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- / ISBN・EAN: 4547462013880
感想・レビュー・書評
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人生において、辛いことを乗り切り、楽しみ、最期には豊かだったと振りかえるためには、再構築する空想力も重要な要素なのかもしれない。
ティム・バートン監督の持ち味ともいえるカラフルポップで超現実のファンタジーな世界に、人の生死や父子の確執という現実社会の主題と世界が巧みに融合していて、とても新鮮な作品でした。
エドワードは、とにかく自分の人生をお伽話的に語りまくるホラ吹き男。
息子が生まれる日に、願掛けで結婚指輪を餌に池の主を釣り上げただの。
子どもの頃に森の魔女に出会って自分の死に方を見せられただの。
村に居ついた巨人を大胆不敵に説得して二人で都会に出てきただの。
今も昔も、場所も相手も弁えずに面白おかしくあり得ない話を繰り返しするので、祖国アメリカを離れてフランスにてジャーナリストをしている息子のウィルはうんざりし、父とは距離を置いていた。
まもなく父になる予定のウィル夫妻の日々は穏やかに過ぎていた。けれど、父が危篤状態になったと連絡が入る。
帰国したウィルは、父の人生の真実を知るため、父の物語のモデルとなったとおぼしき土地を訪れるのだけど、そこで待っていたのは…。
物語は、エドワードが語る賑やかで底抜けに明るく滑稽な童話的過去と、彼の死を目前にした物憂い現在とが、交互に描かれ、進んでいきます。
過去シーンは、これぞティム・バートンというべきカラフルさとファンタジックさ。
そこに挟まれる色彩の少ない現在のシーンは絶妙な対比となり、人生の瑞々しさを感じさせるとともに、作品にメリハリを与えています。
父の人生の真実を垣間見、物語るようになったその心うちに想いを馳せることになったウィルが、父の最後の物語に手を貸すシーンは胸に染みます。
そして、多くの人を助け、愛された父の人生を象徴するかのようなあのラストシーン。
悲しくしんみりもするけど、温かい気持ちにもなれる、観てよかったと思えた作品です。 -
2003年の作品。ティムバートンのファンタジー作品です。ティムバートンの作品は、あまり観たことがありません。なんだか合わないように思ってました。この作品は好きです。父親と息子のお話。人を楽しませるのが大好きで嘘のような話をする父親を好きになれない息子。奇想天外なストーリー、不思議な登場人物たち。最後は理解し合う親子。クライマックスで、何故か河島英五さんの「いくつかの場面」が頭の中で流れました。ちょっと違うんですけど。私自身は亡くなった父と、じっくりと語り合えないままで別れてしまったので、結末が素敵だと感じました。またまた、まとまりのない感想で申し訳ないです。
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Primeビデオで。
ホラ吹きじいさんの息子が、嘘か本当かわからない父の語る半生を振り返る話。
ホラ部分が幸せなファンタジーって感じで好き。
後半、事実を知っていく展開も素敵。
そしてラストが最高。
悪者出てこない映画いいな〜。
タイトル「ビッグフィッシュ」は、誰も信じないほら話という意味だそうだけど… -
最初に観たのは公開時に劇場で。
それ以降わたしの「好きな映画2位」です。
父の死を目前にしての父子の和解というテーマがあるせいか、
バートンらしいエキセントリックさとダークさは抑えられているものの、
エドワードの過去「ホラ話」が幻想的で美しいところはさすが。
そしてとても色鮮やか。
タイトルが「ホラ話」を示唆しているけれど、
最後にはホラ話か真実かなんて、どっちでもいいと思える。
ティム・バートンが好きだー!
ユアン・マクレガーが大好きだー!!
というフィルターをはずしても、好きな映画です。
積みっぱなしの原作もいつか読まねば。
…しかしスティーヴ・ブシェミ。
この人はいつどこに出ていても目を引くなぁ。 -
ティム・バートンが父を亡くし、子供を授かった年に作られたと知って、少し合点がいった。
いつもの、大人になりきれない子供が、大人の力を使って子供らしい遊びをしている風ではなくて、子供や大人のどちらにも属さない、寂しい幸せのようなものを感じる。なんだかんだいって、結局、ティム・バートンもちゃんと大人なんだな、なんて思ったり。
初期のエッジィな作品からは想像できないくらいに爽やかなユアン・マクレガー。真っ黄色の花畑で笑うユアンと、天に舞い上がって行くかのようなカメラワークに、泣かされました。
なくしたものは、なくしたと思っているだけで、本当はまだどこかにあるのかもしれない。ただそれを、なくしたと思っているそれを、見つける力をなくしてしまっただけなのかもしれない。
観る度に、表情を変える作品です。 -
Big Fish
2003年 アメリカ
監督:ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー/アルバート・フィニー/ジェシカ・ラング/アリソン・ローマン
ティム・バートンにしては珍しく、家族愛しかも老夫婦とか父子とかの関係がメインの普通に「いい話」。個人的にはどうせティムならもっとゴシックなテイストのものが好みなので、ちょっと、そういう面では物足りなかったかなあとも思うのですが、サーカスとか架空の町とか不思議な森とか、若かりし父役のユアンが繰り広げる冒険とロマンスの微妙な「おとぎ話」加減はやっぱりティムならでは。
一種現代風のほらふき男爵ともいうべきユアンは、その楽天的で憎めない親しみやすいキャラがなかなかはまり役でした。ブシェミの、うさんくさい詩人っぷりも素敵だった(笑)
ラストで、夢のような嘘ばかり語る父を嫌っていた息子が、最後にその父のために作り上げる空想物語が、あまりにも美しくて優しくて、やっぱりどうしても泣けます。人生とはそのようなものだといいなと思います。
(2004.05.19) -
クライマックス。
この映画のクライマックスは本当によかったです。
やさしさ。
なつかしさ。
記憶のなかの仲間たちはいつまでも年老いず、
ずっとあのときのまま。
ゆめみがちにいきてもいいんだよ。
近頃、悪役ブシェミとか
殺されるブシェミとかしか見てなかったので、
満面の笑顔で踊り回るブシェミを見て
しあわせな気持ちになりました。
特典のメイキングブシェミも大変かわいかったです。 -
ユアン マクレガー素敵
時々観たくなります
出会った人みんなを大切に
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人生は大げさなくらいがちょうどいい。
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•2004年、大学生当時に見た時の、きれいな映像が印象が残っていた。スペクターの町の芝生と、靴のかかったゲートと、ライトアップ。
•2014年、ティムバートン展を見に行って、もう一度見てみようと思った。
•今回は、映像美と合わせて、ストーリーの良さで大満足だった。
ラストの病院のシーンからは自然と涙が出てきた。
•奥さんの事を心から愛していて、たぶんいろいろな人を幸せにしてきたお父さん。
作り話ばかりのお父さんとうまく行っていなかったけれど、本当の姿をたどるうちにお父さん。理解した息子。
•お葬式で、物語の登場人物が出てきた時に、じんわり。
•また見たいと思える映画だった。
嬉しいなぁ、この映画、大好きなんです。
良い映画と言われる作品は数々あるけれど、一番好きと言えるほ...
嬉しいなぁ、この映画、大好きなんです。
良い映画と言われる作品は数々あるけれど、一番好きと言えるほど。
ティム・バートンのファンではないのに、自分でも不思議です。
一面の花畑では、泣いてしまいましたもの。
このお父さんのように生きていきたいものです。
ということで、今年もよろしくお願いします。
この作品、お好きなんですね。この作品は童話的なようで人生の多彩さと描いていて胸に残りますよね。
人生を...
この作品、お好きなんですね。この作品は童話的なようで人生の多彩さと描いていて胸に残りますよね。
人生を自分の価値観でよりよく生きる姿勢に、「フォレスト・ガンプ」を思い出しました。
今年もどうぞよろしくお願いします。