日曜日が待ち遠しい! (フランソワ・トリュフォー監督傑作選8) [DVD]

監督 : フランソワ・トリュフォー 
出演 : ファニー・アルダン  ジャル=ルイ・トランティニャン  ジャン=ピエール・カルフォン  フィリップ・ロダンバック  カロリーヌ・シオル  フィリップ・モリエ=ジュヌー  グザヴィエ・サン=マカリ―  ジャン=ルイ・リシャール  ニコル・フェリックス  ジャン=ピエール・コユ=スヴェルコ  ヒルトン・マッコニコ  エヴァ・トリュフォー  ティ=ロアン・ヌイエン 
  • 日本ヘラルド映画(PCH)
3.65
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988132705382

感想・レビュー・書評

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  • で、早速観た作品がトリュフォーの遺作となった本作です。(^o^)

    1983年フランス映画。監督はフランソワ・トリュフォーです。
    主演は、当時トリュフォーと付き合っていたファニー・アルダン。それに、ジャン=ルイ・トランティニャン。
    熱烈なヒッチコック・ファンであったトリュフォーが、ヒッチコック・タッチで描いたと思われる展開と作風になっています。サスペンス色を盛り上げるため、あえてモノクロで撮影したとのことです。

    ある日、バルバラ(ファニー・アルダン)は不動産屋社長のヴェルセル(ジャン=ルイ・トランティニャン)と口論となり解雇されることになってしまう。しかし、その日の早朝に狩猟に行っていたヴェルセルは、同場所で他殺死体として発見された知人殺害の有力な容疑者とされる。しかもその知人は妻と浮気をしていたことも発覚。何とか弁護士の力で警察の勾留を解かれたヴェルセルであったが、自宅に戻ると今度はその妻の死体が・・・。ヴェルセル社長は仕方がなくバルバラに後を託して自ら調査に乗り出そうとするが、反対にバルバラは社長を匿い調査を行うことになり・・・。

    ジャンル的にはロマンチック・サスペンス(?)ということになるのかな。サスペンス一辺倒だけでなく、コミカルさとロマンスで味付けしているところが、ヒッチコックっぽくもあり、トリュフォー流であるともいえます。
    モノクロ映画ならではの陰影の使い方や光の当て方はなかなか巧みで、サスペンスにはよく合っていたと思います。特典映像の撮影シーンはカラーであったので、逆に違和感が・・・。(笑)
    知的ですらーっとした美人であるファニー・アルダンは、いかにもトリュフォー好みでもあり、今回の素人探偵役にも適役だったのではないでしょうか。健康的な意味でいろいろと露出もしてくれていたし。(笑)
    あと、トリュフォーの脚フェチも全開でこれもなかなか楽しかったです。
    話の展開はテンポは良いけれど、だんだんと難しくなっていって、人物関係がちょっと分かりにくかった部分もあるのですが、オチはまあ普通だったと思いますので安堵しました。(笑)

    これまた特典映像のトリュフォーとロマン・ポランスキーが登場する何かのテレビ番組でのヒッチコック論も見逃せません。

  • なかなか面白い! 素人のお転婆なお姉さんが、殺人事件を捜査でどんどん危険な場所に突入して、ばちばち証拠を掴んでくる。このクソ度胸が良いですね。

    新たな殺人を目撃するもトイレの狭い窓から覗いているから犯人の顔だけ見えないとか、ヒチコックっぽいサスペンスのギミックも上手い。

    警察と呼吸を合わせて一芝居打って、犯人を罠に嵌めるラストシーンも見事。伏線回収もしっかりされ、ミステリー映画として上出来です。

    BS松竹東急「よる8銀座シネマ」にて。

  • フランソワ・トリュフォーの遺作。全体的に明るく茶目っ気があり軽快ですが、光と影、雨、カットの使い方や主人公が巻き込まれていく展開などヒッチコック的な演出でスリルもあります。
    探偵映画としてはしっかりと伏線を効かせているものの、真相に面白味がなくやや尻すぼみな印象です。

  • 決してファニー・アルダンが美しいとは思わないのだが、トリュフォーのタクトによって、魅力的であることに変わりはない。特に、歩く脚線美が印象に残る。

    トリュフォーの「女性こそ活劇の主役」というポリシーがいかんなく発揮されている。「日曜日が待ち遠しい!」という、女性のウキウキ感がたまらない。

    ラスト、ピストル自殺をはかる弁護士に忍びよる警察の足取りが、なんともいい。ただ、終盤の展開それ自体は、いささか精彩に欠けた感が否めない。

    【ストーリー】
     バルバラ・ベッケル(ファニー・アルダン)は、南仏のニースに近い町にあるヴェルセル不動産のオフィスで秘書として働いている。社長のジュリアン・ヴェルセル(ジャン・ルイ・トランティニャン)は狩猟好きで、その朝も鴨撃ちに行っていた。
     留守中に社長夫人のマリー・クリスティーヌ(カロリーヌ・シホール)から電話が入り、預金を下ろして送って欲しいと依頼される。オフィスを留守にできないことなどを理由にバルバラが断っているところへ、ジュリアンが戻って来た。電話をかわった彼に、秘書の悪口を言う夫人。結局、バルバラは、クビになってしまった。
     その日、警察署長のサンテリ(フィリップ・モリエ・ジェヌー)と助手のジャンブロー刑事(ローラン・テノ)がオフィスにやって来てジュリアンの狩猟仲間のジャック・マスリエという男が、その朝やはり鴨撃ちに行って銃で撃ち殺されたことを知らされた。バルバラは、素人劇団の団員で仕事を終えると、稽古に入る。
     次の日曜日にヴィクトル・ユゴーの「王のたのしみ」が上演されることになっていて、バルバラは、道化師トリブーレの娘で小姓姿のブランシュの役だった。道化師トリブーレを演じるベルトラン(グザヴィエ・サン・マカリー)は、バルバラとは一年前に離婚しているが、今でも時々関係を迫っていた。
     クビを宣告したはずのジュリアンが、自分の殺人の容疑を晴らすために無実を立証して欲しいと協力を頼みに来た。ジュリアンの許に脅迫電話がかかり、ヴェルセル夫人と恋愛関係にあったマスリエを、ジュリアンが嫉妬から殺したんだ、となじった。
     その夜、ニースのホテルから戻った妻とその電話をめぐって口論するジュリアン。遂に警察に呼ばれたジュリアンは、親友の弁護士クレマン(フィリップ・ローデンバック)のおかげで拘留はまぬがれたものの、家に帰ってみると、妻が惨殺されていた。
     ジュリアンの頼みで、マリー・クリスティーヌの結婚前の行動を探ることになったバルバラは、ニースに向かった。そしてひょんなことから知り合ったラブラシュの協力を得て、マリー・クリスティーヌが、本名ジョジアーヌといい、偽名を使って結婚、美容院を経営していたというのもウソで、その場所はかつて“赤い天使”というナイトクラブであったことがわかった。
     マスリエが館主だった映画館“エデン”座に電話して事件を探っていくバルバラ。バックに大きな売春組織が絡んでいることがわかった彼女は、娼婦に扮して組織のボスなる人物ルイゾン(ジャン・ルイ・リシャール)に挑む。
     しかし、犯人は意外にも弁護士のクレマンだった。マリー・クリスティーヌを死ぬほど愛していた彼は、自分の罪を告白すると、警察の目の前で自らピストルの引き金を引くのだった。
     ある殺人事件に捲き込まれた女秘書の活躍を描くサスペンス。製作はアルマン・バルボール、監督は「隣の女」のフランソワ・トリュフォーで彼の遺作にあたる。
     チャールズ・ウィリアムズの原作(「土曜を逃げろ」文春文庫刊)を基にトリュフォーとシュザンヌ・シフマン、ジャン・オーレルが脚色。撮影はネストール・アルメンドロス、フロラン・バザン、テッサ・ラシーヌ、音楽はジョルジュ・ドルリュー、編集はマルティーヌ・バラークとマリー・エーメ・デブリル、美術はヒルトン・マッコニコが担当。出演はファニー・アルダン、ジャン・ルイ・トランティニャンなど。

  • 内容としては普通(のサスペンスタッチコメディー)なんだけど、
    主演女優の役者とそのキャラクターがめっちゃチャーミング!!
    フランス人のもてる男観はすなわち完璧にカッコいい男ではないんだな。
    ずんぐりむっくりな冴えない中年の中肉中背の男でも
    セクシーに、いかにもほおっておけない風に(状況設定を使って)描けてしまう。

  • モノクロって、もしかしたら美しさをより一層ひきたてるのかな…!!

  • 男女が結ばれていくまでを、殺人事件を通して描いています。
    「小粋」という言葉がしっくり来る映画でした。
    小気味良く、テンポよく、シーンシーンで明らかにされて行くことをつないでいて、観ている方を飽きさせません。

    夜中に観たので眠くなってしまいましたが笑。

  • 製作年:1982年 製作国:フランス 時間:111分
    原題:VIVEMENT DIMANCHE!
    監督:フランソワ・トリュフォー

    (3.0点)

  • ファニー・アルダン演じるクビ直前の不動産会社秘書が、元上司が疑われる連続殺人事件に足を踏み入れてく。<br>
    この作品にも、いつもの暗号が出てきますよ

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著者プロフィール

フランソワ・トリュフォー(François Truffaut)
1932年、パリに生まれる。1984年、ガンのため死去。映画評論家を経て映画監督に。映画作品に『大人は判ってくれない』『突然炎のごとく』『恋のエチュード』『終電車』『隣の女』『日曜日が待ち遠しい!』など。著作に『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』『子供たちの時間』『ある映画の物語』など。

「2020年 『文庫 ある映画の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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