ロング・エンゲージメント 特別版 [DVD]

監督 : ジャン=ピエール・ジュネ 
出演 : オドレイ・トトゥ  ギャスパー・ウリエル  マリオン・コティヤール  ジョディ・フォスター  ドミニク・ピノン  ジャン=ピエール・ダルッサン  ティッキー・オルガド  アルベール・デュポンテル  アンドレ・デュソリエ  クロヴィス・コルニヤック  ドニ・ラヴァン  ジャン=ポール・ル―ヴ  エリーナ・ルーヴェンソーン  ジュリー・ドパルデュー  ミシェル・ヴィイェルモーズ  ウルバン・カンセリエ  ミシェル・ロバン  ジャン=クロード・ドレフュス  チェッキー・カリョ 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.47
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135556127

感想・レビュー・書評

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  • =*=* トトゥで観せる作品 *=*=






    『アメリ』のジャン・ピエール・ジュネ監督作品ということで、やはり映像的にはどこか「アメリ色」が漂ってみえたのは私だけだろうか。


     流石に少し歳をとったようにも見えたが、トトゥの天性の愛らしさは健在。トトゥの好きな私としては、彼女は「姉ちゃん婆ちゃん」になるタイプかな?といつも思っている。


     婚約者のマネク役にはあの、『ハンニバル・ライジング』のギャスパー・ウリエルが扮している。


     戦死の知らせをどうしても受け入れることが出来ず、「マネクはきっと生きている!!」と固く信じてやまないマチルド。

     その健気さ、一途な想いで彼を探そうとする姿に、どこかソフィア・ローレンの『ひまわり』を彷彿とさせる雰囲気がある…。


     ジョディ・フォスターがエロディという人妻役で出ているのだが、彼女はジャン・ピエール・ジュネ監督の才能に心酔しての出演だったという。


     そのフォスター、本作では頑張ってフランス語の台詞を流暢に口にしている。この辺りは女優魂を見せてくれて流石だと感じたが、彼女の出番の少なさと、その役どころは今いちな勘あり。

     監督に心酔したという気持は分かるが、この程度の役柄に出るのならば、なにゆえ『ハンニバル』のクラリス役(「羊たちの沈黙」の重い内容から逸脱してきたというような点をクラリス役を辞退した理由にあげていたかと?)を受けなかったのか?

    …という大きなお世話な疑問が、私の中で沸々と湧くのを感じながら本作でのフォスターを観ていた次第。


     戦闘シーンも残虐極まりないといったような映像にはなっていない。
    《戦争が引き裂いた初恋の再生》を描きたいのだろうな、というジュネ監督の意図がうかがえた。 
     

    ★*:☆。.・’゜★・:。.・’゜☆ 。.・’゜★。・:*:・☆ 。.・’゜★。.・’゜:*☆ 。.・’゜★*:☆


    **噂を頼りにマネクを探すマチルドが辿りついた先には待ち受けていたのは…??** 


     
     心がほんわかと温かくなる。

    これはやはり《オドレイ・トトゥで見せる作品:「アメリ版(?)反戦映画」》といった印象を受けた本作であった。

  • オドレイまじ美しい。
    ジャン監督のお話好きだ。テンポが好き。
    お話もはらはらするような切ないようなキュンとするようなフランスの田舎いいなーとなるような、いろんな要素があって楽しかった。原作読んでみたい。
    歴史の知識がなさすぎて、戦争についてとかはよくわからなかったのが残念。勉強しようと思った。
    いままで見たフランス映画のなかで3番目に好き。
    みてよかったー!

  • ジュネの描く戦争。
    少しサスペンス要素。
    約束ごとのおまじない、私もいまだに全く同じことする。ビックリした…
    最後まで生きてるって信じてたことに、なんか感動しちゃった
    あ、インセプションの奥さんが出てた
    相変わらず綺麗でした

  • 色合いが黄色と黒って感じでした。
    でもそれだけでとても印象的な映像だった。
    ジャンピエールジュネのブラックユーモアがたまらなくくせになる。
    一つ一つのシーンの演出の発想が生き生きしていてこーゆう演出を考えるの楽しいだろうなーと思った。序盤の五人が怪我をするシーンとか、着剣のシーン、自転車郵便のシーン、機関車のシーン、畑を風が通り抜けているシーン。どれも記憶に残るシーンでした。
    アドレイトトゥのあの独特な雰囲気もまたユーモアでした。

  • あのアメリの監督が、戦争モノを撮ったと聞いて、いったいどんな内容なんだろうと、私には想像し難かった。というのもやはり、ポップでキュートで煌びやかなアメリのイメージが強く、戦争というシリアスなテーマと結びつけづらかったからだ。

    DVDには、監督自らが副音声的に作品を解説するバージョンも収録されていて、映画好きにはたまらなくありがたい仕様が施されている。これまでありそうでなかったもので、なかなか貴重だと思う。この解説の冒頭、「私も子供の頃からこういうのがあればいいなと思っていた」と監督も語っている。また、監督は作品について、「できるだけ簡素で上品なものである必要があった」と述べている。確かに、アメリのような華々しい感じは封印されているが、しかしやはり、ジュネ監督らしさともいえる洒脱な演出ははじめから終わりまで絶えず感じられた。戦争映画でありながら、おしゃれなのである。

    本編を見た後に、解説を見たわけだが、正直本編では話の内容をキャッチアップしていくのが大変だった。いくつもの重層的な展開の中で真相に近づいていくので、構成の複雑さもその原因だが、私にはフランス人の名前と顔を一致させてそれぞれの人物像を序盤の段階で結びつけるのが難しかったというのが大きい。ドストエフスキーの小説を読んでいて、あれこれは誰だっけ?となるのと同じ感覚である。なので今のセリフは誰のことについて言及されているのか、というのがつかめないところもあったので、若干ふんわりした感じで鑑賞したというのが正直なところである。
    しかしシナリオ把握がなんとなくであっても、効果的な演出、映像表現だけでも十分楽しめる作品ではある(邪道かもしれませんが)。

    そして解説編では、とにかく監督の職人魂みたいなものを感じてすごいなと思ったし、なによりワンシーンワンシーンに監督の中に明確なコンセプトやモチーフ、こだわりがあることを知って驚いた。例えばこのシーンは子どもの頃に見たこの資料を参考にした、とか、あのシーンは〇〇監督の作品を意識した、とか。そういうこだわりがあらゆるカットにきちんと存在しているのである。創作というのは、常に個人の哲学と経験に根を張ったものであるべきで、優れた作品というのは必ずそういう作品だというのが私の信条なので、本作はまぎれもなく優れた作品である。

    本作はもともと原作があって、それに基づいて作られた作品なわけだが、日本で何かの原作から映画が作られるとき、こんなにちゃんとした哲学をもった作り手によって作られることはほとんどないのではないかと思う。韓国映画なんかも最近はめちゃくちゃ面白い作品も多いし。日本アカデミー賞のノミネート作品なんて悲惨極まりないし。このあたりが映画というアートにおける日本と海外の大きなレベルの差だなと思う。

  •  第一次大戦下のフランスで戦死したとされる恋人・マネクが、どこかで生きているとかたくなに信じるマチルドは、壮大な調査活動を続ける――

     運命の恋に賭ける女性の夢想的な面と、戦争という名をして現れ希望を打ち砕きにかかってくる現実とを、両方捨てることなく映像化した作品。ロマンティックさと壮大なスケール感、どちらも味わえます。

     美術面のクオリティーは、見ていて嬉しくなるほど。特に色彩のコントロールに目を瞠るものがあります。あらためて思ったけど、映画館に足を運んだ人間にとって、大きなスクリーンいっぱいに素晴らしい絵が繰り広げられるのは最大のギフトです☆
     古い手紙や写真、電話機、列車のホーム、螺旋階段……どこを切り取っても静止画像としての鑑賞に耐えうるレベルできまっていて、すべてがハイセンスでした。あのアメリのことは一旦忘れて観たつもりだったけれど、ジャン=ピエール・ジュネ監督作の特徴ですよね。調査中のミステリっぽいノリも面白かったな~♪

     戦地におもむいた恋人を待つというと、近年『コールドマウンテン』という映画もありましたね。『コールドマウンテン』も『ロングエンゲージメント』も、この際、男の生死は問題ではない。……などと言っては言葉が過ぎるのだろうけれども、女の子に大事なのは、どうであろうと希望を持ち続けることなのです。

     彼を連れてくるのは彼女の願力。
     すべての女の子は超能力者だ!
     運命の糸がつながっていようとも、中途で切れていようとも、まずは信じること。たとえ切れたとしても、切れた糸の先を探し続けること。探すことをやめた途端に可能性はなくなるということ、探し続ければ見つかるということ。これが恋だ! こわいくらいかたくかたく思いを保ち続けるマチルドの強い強い瞳が教えてくれます。

     ヒロインを演じたオドレイ・トトゥは日本人好みの風貌で、今後も贔屓しちゃいそうです☆

  • 「アメリ」の監督(ジャン=ピエール・ジュネ)と主演女優(オドレイ・トトゥ)による戦争映画。

    分かりにくかったので繰り返して2回見ました。
    分かりにくい原因は、冒頭に出てくる5、6人の主要人物(兵士たち)が、雨に打たれた塹壕の中で、泥まみれで顔がよく分からないせいもあるけど(笑)、その後も、本名と渾名と職業で呼び合うものだから、ちょっとついて行けないわけです。ですから2度目でようやく誰が誰なのか判明しました。
    あれを最初から分かれというのは無理ではないかなあ。いずれもはじめてみる男優なんだし。

    この映画、行方不明の恋人を探すミステリー仕立ての映画でもあります。
    看板の字で謎解が進むシーンがあったけど、あれはいまでも、なんでそうなるのかがよく分からないでいます。

    だからといってツマラナイ映画では決してありません。
    ラストシーンはとても美しい。
    「風の谷のナウシカ」(映画ではなく漫画の方)で、ナウシカがヴ王の息子たちと隠された土地を訪ねるシーンがあるけど、そこにたどり着いたときのような安らぎが感じられます。

    「アメリ」の監督らしく、あちこちにウィットが撒き散らされています。
    ただどうでしょう。リアルな戦争映画とこの監督のウィットはちょっと相性が悪いところがあるのかもしれません。
    作品としては「アメリ」の方が大好きですね。私の場合。

  • やっぱりヨーロッパってアメリカと違って戦争が
    身近というか歴史の一部だからか清濁許容できる
    リアリティがあって。

    良い映画か悪い映画かはいち場面を見ただけで
    分かるものですが、これは一目瞭然な出来の良い映画。
    説明しすぎないところがまた洗練されたフランス映画らしく
    お馬鹿さん向けの分かり易すぎるアメリカ映画とは
    一線を隔すところ。

    とても素敵な映画でした。

  • 言葉なんかいらなくなる結末。

    生き残った女達が綺麗だった。多分その中に生活していく苦しみを内封しているせいもあるんだろう。
    人間って苦しんで生きている時って、顔が綺麗だ。

    マチルダの家のシーンは安心してみる事の出来る映画での良心。

    こんなに誰かに自分を探して求められたら嬉しいだろうな。
    この後やマチルダの生活(経済的に)大丈夫?と思うけどそれは野暮よね。

  • ジャン・ピエール・ジュネ監督が『アメリ』のオドレイ・トトゥと再び組んだ作品。スタッフもだいたい一緒だけど、音楽はデヴィッド・リンチ作品でおなじみのアンジェロ・バダラメンティ。

    ジュネさんの映画は『デリカテッセン』以外は一応全部観てます。『デリカテッセン』は超観たいのだけどレンタル屋にない。
    で、反戦のメッセージというか権力者・金持ちや武器商人が儲かる戦争というものをよくテーマにしてる。
    『エイリアン4』も一応、エイリアンシリーズ全体をとおしてウェイランド・ユタニ社がエイリアンを生物兵器として利用するというお話ですね。

    瀬田貞二さんの『きょうはなんのひ?』という名作絵本があって(瀬田さんて『指輪物語』等の訳者としても有名なんだけど)、『アメリ』を観た時にそれを思い出しました。
    この『ロング・エンゲージメント』は、丁度『アメリ』+『ミックマック』という感じの映画。
    恋愛映画、戦争映画でもあるけど、全体としてはミステリー映画。

    で、良くも悪くもミステリ小説を読んでいるようなのです。
    登場人物はけっこう多いし、名前を覚えるだけでもややこしい。
    冒頭、ナレーションで一気に説明されるのだけど、
    小説で言うと地の文ですか、あれが多い気がして。
    これだったら原作小説読むよ!となってしまう。
    映画としての面白さがそこで若干損なわれてると思いました。
    ジュネ監督も、原作から外れそうだったら元に戻すという感じで作ったみたい。

    とはいえ、他の部分で面白いところがあることも確か。
    いつものバロック的な金色のパーツ、ギミックやらなんやらかんやら。
    WWIの塹壕戦ものってWWIIものに比べると少ないので
    (『トレンチ』や『THE SILENT WAR 戦場の絆』とか)
    そこはボチボチよかったです。
    ジュネさん流のユーモアが強い撮り方してるので、
    あんまり緊迫感とか怖さはないですが。

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