二十四時間の情事 [DVD]

監督 : アラン・レネ 
出演 : エマニュエル・リヴァ  岡田英次 
  • アイ・ヴィ・シー
3.54
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本棚登録 : 50
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933672230993

感想・レビュー・書評

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  • デュラスの映画を初めてみることができた。
    まだこの作品の脚本は読んでゐないが、監督はかなりデュラスの脚本を大切に映画を撮つたと感じられた。
    ふたりの肉体と会話がシーンの大半を占める。けれど、ふたりがやがて、互ひにヒロシマとヌベールを見いだすところまで至つた最後のシーンは、互ひに触れることのできない自分と他人の大きな隔たりがあつたからだらう。
    もはやふたりには名前はない。ただ在るのは、男と女。フランスと日本だけ。女には過去といふ癒しやうのない痛みがあるばかり。一方の男には、過去はなく、漂ふ現在しかない。ふたりの未来は漠として横たはる。
    さうしたふたりが身体を重ねれば重ねるほど、余計に距離は大きく拡がつてしまふ。だからこそ、冒頭の”ヒロシマのすべてを見た”と”君はヒロシマを何も知らない”といふ交はらない平行線の台詞がより一層作品の印象を決定づける。
    音楽は非常に静かで多くなく、調性のない現代的な音楽が支配する。ただ、みること。ひとを通してヒロシマをみて、ヌベールを見つける。
    原爆時の映像を除けば、ほとんどの群集、行き交ふひと、通り過ぎるの表情はどちらかといへば死んでゐる。特に駅での老婆の表情はかなり印象的であつた。
    戦争の事実をどのやうに伝へるか。デュラスはどこまで行つても、超えられないことを感じてゐたからこそ、交はることのないヒロシマとヌベールを重ね、発見した。それは当地の映像をカメラで切り取ることではなく、現在と過去のずれる、たつた一晩といふ時間の中で。
    悲しさや嫌悪によるものではなく、ただ静かにヒロシマを見つめる。戦争を見つめる。身体を重ねた一瞬の悦びも、ふたりをわかつ決定的な不在の色が混ざる。
    さうした中、エマニュエル・リヴァさんが、当時の写真をたくさんとつてゐたのをみると、たくさんの生きたひとが息づひてをり、一層この映画を支配する静けさが強烈に迫る。叫ばなくとも、語れる。語らぬことで語る。デュラスが痛いほど感じた、ヒロシマ。

  • 冒頭、広島原爆害のひどさ…を、忘れてしまうかしまわぬか。恋も、その感情を忘れてしまうことは怖いフランス人の彼女が、なんども恋すればいいと知らせる物語かな? 途中から日本人男がストーカーじみていて気持ち悪かった(ごめんなさい
    フランス語が苦手

  • 日仏合作映画のスタッフであるフランス人の女性と、広島の男性との恋愛を描く。
    フランス人女性からの視点で描かれた、自己と他者との関係についての映画。

    女性は広島を被爆国として知ったけれど、そこには奇妙な文化を持ちそこで暮らす人たちがいた。
    男性は女性の話でヌベールという場所を知ったけれど、実際の場所や女性のひどい記憶を知るわけではない。

    情報と実際との乖離が地域と恋愛とで重ねあわされ、表面的に近づいた後に距離が開き、最後はそこまでと諦めたような相手の認め方をすることになる。

    記憶の描写が「去年マリエンバートで」を観るヒントになりそう。

  • 「愛が恐れているのは、愛の破滅ではなく、むしろ愛の変化である」ーフリードリヒ・ニーチェ

  • 会話で構成される。「君の目は青い?」耳偏重。見たものを話す

  • 初めてのアラン・レネ。「二十四時間の情事」を鑑賞。

    感覚で魅せ、感覚的に理解する映画ながらも、愛を始めとする人間の内面がうまく描かれた作品。当初★4つの評価をしていたものの、こうしてレビューを書きつつ振り返ると、改めて作品の良さを実感したため、★5つに変更。

    全体を通じて暗い雰囲気が流れる作品だが、この類の暗さは嫌いではない。これは反戦映画ではなく、単純な恋愛映画ではさらになく、人間の深遠な内面を描いた素晴らしい映画。

    つげ義春の漫画に、どこか似た雰囲気を感じる。

  • 広島の被爆映像が淡々と流れるけれど
    なんだか美しさを感じさせてしまう不思議な映画。
    「忘却」の恐ろしさと大切さがテーマ、かな?
    岡田英次が流暢なフランス語を話しているのに
    彼は元々フランス語は全く知らなかったとか!驚き!

  • 製作年:1959年 製作国:フランス=日本 時間:91分
    原題:HIROSHIMA, MON AMOUR
    監督:アラン・レネ

    (4.0点)

  • キレイな映画だった。
    雰囲気は大好き。設定も好き。
    ただ二度も寝てしまった。

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