝たきりになる。
恒太郎の家に勝又が滝子と住み込み、おだやかな暮らしが続いたが、ある日、巻子がふじを連れ出しレストランで食事をした後、恒太郎の愛人宅前でふじは倒れる。姉妹が集まった病室で巻子は、現れた恒太郎に、ふじが愛人の存在を知っていたことで難詰、恒太郎は愛人に振られたことを明かす。
ふじの葬式が終わり、ふじの部屋の引き出しから、新聞社からの薄謝のペンが見つかり、朝刊に投稿したのが、姉妹の誰でもなくふじだったことを知る。 -
どうも深田恭子が足を引っぱっているように思えてならない。
それ以外は、さすが向田邦子と思える良作。 -
女は阿修羅だよなぁー。
この映画は文学作品だ!
さすが向田邦子さん原作。