THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]

監督 : 三谷幸喜 
出演 : 役所広司  松たか子  佐藤浩市  香取慎吾  篠原涼子  戸田恵子  生瀬勝久  麻生久美子 
  • 東宝
3.63
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104034809

感想・レビュー・書評

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  • 大晦日。高級ホテル・アバンティは新年を迎えるカウントダウンイベントを控えて賑わっていた。
    歌手に成る事を夢見、このホテルでベルボーイのアルバイトをしていた憲二(香取慎吾)は、夢を諦めて明日故郷へ帰ろうと決めていた。
    客室係のハナ(松たか子)はシングルマザーとして一人息子を育てていたが、母親としての自覚を未だ持てずにいる。
    息子の父親は汚職事件で世間を騒がしている国会議員・武藤田(佐藤浩市)であった。
    会社社長の愛人・なおみ(麻生久美子)が宿泊する客室の掃除をしていたハナは、誰も居ない隙に彼女の高級な毛皮を着て、子供を産まなければ今頃こんな毛皮を着て良い暮らしをしていたかもしれないと夢想していた。
    そこになおみを尋ねて来客があり、ハナは咄嗟になおみのふりをする。
    ホテルの副支配人である新堂(役所広司)はこの日たまたまホテルに宿泊していた元妻・由美(原田美枝子)と再会した。
    自分も宿泊客であり、今晩ホテルで行なわれる“ステージマン・オブ・ザ・イヤー”の表彰パーティーに招かれたのだと言ってしまう。
    彼はかつて芝居で身を立てる事を夢見ていたが、挫折してホテルマンに成ったのだった。今でも芝居を続けているとウソをついてしまう。
    カウントダウンイベントに出演予定の歌手・桜チェリー(YOU)は、所属事務所の社長に歌いたくない歌を押し付けられ、事務所の為に顧客と寝る事をも強要されていた。
    汚職疑惑の渦中にいる武藤田は、このホテルに身を隠している事をマスコミに嗅ぎ付けられてしまい、政治家としての進退を迫られていた。
    表彰パーティーが始まり、新堂は受賞者のふりをしてスピーチするが、“ステージマン”ではなく“スタッグマン”(鹿の交配技師)の表彰パーティーだった。
    しかも表彰されるはずだったのは由美の今の旦那であった。ホテルマンである事を恥じた事に自己嫌悪する新堂。
    自室で思い詰めていた武藤田は、自殺を決心して銃に手をかけたが、隣部屋から能天気な歌が聞こえて来て思いとどまる。憲二が宿泊客に頼まれて歌っていたのだった。
    客には才能が無いから歌なんてやめろと言われる憲二だが、武藤田には良い歌だとほめられる。
    なおみのふりをしていたハナは、彼女の境遇を知る。世間の眼を気にして愛する人と一緒になる事を諦めようとしている様なのだ。
    鉢合せになったなおみに、諦めると後悔する事になると告げたハナは、取って返してかつての恋人・武藤田の部屋を尋ね、汚名を被ってでも政治家を続けろと助言する。
    憲二は歌が歌えるだけ幸せじゃないかと桜チェリーを叱咤激励し、新堂はホテルマンとして武藤田をマスコミから守り切る事に成功する。
    カウントダウンイベントで誇らしく謡う桜チェリー。
    その姿を見て自らも歌を続ける事を決意する憲二。その傍らで息子に電話をかけるハナ。
    新堂は由美と相対し、今はホテルマンとしてがんばっている事を告げ、さっそくやって来た新年最初の客を出迎えに行くのだった。

    主な登場人物だけで20名以上もおり、それらの人々が織りなす2時間の物語がリアルタイムで、しかも絶妙に絡み合って展開していく。面白いのは舞台っぽいところ。
    あえて1シーン1カットにこだわった撮影が舞台っぽさを強調し、ちょっとやりすぎではと思える笑いの要素(特殊メイクなども含めて)も引っ掛かることなくさらりと見せてしまうのだ。
    三谷ワールドは全開だし、俳優たちの演技合戦も相当に楽しい。観て損なしの作品だ。
    舞台の仕事を諦めたことを引きずっているホテルの副支配人(役所広司)、世間を気にするシングル・マザー(松たか子)、歌手の夢を諦めかけたベルボーイ(香取慎吾)、相手と結ばれたい愛人(麻生久美子)、思いっきり唄えない売れない歌手(YOU)が、大晦日に起こる出来事を通してありのままの自分を受け入れて正直になっていく過程が、見ていて気持ち良いし、西田敏行さんや角野卓三さんや伊東四朗さんの演技も笑えるし、小悪魔な篠原涼子さんも良かったです。
    YOUさんの歌も良かったです。香取慎吾が歌う「天国生まれ」は、甲本ヒロトが作詞作曲した名曲です。
    松たか子が愛人に間違われて、別れ話を切り出されてかつて政治家の愛人だった頃を思い出して、愛人に感情移入して愛人のために奮闘するところも良かったです。

  • 年末の、何かと慌ただしい雰囲気を感じながら観てたらおもろかった。
    笑わせてくれるキャラ勢ぞろい。
    なんか演劇の舞台っぽい感じがした。
    舞台なんか観たことないけど。

    2007年10月08日

  • 10年前の作品、みなさん若くて眩い。とりわけ鮮やかな光彩を放つのが原田美枝子さん。相当なお歳のはずだが、極上の気品を漂わせ激しくお美しい。まこと綺麗に年輪を重ねていらっしゃる。個人的にはこの人の立居振る舞いが最大のみどころだった。主役級の俳優を惜しげもなく投入した豪華ドタバタ劇。個人的には笑う場面は一切なかった。クスリともしなかった。どちらかというとサラリーマン社会のペーソスといったものの方が寧ろ強烈に迫ってきた。

  • シンプルにおもしろい。「くねくねダンス」が見たかった。新年の変わり目に見て良かった映画。

  • 「お帰りなさいませ」
    ホテルの威信が掛かった
    カウントダウン・パーティーまで、あと2時間
    迷路のようなホテルの中で働くホテルマンと、[訳あり]の宿泊客たち
    彼らに幸せな新年はやって来るのか?

    大晦日。老舗ホテル アバンティに集う様々な
    人々が織り成す人生ドラマが
    一年最後のパーティーで収斂するまでの様子を
    グランドホテル形式で面白可笑しく描いたコメディ

    「たかが大晦日のイベントだと思うな。
    ここはラスベガスのステージだ!」
    「白塗りの男がうろうろしている。
    気を付けろ!」
    「年が変われば、いいこともあるわ!」
    果して彼らに幸せな新年はやって来るのか?
    「今日は本当にありがとう。最高の夜です!」
    最悪の大晦日に起こった、最高の奇跡。

    個性的なキャラが沢山登場しました。
    申し分のない副支配人
    「ここはお客様にとって、第二の我が家」
    副支配人の別れた妻
    「よろしくお願いしますね。あの人のこと。」
    その今の夫
    「クネクネダンス」
    頼り甲斐のあるアシスタントマネージャー
    能天気な総支配人
    「誰か洗顔クリームを!」
    怪しい 料理部・副支配人
    「総支配人の頭の中には
    パーティーのことしかないんだよ。」
    コールガール
    「職業差別!」
    「年が変われば、いいこともあるわ!」
    人生崖っぷちの汚職国会議員
    「悪徳代議士として語り継がれるんだよ。」
    議員の元愛人、今は客室係
    「散らかってませんように。」
    「自分の思う通りに生きるの。」
    筆の達人・筆耕係
    「ちょぉっと、小さすぎるかな。」
    謎のフライトアテンダント
    「もうちょっと頑張ってみよう!」
    芸能プロ社長
    「たかが大晦日のイベントだと思うな。
    ここはラスベガスのステージだ!」
    不幸せなシンガー
    「ダメだぁ」
    事故に遭った大富豪
    「あんたは誰だ?」
    死にたがる演歌歌手
    「ユーアーラッキー!」
    歌を愛するベルボーイ
    「本人の前で一曲歌ってみたら?」
    ホテル探偵
    「白塗りの男がうろうろしている。
    気を付けろ!」

    「私達はホテルマンなんです。
    我々を信じてください。」
    「今日は本当にありがとう。最高の夜です!」

    「みんなのいえ」の飯島直介&民子夫婦が登場。
    直介が灰皿を取り皿と間違えつつ、
    えっまた家建てんの?と驚いてます。
    本当に納得いく家を建てれるのは三軒目、
    と言いますものね。

    オレは腹を決めた。全部話す。
    へぇ...やめれば?
    へ?
    無理することないって。
    止めるのか?
    そうよ。
    ふつう、逆じゃないか?
    だってあなた本気じゃないから。
    ホントは逃げたいと思ってるから。
    私はあなたをよく知ってる
    ホントは会見なんかやりたくないの。
    でも逃げ回るのもイヤ。カッコ悪いし。
    あなたは腹を括ったフリをしてるだけ。
    政治家辞めて、何ができるの?
    本気でこの国を変えようとしてたよね?
    だったらカッコ悪くてもいいじゃない。
    生き残る道を選びなさい。
    どんなに後ろ指差されても我慢するの。
    悪徳政治家なんだからしょうがないじゃん。
    その代わりこれからの生き方で見返してやるの
    言いたい奴には言わせておくの。
    そしてあなたは自分の思う通りに生きるの。
    あたしもこれから、そうするから。

    何か飲む?
    ううん、まだひと仕事残ってるから。
    由美...会えて良かった。
    ひと仕事って...あと何が残ってたっけ?
    よろしくお願いしますね。あの人のこと。
    頼りがいがあるようで、意外と抜けてるから。

    23人の登場人物全員に均等のドラマがあります。
    画面の隅々に伏線が張られています。
    その全てが最後のカウントダウン・パーティーで
    回収され報われて大団円を迎えます。
    心からおめでとう!と言いたい気分になりました。
    ホテル アバンティで優雅で素敵な
    ひとときを過ごした気持ちになれる映画でした。

    お帰りなさいませ。

  • 声に出して笑った。
    大晦日に起こるいろいろな出来事が、面白く、時に深く、繋がっている。
    元気になりたい時は、またこれを観たい。

  • 面白かった!
    とにかくぶっ飛んでる感じ。
    くねくねダンスは見たかったなぁ。

  •  大晦日の夜にホテルで起きる様々なハプニングを一つにまとめた三谷幸喜監督のコメディ映画。

     これでもかってくらいキャストが豪華。後半になってから西田敏行とか津川雅彦がまだ出てくるの?って感じがすごい。それがちゃんとつながりながらまとまってるのが見事。

     この映画っていい意味でほんとくだらない。笑いのポイントがすごく下世話でそこがいい。
     実はたいしてすごいことが起きない。色々あるんだけど、結局皆そのまま。別れた妻に会った主人公は何も起きないし、愛人やってる子もそのまま、汚職政治家も逃げていく。起こってることがすごくちっちゃい。そういうのがすごく人間くさくていい。

     くだらなくていい映画。

  • ちょっと時間があったんで、見てた一本。

    これ、上映期間中すごい人気で「おもしろいらしいよー」って聞いてたけど結局行けなくて、見たいなーと思ってた作品ですた。
    「どんだけクレジットしてんだYO!」ってくらいに出演者の名前が出てて、それもそのはず、このメンツじゃこの人もあの人も隠せないよねって感じの豪華キャスト。
    よくもまぁこの1本の為にこんなにも大勢の役者が集まったもんだって思いマス。

    感想は、単純におもしろかった。
    季節が大晦日に近ければ近いほど、見て元気になれる1本じゃないすかね。
    師走は忙しいってイメージ通り、ただでさえ忙しいってのに複雑な人間関係が絡んでよけいに目が回って。
    涙はないけど見てて笑えるシーンの多い映画ですた。

    でも、なんとなーく「あれもこれも」って感じに話を詰め込みすぎてて、別にいくつか話が抜けてもこの映画おもしろかったんだろーな、なんて思っちゃう俺もいて。
    見た後、ちょっと満腹感を感じる映画かなって思う人はいるかもしれないです。

    やっぱ、役者が多すぎてみんな出演時間が限られてて、中途半端に消える人とかいて少し悪循環を感じますた。
    派手といえば派手だけど、もったいない使い方してんなぁって感じた。

    映画って、その辺難しいよね。
    主演のプロモみたいになるのもどーかと思うけど、出演者がいっぱいいすぎると観てるこっちも混乱する。2時間でうまくバランスとってまとめるのは、やっぱ監督の技量の試されるとこなんだろな~。
    むしろ、今回に限ってはちょい役は他の作品に比べても多いんだから、新人のデビュー作にしてあげる、そんな配慮もあっても良かったのかもしれないって個人的には感じました。

    まぁ、結果的に大ヒットになったんだから別に問題ないのかもしれないけど。
    観てない人は、観てみてもいいと思います。

    宿に行くと、「おかえりなさいませ」

    これ、言われた方は気持ちいいよね。
    一昨年、スノボで越後湯沢駅徒歩5分くらいの「松泉閣 花月」って宿に泊まったときにこの映画と同じように「おかえりなさいませ」って言われて、抹茶は出てくるわメシもうまいし女将さんは丁寧に挨拶に来てくれるわで軽く勘違いしそうになった。w
    でもすごい気持ちよくまったりできて、それ以来もうこの宿のリピーターです☆
    (パンフで見ればわかるけど、ちと値は張るかも。でも、ほんとそんだけの価値はある宿だよ。ヤヴァイ。)

    この映画観るなら、そーいう宿に泊まってから観た方がいいかもです。

  • これは映画というか舞台ですね。詰め詰めの間に三谷を感じる。大物俳優さんがたくさんでてて、きっと現場は緊張感あるんだろうなぁ。ドタバタしながらみんな数珠つなぎになってほっこりしておわる。

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著者プロフィール

1961年生まれ。脚本家。近年のおもな舞台作品に「大地」「23階の笑い」「日本の歴史」「ショウ・マスト・ゴー・オン」、ドラマ作品に「風雲児たち?蘭学革命篇?」や「誰かが、見ている」「鎌倉殿の13人」など、映画監督作品に「清須会議」「ギャラクシー街道」「記憶にございません!」などがある。また、おもな著書に『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズ、『清須会議』など。

「2022年 『三谷幸喜のありふれた生活17』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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