B-2 Unit

アーティスト : 坂本龍一 
  • Sony Music Direct (2008年3月9日発売)
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・音楽
  • / ISBN・EAN: 4571191050915

感想・レビュー・書評

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  • thatness and therenessのサッドネス

  • コンチクショー感というか、やり場のない感情を発散しているかのような、若さを感じるアルバム。
    phewさんの「終曲」に近い雰囲気だと思ったら、発売時期も近いし、共同プロデュースがパス・レコードの後藤美孝さんだそうで。

  • 中学で学校の行き帰りに毎日聴いた。XTCのアンディ・パートリッジが参加しているという奇跡のアルバム。こういうことやってて坂本さんカッコイイと思う。アナログ盤が僕の仕事場の傍らの置いてある。

  • みなさんが坂本龍一の名前を聞くとおそらく、ピアノ弾いてるおじさんみたいなイメージがあると思います。
    しかし、実際この人はピアニストとかではなく作曲家です。
    なんといっても東京芸術大学の作曲家を出てますからね。
    だからこの人は題名のない音楽会に現代音楽家として出てます。
    詳しくはようつべで探してみて下さい。
    とはいってもあんまりお堅い音楽に傾倒していたのではなく、色んなジャンルを聴いたりして結局現代音楽家にはなりきれなかった人って感じです。
    んでポピュラーミュージックやってますっていう。
    しかし、だからこそ彼は様々な音楽に影響を受け、そして自分なりにそれを咀嚼し、取り入れています。
    例えばライディーンで有名なYMOではテクノとかやってますし、ソロアルバムでは日本音階や沖縄の音楽を自分なりに租借したスタイルを聴かせたり、ノイズミュージックやアンビエントミュージックにも挑戦しています。
    さて、本日ご紹介するB-2 UNITはそんな坂本龍一の作品群のなかでも群を抜いてアバンギャルドな作品といっても過言ではないでしょう。
    発表が80年なんですけど、未だに古くない。
    2番のthatness and thereness以外は全てインストゥルメンタルなんですけど、まず1曲目からぶっとびます。
    なんといってもこの人はリズムの作り方が面白い。
    聴き手がこうあってほしい、あるいは次はこういうリズムの取り方をするだろうという予想をことごとくはぐらかされるんです。
    特に1番はまるでグルーヴしていないように聞こえますが、実は緻密に構成されていて聴いていて気持ちいい。
    言うなればキャプテン・ビーフハートのトラウト・マスク・レプリカみたいな感じでしょうか。
    そして先ほど紹介した2番は歌付きなのですが、これはお世辞にも上手いとは言えません。
    しかし、坂本龍一の持論では人間の声は最高の楽器であるので、まぁ人間の声が楽器の一つとして、響きの中で聞こえてくるといった感じです。
    その他もメロディ、リズムともにひとクセあるものが並びます。
    んで、特にこの中で有名な曲は6番のriot in Lagosです。
    後にサンプリングの定番になるそうです。
    まぁサンプリングの定番になるほどなのでリズムはもちろん面白いんですが、不思議なメロディラインが微妙にずれるのが気持ち悪いようで気持ちいいナンバーです。
    そしてラストのthe end of Europeはゆるゆるでアンビエントな要素があるにもかかわらず、奇妙で鬼気迫るメロディを聴くことができます。
    いや、これ本当に面白いアルバムなんですよ。
    なんせ自分の中でリズム革命が起こったぐらいのアルバムですから。
    キモいのが聴いてみたい人はオススメです。
    んで、他の坂本龍一の初期作品もなかなか秀逸なものが多いので聴いてみてください。
    ファーストの千のナイフとかいいです。
    でもYMO作品の方がポップで聴きやすいかな?
    興味があればYMOも聴いてみてください。

  • この作品はYMO活動期にリリースされたが、当時のYMOの方向性に抵抗感やギャップを感じていた坂本龍一が「これを作らせなければYMOを脱退する」と脅して製作されたものらしい。その為、YMOにあるユーモアや親密さを排した、攻撃的で世界観が作品自体で独立しているようなメジャー感の無い作品に仕上がっている。現在の彼の売りでもある寂寥感のある良質なメロディはこの作品には見当たらず、輪郭のはっきりとした音色と少々不安定な感情表現が成される。かなりエッジが立っているのである種の層には好まれるのではないかと

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著者プロフィール

さかもと・りゅういち:1952年東京生まれ。3歳からピアノを、10歳から作曲を学ぶ。東京藝術大学大学院修士課程修了。78年にソロ・アルバム『千のナイフ』でデビュー。同年、細野晴臣、髙橋幸宏とともにYMOを結成し、シンセサイザーを駆使したポップ・ミュージックの世界を切り開いた。83年の散開後は、ソロ・ミュージシャンとして最新オリジナル・アルバムの『async』(2017)まで無数の作品を発表。自ら出演した大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(83)をはじめ、ベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』(87)、『シェルタリング・スカイ』(90)、イニャリトゥ監督の『レヴェナント』(2015)など30本以上を手掛けた映画音楽は、アカデミー賞を受賞するなど高く評価されている。地球の環境と反核・平和活動にも深くコミットし、「more trees」や「Stop Rokkasyo」「No Nukes」などのプロジェクトを立ち上げた。「東北ユースオーケストラ」など音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動もおこなっている。2006年に「音楽の共有地」を目指す音楽レーベル「commmons」を設立、08年にスコラ・シリーズをスタートさせている。2014年7月、中咽頭癌の罹患を発表したが翌年に復帰。以後は精力的な活動を続けた。2021年1月に直腸癌の罹患を発表し闘病中。自伝『音楽は自由にする』(新潮社、2009)など著書も多い。

「2021年 『vol.18 ピアノへの旅(コモンズ: スコラ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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