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- / ISBN・EAN: 0883277000191
感想・レビュー・書評
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■ 助手席で体感せよ、9分間の疾走を ■
かのクロード・ルルーシュ監督が1976年に放ったという伝説的な短編ものということで観てみる。
なるほど…!の一語に尽きる。
明け方なのだろうか、車がまだ然程多く走っていない道路を、猛スピードで疾走して行く1台の車が主人公。吹かすエンジン音、路面を擦るタイヤの摩擦音、轟々と唸りをあげ、車はまるで憑かされたかのように何かに向かって走っていく***
車という呼び方よりも、これはもうカーレースのようなハンドルさばき。だが疾走するこの車の姿は画面に一度たりとても、登場することはない。
ドライバーの目線に据え付けられたカメラが、際どいながらも確かなハンドルを操作する主人公の鼓動と、まさしく一体化している。
自分が助手席に同乗しているかのごとく私は硬直状態で、運転席の主がここまで猛スピードで向かおうとしている行く先を知りたい気持ちに苛まれながらも、その運転に圧倒され興奮の坩堝に置かれてしまったーーー
突進するという表現が合うほど凄まじいスピード感。車は何度か路面に群れている鳩たちに遭遇。俊敏な鳩さえも、まさかッー?!といった少々ゆとりを欠いた感じで路面から飛び立っていく様を見て、如何に猛スピードであるかがうかがえるというもの。
このコースが選ばれた理由は何だろう(?)、撮影は事前に許可を得て行なわれたのだろうか…(?)、この車種は何なのだろう…(?)、ドライバーは有名なレーサーなのだろうか(?)etc...知りたいことが湧き出てきたのだが。
運転免許のない私にとり、これはストレス発散になりそうなほどスカッとさせてくれるものがあった。
***何よりもまして、ラストに魅せられる。
クロード・ルルーシュ、此処に在りき。詳細をみるコメント0件をすべて表示