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- / ISBN・EAN: 4988126203771
感想・レビュー・書評
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美しい。
その美しさを説明するのは、
数式の美しさを説明するくらいにむつかしい。
出会い、関わり、
失われることが繰り返されても、
心の世界を共に味わい続けることの、
果てしない美しさがある。
ありのままとは恐ろしいものかもしれないが、
ありのままであることを受け入れられたら、
そこにひとつの意味深い真理がある。
ひたむきに生きること、
共に生きること、
育むことの美しさが描かれた良作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2005年、監督小泉堯史。
小川洋子の同名小説が原作。
80分しか記憶が持たない数学の博士寺尾聰と家政婦のふれあい。そこに家政婦の子供、博士の義理の姉が絡む。この関係が明かされないが微妙な様子。成長した家政婦の子供が数学教師となり生徒に話をする構成で話は進められる。 -
原作が好き過ぎて、映画を観てしまってもいいのかなかなか判断がつかず、迷っていた作品。
結局好奇心のが勝ってしまい観てしまった。
原作を読んでいなければ、すごく良かったと思う。
原作にはない良さもたくさんあった。
でも、原作とはやっぱり違う。
その差が少し悲しくなってしまった。
映画のほうが分かりやすくドラマチックになっていた。
そうじゃないんだよな〜。
もっと静かな感じなんだよな〜。
でも、別物と思えばとても良かったと思う。 -
「24、実に潔い数字だ。4の階乗だ」
随所にちりばめられる数学の知識が面白く、同じ会話が繰り返されるたびくすりと笑ってしまう。けれど、博士が目覚めるシーン。毎朝ああして現実を突きつけられ、人知れず苦悩しているのだろうか。涙が出た。博士の記憶は80分しかもたないけれど、それゆえ何度も繰り返される言葉は心の底からのものであると信頼できる。家政婦の背景は何も語られないけれど、そんな博士とのルートを交えた毎日はとても穏やかで大切だったろう。博士とお義姉さんは過去を断ち切れただろうか。その後、みんなで仲良くできていたらいいのに。
ルートは大きくなったけれど、博士や家政婦の今は描かれない。それもまた、答えのある数学と違って、なんだか余韻があっていい。 -
2021.11.15 BSプレミアムで。
ほっこりじんわりした。
人それぞれ感じる映画だと思う。
寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆。 -
「博士の愛した数式」私は原作既読だが、数学好きのダンナは未読。ので、映画はスピード感や絵で見て分かりやすいものでない限り「原作が良いに決まってるだろ!」派の私はダンナに付き合った形・・だと思っていた。前言撤回。
これいいぞ。先ず息子√(ルート)の回想になってて、数学の先生に成長した√が生徒に数の美を説明する。これが文章で読むより分かりやすい。ってか、完璧な理解は無用なの。博士曰く「感じて」だから。博士が黒板多用なのもいい。
で。一番原作と違うのは博士の義姉。彼女の登場シーンが多い。あと、原作から一歩踏み込んである。ネットで評価も見たのですがここには否定派が多いような。私は逆の意見でして、姉も救われた感じが嬉しかったです。
原作を充分に大事にしたいい映画でした。キャストも全員良かった。博士、家政婦さんだけでなく義姉・浅丘ルリ子。このミステリアスな美女よ。配役に痺れました。観て良かったです。 -
80分しか記憶が持てない博士の発する言葉の一つ一つが真理を表しているような気がする。
印象的なのは、博士が毎朝、自分の記憶のことを知って深い絶望を覚えることを知った姿。 -
80分しか記憶の持たない数学者の老人と家政婦が徐々に打ち解ける話。その後の話を聞きたい