貸間あり [DVD]

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監督 : 川島雄三 
出演 : フランキー堺  淡島千景  浪花千栄子  桂小金治  乙羽信子 
制作 : 川島雄三  井伏鱒二  藤本義一 
  • 東宝 (2005年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104033246

貸間あり [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 最近観た映画の備忘録。
    「貸間あり」。DVDで鑑賞。1959年日本映画、112分。川島雄三監督。
    いつか映画館で観たいな、と思っていたけど何となくとうとうDVDで観てしまった。よくあることですが。
    川島雄三さんが監督した映画っていうのは、両極端なモノがありますが、コレは滅茶苦茶な系統のモノです(笑)。
    なんだけど、その中にグっと来るところもあって、大変に面白かった。

    粗筋っていうことでいうと、書くのも物凄く無意味に感じるんですが、一応。
    フランキー堺が暮らしている、ある種、めぞん一刻みたいな無茶苦茶な下宿屋の群像劇。
    ●フランキー堺はインテリのなんでも屋。小沢昭一の予備校生にだまされて、替え玉受験をさせられそうになる。
    ●フランキー堺に、同居人の独り、淡島千景が惚れる。フランキーも実は憎からず思ってるんだけど、という恋のお話。
    ●同居人の乙羽信子は三人の金持ちの愛人をしている。結婚するため田舎に帰ろうとするが・・・。
    ●ほか、同居人が、それぞれにキテレツな個性の持ち主で、それぞれにフランキーが関わったり関わらなかったりします。

    まあ大まかそんな感じ。
    この映画は、物語で面白がる映画じゃないんで(笑)。細かいエピソードの寄せ集め。
    全体のタッチは、今で言うところの深夜ドラマみたいなものです。
    「こういうのって面白いよね、笑えるよね」という感覚があります。
    この映画の場合はそれは「人間のむき出しの一生懸命さが、滑稽だったり醜悪だったり悲しかったり」
    という感じ方が真ん中に一本芯が通っています。人物たちはそれぞれに、常に一生懸命。誰も、虚しくぼーっとブンガク的に悩んだりはしていません。
    だからドタバタ喜劇になるんですね。もう、ものすごいです。みんな芸達者。
    ただそれが全部、僕は好きなのは、役者の芝居、役の人間としてのアリさまで押し通している、表現としての限定性と深みですね。
    つまりは、映像はいたってシンプル長回し。その中で、身体性も演技も芸達者な役者たちが、ゼッタイに現場での思いつきと、入念なリハーサルとを経ないと出来ないお芝居を熱演しています。
    奇抜なカメラアングルで目先を楽しませようという魂胆はないんですね。
    とにかく生身の役者が全身で演じる。それを見てください、というプライドを感じますね。
    そのへんが、ちょっと面白いじゃん、という感覚でタレントさんが生身のキャラクターだけを消費してふわふわ動いている昨今の低予算即席かつ内輪ウケなバラエティやお笑いとは違いますね。(もちろん、今のものでも、そうじゃないチャンとした芸のものもありますけどね)
    まあ敢えて言えば、ドリフのコント。それをもっとストーリーに則って、ハイクオリティにしたものです。主眼は子供におもしろがらせることじゃなくて、オトナが見て、そのコントの寓意と皮肉と、むき出しの人間の営みにクスリ、と笑える。そして笑われた作り手は、その笑いでもって世間を刺しているんですねー。そんな刺し違えの殺気がもう、ぷんぷんしてます。これが喜劇ですね。喜劇は怖いですね。

    川島さんがスゴイのは、そこのドタバタしたコワイ喜劇に、そこはかとないペーソスとか含羞とか知性とか、「ものの哀れ」という感覚が確実にあるんですね。
    ちなみにこの映画は、「さよならだけが人生だ」という名文句が出てくる映画でもあります。
    ちょっとチャンドラーの「高い窓」って感じですね。アノ名文句が出るのは意外と代表作ではありません。
    (「男は強くなくては生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」というヤツですね)

    この映画でいうと、やっぱりある種めぞん一刻、ラブリーなラブコメディでもあって。
    「今日はツンツン」ですね。たまんないですね。なんのことか分からない方は、是非観てください。観てなかったら絶対ワカンナイんですが。

    しまりなく印象を忘れないうちに書くと、「今日はつんつん」も最高で、
    乙羽信子と淡島千景が、「お嬢様と女中さんはどういう距離感で歩くか」という橋の上の場面もラブリーで大爆笑。
    あと、フランキーが乙羽信子が三人の愛人との「お別れの会」を厳かに行うところ。芸達者だなあ。もう、大好きです。

    他にも、惚れちゃうパーツに溢れてます。
    物語じゃないんですねー、映画って。
    ま、異端作ですけどね。
    オフビートとか、変化球とか、小演劇とか、ドリフとか、バカバカしいもの、ドライなもの、照れる含羞というセンスが好きなヒト、コメディが好きなヒト、是非見てください。

    長い仕事の旅の終わりに見たんで、ちょっと体力なくて。
    それくらいで。

  • 川島雄三&フランキー堺コンビの人情喜劇。
    大阪の上町台地の貸家を舞台にした人情喜劇だが、フランキーが結構まとめ役に回っていて、ブットビ度が少なく残念。

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