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- / ISBN・EAN: 4547462021465
感想・レビュー・書評
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原作が小説の映画。
カズオ・イシグロの作品自体が完成されて読み応えがあり、映像になったら小説をなぞってるだけのような感じがして残念でした。映像は小説の世界を忠実に写すだけでない、映像ならではの何か余白のようなものが必要なのではと思った。映像美や空気感や、間や映像でしか表現できないようなものが・・・。
アンソニーホプキンスは適役だった。役者はどの方もハマっていたけれど、小説が強かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不穏と喪失、奇妙な余韻が残る。
ひとつひとつに重大な意味がこめられているだろうから絶対見逃すまいと目に力をこめつつ観た。カズオイシグロだし。男の徹底した無関心と女のヒステリック性がすごく研究して描かれている。消えていく残像を意識した撮り方も好みだったし、最後の雨のシーンがじんときた。お腹にたまる作品なので、もう一度観たいかと言われればイエス。
(20120530) -
レンタルで鑑賞して気に入り、DVDを購入して再度見直した作品。
本作を観て、原作にまで手を出した。
第二次大戦後、英貴族の屋敷を買い取った米富豪に仕えることとなった老執事の回想のお話。
人手不足で、当時共に働いていた女中頭にまた屋敷で働いてもらおうと彼女に会いに行く道すがら、かつてその屋敷の持ち主であり、善良であったが故に時代が読めずその後没落した前の主人である英貴族のことや、彼女のこと、やはり屋敷で働いていた、執事であった老父のことなどを思い出しながら、英国の執事らしく(?)、物語は静かに進行していく。
それらの回想は、主人公である執事にとって、古きよき時代の思い出であろうが、どことなく哀しい。
それは、人生は思うようにならないという一般的な事象が、彼にとっても例外ではないから、なおさら物語に哀しさを漂わせているように感じた。
この作品を観たことによって、しばらくアンソニー・ホプキンスやジェームズ・アイヴォリー作品を観続けた。 -
ジェームズ・アイヴォリーの作品は、そこに美学を感じるような、独特の美しさがある。
歴史に関わる重要な事柄に、執事という立場から関わることになる。
それが正しかろうが、正しくなかろうが…あくまでも自分の職務を全うすることに誇りを持って生きている。
アンソニー・ホプキンスの作品を初めて拝見したのですが…存在感がスゴイ!
エマ・トンプソンは相変わらず大好きです。 -
中国、上海、長崎などを舞台とした作品です。
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アンソニー・ホプキンスがもうレクター博士すぎて、わたしが持つスティーブンスのイメージではなかったなぁ。執事の仕事に関しては完璧だけど、そのほかのことには不器用だったり鈍感だったりという印象を持っていたけど、アンソニー・ホプキンスが演じると「すべてお見通し」「わからないふりしてるけど全部意味わかってます」みたいに見えちゃって。なんなら陰で操ってますみたいな。レクター博士のイメージが強すぎるのですね(わたしにとっては)。それに、年齢的にももう少し若い俳優が演じたほうがよかったような。
エマ・トンプソンはぴったり。ヒューもなかなか合ってた。ダーリントン卿も良かった。原作とはちょっと設定違うけど、新しいご主人様のルイス氏(スーパーマン!)も良かった。お屋敷の豪華さ、英国の田舎の牧歌的景色、貴族の暮らしぶり、ラストのせつないお別れ、全体的にはとても良い感じ。
新しいご主人様のためにジョークを勉強するエピソードは削ってほしくなかったなー。原作に細かい描写が盛り込まれすぎてて全部を納めるのは無理だったんだろうけどね。 -
白いお屋敷に、新緑色の広い庭がよく映えます。
数年前に一度見て、この緑の色が印象深く頭に残っていました。
久々に見直してみたら、この色とBGMが相まって何か切なくなりました。
内容もとても切ないお話です。
でも、アンソニーホプキンス扮する執事の姿勢が真摯的で
それをあまり悲しく思わせない気がしました。
抑制的な心には賛否両論ありそうですが、自分はそれも
綺麗な心だからこそで素敵に感じました。 -
淡々と淡々と。
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執事映画。