みんなのいえ スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 三谷幸喜 
出演 : 唐沢寿明  田中邦衛  八木亜希子  伊原剛志  白井晃  八名信夫  江幡高志 
  • 東宝
3.55
  • (70)
  • (146)
  • (221)
  • (20)
  • (5)
本棚登録 : 801
感想 : 122
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104033390

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 若い夫婦が新居を建てようと、
    設計を妻の後輩のアーティスト志向の建築士に、
    施工を大工の棟梁をしている妻の父に頼んだところ、
    両者が家の建て方で揉めまくるドタバタ劇です。

    昔気質の大工の棟梁と新進気鋭の建築デザイナー
    そこへ風水好きの夫の母親も加わります。

    田中邦衛演じる棟梁 長一郎と
    唐沢寿明演じるデザイナー柳沢は
    ことごとく反りが合いません。

    内開き玄関と外開き玄関、
    北側トイレと南側トイレ、
    尺貫法とインチ法...
    気の弱い優柔不断の施主は右往左往。

    お父さん塩掛けすぎじゃないんですかね。
    いんだよ直介さん。現場の人間は汗かくんでな。
    現場経験の少ない柳沢は負けじと塩を振ります。
    バランスとって仕方なく塩振る施主の直介。

    職人とアーティストは相反するものじゃない。
    職人は作品に愛情がなければ
    オートメーションの機械と同じだし、
    アーティストは作品が売れなきゃ、只の変人だ。
    問題はどこで折り合いを付けるかじゃないかな。
    僕の注文はね、
    アーティストとして君はこの作品を仕上げる、
    職人として今週中に。

    どこの大工もあれだな、考える事はおんなじだ。
    同じ様に出来ますか?
    同じ様にしなきゃ、ダメか?
    出来れば。
    そいつぁ、難しいな。
    はぁ......
    ...こんな雑な仕事したことねぇや。
    これを作った大工は、大した腕じゃねぇようだ。

    古い家具はね、飯島さん。
    古いから価値があるんじゃないんですよ。
    機能的で使い易いから長い間愛されてきたんです。
    壊れたら修理すればいい。
    それで価値が下がるもんじゃないんだ。

    奈良の東大寺に南大門っていって、
    でっかい門があんだよ。
    ありゃ、奈良時代か?出来たのは?
    そこの梁にな、ずっと後になってな、
    墨壺が置いてあんのが見付かったんだよ。
    さぁな。本当のことは、誰も知らん。
    でもな、俺ら大工はみんなこう思ってんだよ。
    誰か知らねぇが、そいつは
    わざと、置いてたったんだと...
    この門は、俺が作ったっていう、証だよ。
    サインはみんなが見るよ。それじゃダメだよ。
    墨壺のことは、自分と神様しか知らねぇ。
    そこだよ、大事なのは...
    それが心意気だよ。俺達大工のよ。

    御披露目の祝い。宴席を抜けベンチに座る2人。
    これから何を?
    なんにも...
    でもいつかはお仕事されるんでしょ?
    いいうちになったなぁ。
    いいいえになりましたねぇ。
    ドアは外開きだけど。
    ハハ、内開きだなんて聞いたことがねぇや。
    アメリカの住居はたいていそうですよ。
    知らねぇや。ドアは何て言われようが外開きだい
    くっそじじぃ。
    フッフ...
    和室は広過ぎるし。
    ありゃ確かにちょっと広かった。
    分かってたんだ...。

    八木亜希子が自然な良い演技で、
    主人公の妻、大工の娘を好演してました。
    夫に主張はしつつ、夫の母親や周りの人を立て、
    職人の娘らしい気遣いも出来るし、夫を愛する
    優しくて大人のかわいらしい女性でした。

    ココリコ田中も、゛らしい゛役処を好演。
    周りの人間をみんな立て振り回されますが、
    妻の父が大好きで、何よりも妻が大好きな男性。

    この街にずっと住むんだなって。
    お爺ちゃんとぉ、お婆ちゃんになるまでね。
    どんな家になるのかな?
    おしゃれな家にしようね。
    家は頑丈なのが一番だ。
    発想を変えてもらえませんか?
    私と直介さんの家なんだからぁ、
    勝手に進めないで!
    型にはまった家、俺はそれが嫌なだけです。
    日本の大工を信じよう。
    「みんなのいえ」
    お父さん、ありがとう。

  • 一軒家の建設を巡り、様々な関係者の思惑が暴走していく三谷幸喜らしいシチュエーションコメディー。
    ストーリーを想像しただけで可笑しいが、これをプロジェクトマネジメントの観点から見ると、学べる点が多く興味深いです。

    ○まず、ビジョン(設計図)の重要性
    ○次に、プロジェクトマネージャーの役割
    ○メンバーの能力と性質の把握
    ○コンフリクトを未然に防ぐためのルール
    ○トレードオフが起きた場合の優先基準
    ○メンバー同士の信頼関係、それを構築するために必要な互いのリスペクト

    などなど。
    特にどのような場合に相乗効果が働き、それはどうしたらできるのかはこの作品の見所だと思います。

  • ある夫婦の家を、みんなで作るドタバタ劇。

  • ラヂオの時間と比較されがちだが完全に別物。

    ラヂオはコメディー要素が主体のエンターテイメント作品に対し
    本作はエンターテイメントというよりはホームドラマやドキュメントに近い

    前衛的にみえるデザイナーのほうが昔ながらの大工より古いものにこだわっていたり
    住む人、設計する人、作る人、それぞれの言い分やこだわりがあり、各々の見えているところ見えていないところある。

    話し合ったり、衝突を繰り返しながら
    妥協じゃなく皆が納得するものを作り上げる。

    また地鎮祭、棟上祭をちゃんとおこなったり(なぜか神主はやたらふざけていますが)、完成には親戚ご近所を呼んでお祝いしたりと今は失われつつある風習をしっかり描きくことで

    「家を建てる」とはただ建物が建つのではなく、その土地に新しい家庭、○○家が根付くということを教えてくれる、とても暖かい作品。

  • 建築の素人に家の設計を頼む嫁はどうかと思う。

    古い考えかもしれないが、昔の人の言うことはちきんと聞いておいた方がいいことが多い。

  • 三谷幸喜作品。
    やっぱ素晴らしい。三谷幸喜喜劇は楽しい。
    三谷組のキャストは毎回同じだが良い。
    家を建てる為にみんな自分を曲げて頑張る。
    おもろい

  • 公開時に劇場で鑑賞。
    のちに地上波放映された際に録画・・・・したのを10年近く寝かせておいて、先日視聴。

    公開時は恋人と観た(今の奥さん)のだが、今回は娘と3人で。

    一見まじめな日常を描いたストーリーのようでいてところどころでクスリとさせられる 三谷節 に、娘も楽しんで観られれ多模様。

    タイトルにもある“みんなの家”という言葉・・・、コメディ映画だけれど、なんだか色々と考えさせられた二時間だった。

    ★3つ、7ポイント半。
    2018.03.21.観。

    ※「だったら、期限守れよ!!」の一言から続く、主人公(ココリコ田中さん)が「仕事論」を語る場面、恰好良いね♪

  • 「ラジヲの時間」の後で期待度MAXの状態で見たら、「あれ?」っとビミョーな感じになる1作。

    まわりが勝手な意見を言うせいで「作品」がどんどん変な方向に変わっていってしまう。この基本設定は実は「ラジヲの時間」と一緒なのですな(「ラジオ番組」が「家」になっただけで)。ただ前作が、変わり果てた作品を「どうだ!」とそのまま見せて爆笑を誘ったのに比べ、本作は、関係者(主に田中邦衛と唐沢寿行)が歩み寄り、「いい話」にまとめてしまったのですね。人の住む「家」だから、ヘンテコなもの出来ても困るわけで、まぁこれはこれで仕方ないのですが、「強烈におかしい話」を期待すると大いに物足りないのです。

    ただ、キャストはなかなかいいですね。田中邦衛は言うに及ばず、この手のコメディには必須な「変人の間で右往左往する一般人」を田中直樹が好演。八木亜希子もアナウンサーが本業なのが信じられないくらいのお芝居をしています。この2人の貢献度は高いです。

  • 【あらすじ】
    飯島直介と民子夫婦が念願かなって家を建てることになる。民子は大学時代の後輩で内装デザイナーの柳沢に設計を、大工の父・邦衛に建築を依頼。しかし様式美にこだわる柳沢のデザインは昔気質の邦衛に受け入れられず作業は難航。さらに風水にこだわる直介の母の意見も取り入れなければならない。和室と大黒柱は絶対に!玄関は内開きに!庭にはハート型の池を!お互い1歩も譲らない牛歩状態の現場で、邦衛は勝手に6畳の和室を20畳に広げる。

    【以下ネタばれあらすじ】
    険悪ムードの中、柳沢のこだわりはむしろ昔気質であることが徐々に邦衛に分かり始める。

    ある豪雨の中、建築中の家が心配で現場にやって来た邦衛は柳沢と鉢合わせて意気投合→邦衛を愛する直介はジェラシーのあまり現場に向かい柳沢の車にぶつかる→柳沢骨折→柳沢の代わりに邦衛がアンティーク家具を修理→和解→直介失恋。

    何とか家は完成し、柳沢と邦衛は語り合う。柳沢「玄関は内開きが良かった」邦衛「20畳はやり過ぎだった」と。

    ※2006年3月-2011年1月までやってたブログより転載

  • ふつうにおもしろかった(●´∀`)

    唐沢寿明がかわいそうすぎw
    あんなオンナのイジメみたいなww

著者プロフィール

1961年生まれ。脚本家。近年のおもな舞台作品に「大地」「23階の笑い」「日本の歴史」「ショウ・マスト・ゴー・オン」、ドラマ作品に「風雲児たち?蘭学革命篇?」や「誰かが、見ている」「鎌倉殿の13人」など、映画監督作品に「清須会議」「ギャラクシー街道」「記憶にございません!」などがある。また、おもな著書に『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズ、『清須会議』など。

「2022年 『三谷幸喜のありふれた生活17』 で使われていた紹介文から引用しています。」

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×