博士の愛した数式 [DVD]

出演 : 寺尾聰  小川洋子  小泉堯史  深津絵里  齋藤隆成  吉岡秀隆  浅丘ルリ子  加古隆  上田正治 
  • 角川エンタテインメント
3.56
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感想 : 316
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126203771

感想・レビュー・書評

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  • 「24、実に潔い数字だ。4の階乗だ」

    随所にちりばめられる数学の知識が面白く、同じ会話が繰り返されるたびくすりと笑ってしまう。けれど、博士が目覚めるシーン。毎朝ああして現実を突きつけられ、人知れず苦悩しているのだろうか。涙が出た。博士の記憶は80分しかもたないけれど、それゆえ何度も繰り返される言葉は心の底からのものであると信頼できる。家政婦の背景は何も語られないけれど、そんな博士とのルートを交えた毎日はとても穏やかで大切だったろう。博士とお義姉さんは過去を断ち切れただろうか。その後、みんなで仲良くできていたらいいのに。

    ルートは大きくなったけれど、博士や家政婦の今は描かれない。それもまた、答えのある数学と違って、なんだか余韻があっていい。

  • 80分しか記憶が保たない博士と家政婦、その息子が数字を通して交流していく話。

    数学に興味がない、もしくは嫌いな人でも魅入れるようになってると思う。
    私は別に数学が嫌いではないけど、もっと知識が欲しいなあ、と思った。

    いい意味で貪欲さを思い出させてくれるお話だと思います。

  • 難しいテーマだと思ったけれど、大切なのは、今、と改めて思えた。
    博士が博士であることに変わりはないように、
    私が私で有る限り。
    数学への苦手意識が邪魔をして、素数やら、何やら、なかなか頭に入らないけれど、数字の美しさは感じられた。
    いつか、自分の子供が生まれたら、その子には数学を楽しんでほしいな‥

    本編より
    目に見えない世界が目に見える世界を支えている
    肝心なことは心で見なきゃ

    一つぶの砂に一つの世界を見
    一輪の野の花に一つの天国を見
    てのひらに無限を乗せ
    一時のうちに永遠を感じる
    ウィリアム・ブレイク

  • 笑顔を見せず淡々とした寺尾聰、こんな先生、大学にいた気がするなぁとなんだか懐かしくなった。深津絵里の健気な笑顔と季節のなんでもない風景と数字や数学にまつわるエピソード、どこをとっても美しい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「淡々とした寺尾聰」
      初小川洋子体験で、この映画が好きになったので色々読みました。そしてやっぱりこの作品が一番好きです。。。
      寺尾聰って、良...
      「淡々とした寺尾聰」
      初小川洋子体験で、この映画が好きになったので色々読みました。そしてやっぱりこの作品が一番好きです。。。
      寺尾聰って、良い役者になったよねぇと見直したりもしたのでした!
      2012/06/04
  • 事故で負った障害によって、80分しか記憶を保つことができない数学者と、シングルマザーの家政婦、その息子の心の交流を描いた映画です。数学の教師になった息子が、博士と母親の出会いや、自分自身と博士との交流を語っていくという形で、ストーリーは進んでいきます。

    物語の随所には、数学の知識(友愛数、絶対数など)が登場し、博士の数学への愛情と、物事の本質を追求する姿が表現されています。

    この話、数学を愛する記憶障害の「変人」の博士と、孤独を感じさせるシングルマザーの家政婦とその息子の、温かいストーリーを期待させる展開で始まります。博士はすでに9人も家政婦が代わっており、家政婦も、「彼女にできる唯一の仕事」は家事だけ(博士のプライベートには関わらない)でいいという紹介のされ方です。

    つまり、扱いの難しい変人博士と、孤独を漂わせる家政婦の間で育まれていく交流ゆえに、感動が高まるような設定にしているはず。ところが、劇中の寺尾聰演じる博士も、深津絵里演じる家政婦も、基本的に心の優しい「いい人」であって、お互いに心の距離を縮めていくのが自然な流れのように感じられ、特別な感動を呼ばないのです。記憶障害が扱いにくいものであっても、家政婦が9人も代わるほど、博士が変人であるような描かれ方はありませんし(今までの家政婦が悪いんじゃないの、という疑問が・・・)、そもそも記憶障害の扱い方もうまくありません。

    一番、ストーリーの要となる設定に対して、登場人物が若干ずれているように感じられ、特に悪い部分もない代わりに良い部分もない、単調な映画になっている気がします。寺尾聰の雰囲気のある演技はとてもいいのですが・・・。

    博士と兄嫁の不倫をにおわせる部分も、ストーリーの中で大きな役割を果たすことなく不完全燃焼感が残ります。

    数学という、みんな学んだことはあっても、日常触れる機会が少なくなってしまった知識を、劇中にちりばめたのが、本作の勝利要因になっているのでは、と思います。

  • ルートが吉岡秀隆っていいな~とおもったけどそこ以上には特に感じいったところはない。原作の新しい喜びとやわらかい空気についてはすごく丁寧だなとおもった。まあ数学の面白さ、ひとつの媒体を介して誰かと誰かがつながっていく、っていうのも見もののひとつではあるからはずせない(というかルートが先生になっている以上しかたない)か。
    ただただ、見てるとふかっちゃんがべたべたしてやだな、やなおんなだなとおもったしこれではまるで恋愛映画になってしまうではないかという危惧をずっと抱かされたし、そのもうひとつの博士の愛した数式という部分もすごくよく(これは本を読んでいるより)よくわかって、ドラマチックで、怒った分だけの想いは返されて、報われて、未来になって幸せな物語じゃないか、とか憤る。確かに毎日会う人に、興味を持って、知り合って、親密になるという「辿っていく」は当然のことなんだけれど。80分で何がリセットされているのか?
    ふかっちゃんのベタベタした、という部分については特に映像と文章の違いというところがあるような気がする。まるで博士がちょっとした知恵遅れというくらいにしか文脈に不自然さがないのだ。場面が変わるというのは時間が変わるというところだから、それをどう表現するかというのがすごくかかわってきているようにおもった。博士の動かない時間と今ここで動いている時間が俯瞰できないとなんだかただのほっこりしたベタベタしたホームドラマになってしまう、ということでした。もったいない。

  • 原作は読んでませんが、
    出演者の好演にひたすら魅せられた作品。

    会うたびに博士にとっては初対面なのだけれど、
    それでも毎回優しく温かく迎えて靴のサイズを聞く博士の姿が愛しい。
    友愛数という存在を、この映画を見るまで知りませんでした。
    友愛、性愛、親子愛。
    色んな愛が流れる世界観です。

    それにしても法則と不変にのっとった数学の世界がこんなにもきれいにみえるとは。
    吉岡秀隆の先生役も素敵。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「出演者の好演にひたすら魅せられた作品」
      寺尾聰って良い役者になったなぁ~としみじみ思いました。。。
      「出演者の好演にひたすら魅せられた作品」
      寺尾聰って良い役者になったなぁ~としみじみ思いました。。。
      2012/07/27
  • 悲壮感がなく、それどころかその日常を素晴らしく面白いものとして映してるとこが素敵。それぞれのキャラクターも温かくて、希望を感じられる。

  • 連休中に観ようと思っていた映画(録画)の一つ。
    良かった、のだが、原作を読んだ時ほどの感動はなかったのは何故?
    配役も素晴らしかったし、概ね原作通り(大昔の記憶だが)なのに。
    ちょっと調べてみたら映画は原作の後日談(回想)のような描かれた方になっていた。だからかも。なんか勿体ない。

  • 2021.11.15 BSプレミアムで。

    ほっこりじんわりした。
     人それぞれ感じる映画だと思う。

    寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆。

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