真空地帯 [DVD]

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監督 : 山本薩夫 
出演 : 木村功  下元勉 
制作 : 野間宏  山形雄策 
  • 新日本映画社 (2004年8月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562102153580

真空地帯 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 「こりゃ、戦争に負けるわけだわ」とつくづく溜め息が出る作品。私の限られた映画鑑賞歴の中で振り返っても、ここまでたるんだ軍隊が出てくる映画は他にあるまい。内務班にあるのは、「規律」や「秩序」「目的意識」などではなく、ただただ権力の私物化、軍隊の私物化でしかない。これが平時の軍隊であるのならばまだしも、昭和19年という敗色が濃くなった時期にこのような弛緩した軍隊が存在したとするならば、これでは負けるに決まっているではないか。
    まあ、そんな批判はさておき、役者たちはどれもすばらしい。主役の木村功、それを助ける下元勉演じる三年兵は当然ながら、金子信雄の安定した小悪党ぶりがやっぱりいい。

  • 観ていて「イヤ」になってくる映画のひとつに戦争ものがある。
    どこまでもどこまでも体罰と理不尽な摂関が続く。
    戦争はいつまで続くんだろう・・・という思いと重なる。
    言ってはいけないかもしれないけど、ホントに日本は戦争に負けてよかった・・・・と思う。

  • 文芸座の反戦・社会派映画特集で。
    刑務所から出所して練兵所に復帰した4年兵の木谷をめぐって、軍隊というものの腐敗、愚かさ、暴力性を描き出した、野間宏原作の1952年制作映画。ちょっと大西巨人の『神聖喜劇』に似ているが、こちらの主人公、木村功演じる木谷はどうにも粗野で馬鹿すぎて、なかなか感情移入がしづらい。2年も刑務所に入ってもまったく成長せず、惚れた芸者や上官を逆恨みしたり、荒れて下年兵をぶちのめしたりと、ああウザいやつ、と思ってしまう。
    むしろ下元勉演じる曽田一等兵がよいですな。大学出のインテリで、軍隊の愚かさを見抜いてもいるが、上官には重宝される安定したポジションをゲットしたうえで下年兵の面倒見もいいという、なかなかおいしいキャラクター設定。まあ、こんな状況になってしまったら、そうやって生き延びられればいいが…ほんとはそれ以前が問題ですね。

  •  1952年、新星映画社製作、北星映画社配給。山本薩夫監督、木村功主演。

     野間宏原作の映画化。軍隊は「特殊ノ境涯」「真空地帯」である、というタイトルとは裏腹に、軍隊のひどく「人間的」なありようの方が浮上してくる一作。それは単に、「監獄あがり」木谷一等兵への隠微な好奇心と差別のことだけではない。横行する賄賂の習慣と「員数合わせ」、ついついサボったりどうしようもなくドジを踏んでしまう初年兵、現役兵と補充兵の境遇の差異、「学校出」に対する嫉妬、そして、木谷の事件の背後にあった師団内部の不正経理――これらは「軍隊だから」起きた事件、というわけではない。むしろ、官僚的な組織にまま見られる、実際の社会と地続きであがゆえに起こる、そのような種類の事件なのだ。

     だが、何と言ってもこの作を動かしているのは、当時残っていた実際の兵営を使ったという、内務班生活のシーンの圧倒的なリアリティである。「何年兵」であるかが決定的な意味を持つ上下関係の世界は、まさにそれを生きた/見知った俳優たちだからこそ表現できたのだろう(意地悪な現役の三年兵たちなど、いかにもこういう奴がいたんだろうな、という雰囲気が漂う)。体罰問題の原型に、この軍隊の生活があることを改めて確信させられる。だからわたしは体育教員が嫌いだったのだ。

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