ヤン・シュヴァンクマイエル 悦楽共犯者 [DVD]

監督 : ヤン・シュヴァンクマイエル 
制作 : ヤン・シュヴァンクマイエル 
  • 日本コロムビア
3.83
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本棚登録 : 287
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988001932451

感想・レビュー・書評

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  • ヤン・シュヴァンクマイエルはつい先日知ったばかりなのですが、氏の作品が持つ独特の雰囲気が気になりDVDを借りました。
    芸術も芸術論も専攻していない、シュヴァンクマイエル初心者の目線でレビューします。


    快楽共犯者。
    作中に登場する人物たちは、皆なにかしら特殊な性的嗜好を持っていて、その欲望を満たす為とにかく真剣に、そしてアクティブに行動します。
    アナウンサーに恋した男はやたら高度でメカニックな自慰マシーンを作成したり、フワフワ・チクチクの感触フェチ?男は街でお気に入りのフワフワを見つけると、遠慮なくポケットに入れてパクっていきます。何度「いや、買えよ!」「何でそこまでする必要あるんだよ!」と突っ込んだか分かりません。

    とどめは中盤以降、突如はじまったストップモーション・アニメでしょうか。
    男が地面をすべるように動き、人形がカタカタと動きだします。
    シュールレアリスムというと何となく「怖い」イメージが先行していたのですが、これには何故かお腹をかかえて笑ってしまいました。

    終盤は、ある人物の謎めいていた行動にもつじつまが合い、タイトルの「快楽共犯者」の意味が一気に理解できるようになります。


    正直に言うと、この映画の意図するところは私には理解できませんでした。(印象としては「ふだんよく見かけるあの人は、実はとんでもない変態性を隠してるのかもね?」くらいでしょうか…)
    しかし、映像・音楽はなにか不思議な魅力があり、最後まで画面に惹きつけられました。また見てみようと思います。

    なかなかレベルの高い「変態性」を扱っている作品ですが、直接的な性描写はありません。
    見るときはシュールレアリスムに抵抗のないだれかと、登場人物の行動に突っ込みを入れつつ展開を推測しながら見ると面白いかもしれません。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「よく見かけるあの人は、実はとんでもない」
      どうなんでしょうね。
      チェコと言うお国柄かも知れません。長い間共産党一党独裁で、自由を封じられ、...
      「よく見かけるあの人は、実はとんでもない」
      どうなんでしょうね。
      チェコと言うお国柄かも知れません。長い間共産党一党独裁で、自由を封じられ、隣近所も信じられないコトも多かったようですから。。。
      2012/06/15
  • 1996年 チェコ他/87分
    「Spiklenci slasti/CONSPIRATORS OF PLEASURE」
    監督・脚本ヤン・シュヴァンクマイエル

    NOTE記録
    https://note.com/nabechoo/n/n6fb64630fbe0

    「アリス」、「ファウスト」と観てきて、次、これは一体…!?全然予期せぬ驚き。斜め上を行って、斜め下から突き刺さってくるような衝撃!笑撃!笑劇!凝り固まった思考を、刺激的に解きほぐほぐされる。

    アブノーマルな世界は奥深いな…。奥深いというか、底なしの無限大の深みがそこにある!スゴか~。自分がどれだけノーマルな人間かわかる。そのつまらなさよ。ここまでじゃなくても、多少の変態性はある方が楽しそう。

    特殊な性癖が全面に押し出されているんだけど、その異常さゆえ、いわゆる普通のエロティックな感じではない。本人たちはいたってマジメだけど、客観的に見ると、この突き抜けた異常性癖は笑える。

  • 震災で崩れたコレクションの整理をしながらついでに登録

  • 某所でこっそり。フェチ映画。フェチというとどうしても自己完結してしまいがちだが、オムニバス風にすることで物語に深みがでているし、BGMを使い分けているのも良い演出だった。いやまあ馬鹿馬鹿しい話ではあるんだけどね。音がリアルで気持ち悪い。リンチの『イレイザーヘッド』のよう。

  • さまざまな変態達が時々関わり合いながら密かに快楽を追い求めていく物語。道ですれ違ったり、たまたま夫婦だったり近隣住民だったりする程度の関わり合いだが、互いにサド願望があるピヴォイネとロウバロヴァ夫人の過激な妄想が段々と現実世界に影響を及ぼしていき、ブラックな展開に。各人の個性的自慰シーンが荒唐無稽すぎて、全くエロくなくおかしくて笑ってしまう。

    ✳︎さまざまな変態達
    ピヴォイネ…おそらく主人公。温厚そうだが実はS願望を持つ。リョナ趣味でさえある。
    ロウバロヴァ…ヒロインかもしれない。S願望を持つ金持ちのマダム風人物。オーソドックスに仮面を付けて鞭を振るうのが好き。
    ヴェトリンスキー…ヒゲの刑事。触覚フェチ。
    アナ…ニュースキャスター。ヴェトリンスキーの妻。
    クラ…本屋。アナのファン。アナをオナペットにしている。
    マールコヴァ…郵便配達婦。自慰シーンが最も風変わりかもしれない。

  • こういう他人の変態な部分を覗けるのは 悪趣味だけど そりゃあ素直に面白いです。でもこれをアートだとはあまり言いたくない。見世物小屋的な面白さだと、わたしは思う。

  • マイエルの作品は大体見てきたし彼の変態ぶりは散々目の当たりにしてきた。しかしこれは!小道具からしても彼の本気を見た気がする。あと役者はよくこんなことやれたな。敬意を表したい。

  • 日本の変態さが霞んで見えるくらいの、6つの性癖が交差する。
    ラストにああああと思わず言ってしまいました。

  • そこのけそこのけ変態さんが通る。一切の台詞を排した、6人の男女の群像劇。とはいえ登場人物はいずれも、一時の自慰の快楽の為に何日も何日も苦労して装置や環境を積み上げる筋金入りの変態ばかり。フェティッシュというのはえてして他人に理解されないものなのだけど、それをここまでシュールに描かれるともう笑うしかないでしょう。唐突に挿入されるクレイアニメ風のストップモーションは、シュヴァンクマイエル監督がチェコアニメの系譜に位置づけられる一人であることを表明している。終始ナンセンスなその世界観、はまったらクセになりそう。

  • ヤンさんの中では2番目くらいに好きかなー。
    見始めて結構経ってから
    実は誰も台詞を発してなかったことに気づく。

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