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- / ISBN・EAN: 4988113815437
感想・レビュー・書評
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イタリア系移民マフィアの親子二代の苦悩と哀愁に満ちたそれぞれの姿を、陰影と空気感に富んだ映像、哀愁溢れる音楽などによって、重厚に描いた名作映画三部作中の第一部。
舞台は第二次世界大戦直後のニューヨーク。
麻薬取引を巡って、巨大マフィア組織の初代頭領で、「ゴッド・ファーザー」と呼び称されるヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、暗殺の標的とされ、瀕死の重傷を負う。
それをきっかけとして、「ファミリー」の中で唯一、マフィア仕事をせずに堅気の仕事に就いていた真面目で優しい三男のマイケル(アル・パチーノ)は、父を、そして、父が守ってきた「ファミリー」を守るため、抗争に身を投じ、やがて、2代目ゴッド・ファーザーとしての道を歩んでいくことになる…。
(ヴィトーは、「ファミリー」という言葉を、「家族(家庭)」と「(自分の持つ)マフィア組織」の二重の意味でというか、重ね合わせてあまり区別なく使っている)
一見残忍なようで「ファミリー」を深く愛し、守るために尽力しながらも、真面目で賢く表舞台で生きていた息子を裏社会に引きずり込んでしまったことを後悔する、老ヴィトーの冷徹な威厳と愛情、そして苦悩を体現したブランドの演技は、実に見事です。
同時に、ずっと拒んでいた筈のマフィア家業に関わりを深めていく中で、苦悩しながらも、敵を容赦無く始末する冷酷無比なゴッド・ファーザーへと変貌を遂げていく青年を演じたアル・パチーノも見事で、映画の最初と最後ではまるで別人のような印象を憶えるほどです。
場面ごとの細かい演出や描写も見事でした。
大粛清の決行を前にして、名付け親となった甥の幼児洗礼のため教会で静かに祈り、神父の言葉に耳を傾けるマイケルの姿。
祖国シチリアを思い出させるような真夏の太陽の下での、父ヴィトーの頓死のシーン。
マイケルが逃亡した父の故郷の村の、ニューヨークとは全く違う乾いた空気感。
印象的だったシーンをあげだしたら本当にきりがありません。
なにより、逃れられない家族の業に絡め取られて、厳しい道を突き進むしかなくなったマイケルのその後の人生と、支えてきた筈の妻との溝を象徴するようなラストシーンには、途中の苦悩を見ているだけに、哀しい感情がどっと胸に押し寄せてきました。
単なる任侠映画ではなく、人々の苦悩の物語としたから名作になったんだあ、と思うシーンです。
全編を通じて、イタリア家族主義の美的な部分だけでなく弊害的な部分も巧みに描かれており、ヴィスコンティ監督の映画に通じるものがあるような気がしました。
残り二作が俄然楽しみになる作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかくおもしろかった。印象的な最後の洗礼のシーン。信頼と裏切り、暴力と愛、家族と裏切り者、人間的な苦悩と悪魔的な冷徹さ、すべてが複雑に絡み合い、一度見ただけでは消化できていない。
とにかく俳優・女優達の演技がすごい。圧倒的なリアリティで深く印象に残る。 -
見終わった後は、フルコースの料理を食べたような気分になる。堅気から、マフィアへと変貌していく様子の描き出しは圧巻。
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こんなに血が流れるのに、こんなに愛を感じるマフィア映画はすごい。
マーロンブランドの演技も痺れるし、マイケルの変わっていく描写がとても印象的でした。 -
馬ーーーっ!!!
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観きった。。。なんだろうこのこみあげるものは。巧妙な罠、裏切り、そして守る男の賢さ。素晴らしいだけありました、“ゴッドファーザー“。
若かりしアル•パチーノに惚れ惚れ。