春夏秋冬そして春 [DVD]

監督 : キム・ギドク 
出演 : オ・ヨンス  キム・ジョンホ  キム・ヨンミン  キム・ギドク 
  • エスピーオー
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988131902980

感想・レビュー・書評

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  • SPRING, SUMMER, FALL, WINTER...AND SPRING
    2003年 韓国+ドイツ
    監督:キム・ギドク
    出演:オ・ヨンス/キム・ジョンホ/キム・ヨンミン

    舟を漕がないと行き来できないような山奥の湖に浮かぶお寺で、そこの和尚さんに引き取られた子供の人生を四季になぞらえた趣向。

    春(子供)、夏(十代)、秋(壮年)、冬(晩年)と、成長というか遍歴を重ねてゆくのをそれぞれ年代ごとに違う俳優さんが演じているのですが、個人的には多分20代後半~30代と思われる秋の部分の俳優さん(キム・ヨンミン)が一番かっこよかった(笑)

    あとはもう和尚さん!すごい良い味を出してました。渋いんだけど微妙にお茶目というか、それ新しいプレイですかという縛りっぷり(…)や、可哀想な猫にゃんの尻尾を筆の代わりに使っちゃったりとか、しかしその最後はいっそタルコフスキー(ノスタルジア)的なまでに壮絶で、胸が詰まりました。

    映像もたいそう美しく…テーマも深遠。やはり日本人なので、キリスト教よりは仏教的な思考回路のほうが理解しやすいこともあり、床にお経を彫るシーンとか、自己を滅却するような和尚さんの死に様とか、最後に子供を連れてきた女性が観音様像だったりするとことか、随所にちりばめられた蛇のモチーフとか、因果応報的考えとか、深遠ながらわかりやすかったと思います。

    (2005.03.09)

  • 「人間の時間」の感想。オダギリジョーはなぜこの作品に出たのか?藤井とチャン・グンソクと合わせて日本語OK。今までの韓国の歴史を何らかの形で象徴してるんだろうか?どうしようもない国会議員とヤクザの癒着とか。

  • 山深い湖に浮かぶお堂の情景が静謐で、その春夏秋冬とともに男の一生が描かれていました。
    全てを悟りきったような老僧と、対象的に波乱万丈な人生を送る男。小坊主時代から随分とときは経ちました。

    純粋培養されつつも、青年期に外から入ってきた刺激から逃れられず、罪を犯したんだろうな。。
    秋の凄まじい終わり。男が「閉」を顔中に貼ってたときは可笑しみがあったけど、老僧が貼ってると静かな覚悟が感じられました。

    因果因縁なのか…冬になってお堂に戻ってきた男は肉体鍛錬に精を出すけど、ある晩、顔を隠した女性が幼児を預けに来る。
    もしかして、この男もこうやってこのお堂にきたのかなと思ってしまいました。
    だから老僧はあんな、自分を罰するような最期で。

    そしてまた、春。
    どんな人生を送っていようと、季節は変わらず巡ってくるのですね。

  • すごいロケーションです

  • このロケ地は一体どこなんだろう。
    ストーリーはともかく圧倒的に美しい映像に驚いた。

    春から夏にかけては人生の若い時代を凝縮したとするならば、後半はどうなるのだろうか。
    季節が巡り、運命も巡る。

  • うーん、これはとても評価しにくい映画ですね。なんというか、あえて暴投をしているという感じで、そこで「おまえはコントロールが悪いね」と言ったところで、この監督は半笑いで「だって、最初からそこを狙ってますからねぇ」と答えるに違いない。そういう意味ではポジティブに評価するのも、逆にネガティブに評価するのも監督の計算の範囲内という気がするのでむしゃくしゃするのです。
    ただ、誰もがこれは認めなければいけないのは、このロケ地の選定ですね。調べたら、ここは注山池という、国立公園内の、でも人工の池なんだそうです。そこに架空のフローティング・テンプルを作った、監督の意図は大成功で、ことに冬のシーンなんて「こんな湖があるのか!」と世界中の人が息を呑むと思う。
    また、もう一つ忘れていけないのは動物たちの名演技ですね。山魚、蛙、そして蛇。まったく彼らの存在感と来たらアカデミー賞ものだと思います。そして、主人公の子ども時代の役者。たぶん幼稚園児くらいなんだけれども、蛇も蛙も平気で触れる、この子もたいしたものだ。幼児も動物だと考えれば、アカデミー・動物キャスティング賞。

  • 韓国映画界からも遂に賞賛を浴びた嘆きのピエタの公開も迫り、そろそろギドクも幅広く知られていくのかな。
    好き嫌いの別れるギドク作品のどれから観ていいか...という人に勧めやすいのがこの春夏秋冬そして春じゃねーかなと。
    らしさもありながら無言の蓄積で四季のうつろう儚い美しさを時間として積み上げるためここちよく見やすい。それだけに留まらないのも良い。
    何かを語るとそれがネタバレになってしまいそうだ。
    関係ないけどいちばん人に勧めにくいギドク作品は「ブレス」かなぁ 笑

  • 初キムギドク。

    風景や湖に浮ぶ寺などが詩的な絵画のように切取られていて
    とても映画的な映像で溢れている作品でした。

    主人公の幼年期、青年期、壮年期、中年期を季節になぞらえて描かれている。
    キム・ギドク監督の映画ではセリフが極端に少ないとは聞いていたが
    本当でした、当たり前のことではあるがただ闇雲に無いというのではなく
    セリフ不要の構成になっている。
    予想以上に素晴らしく思う。

    各期の役者がその期を象徴するような風貌の役者さんを選んだのだろうが
    あまりに雰囲気が違うので(笑)同じ人物が成長した姿なのか
    新しい登場人物なのかどっちつかずの解釈をしながらの鑑賞になってしまい
    大変戸惑った。
    鑑賞後、同じ人物の成長した姿だということがわかりスッとしたが
    しっかり理解しながら見進めたかったなぁ。

    キム・ギドク作品では珍しい部類の作品らしいのはわかっているが
    薄味ギドクから味わってみようとこの映画をチョイス。

    さぁ、次のステップは「受取人不在」か「うつせみ」かな。

  • (2003年作品)

  • 途中、とても眠くなるがたぶんそれがこの映画のよいところ。心地いい空気だが、その中に多少の毒あり。お経を床に彫っていくあのシーンは、実際は誰がやったのか。大変な作業である。
    人は、季節を繰り返すしかできないのだ。

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