メゾン・ド・ヒミコ 通常版 [DVD]

監督 : 犬童一心 
出演 : オダギリジョー  柴咲コウ  田中泯  西島秀俊 
  • 角川書店
3.71
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感想 : 321
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126203542

感想・レビュー・書評

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  • J:COMの日曜映画劇場で観ました。
    最近いい作品、特に日本映画、を流してくれるのでありがたいです。

    オダギリジョーがカッコいい。
    西島秀俊が若〜い!
    柴咲コウが終始しかめっ面。

    ただの養老院じゃない、ゲイが人生の最後を楽しく楽に迎えられるようにと作ってみた施設。
    必要だよなあ、そんな類の施設。

    自分の死を迎える時、当人達はゲイで良かったのだと思えるのだろうか?
    死を迎えようとしている親がゲイだと知らされた肉親はどの様に受け止めるのか、動揺するだろうか?

    一昔前ならば当人も、肉親も隠し通そうとしたであろう事実。
    現代だなあ。

  • 2005年 日本
    監督:犬童一心
    出演:オダギリジョー/柴咲コウ/田中泯/西島秀俊

    犬童監督は『ジョゼ虎』がとても良かったし、そこへオダジョでゲイものとくればもうこれは期待するなというほうが無理な話で、ドキドキしながら見に行ったんですが…いやあ期待を裏切らない良い映画でした!

    まずやっぱ個々の役者さんがとてもいい。オダギリジョーは、本当にしみじみといい男ですよねえ。今回はゲイの役というのもありますが、なんとも得体の知れない色気があって、あのもっちりした唇とかね、形のいいお尻とかね、もう変態かよというくらいじんねり眺めちゃいますから(笑)。

    柴崎コウもすごい可愛かった。やさぐれてるようで純粋で、でもぶっきらぼうで突っ慳貪な口しかきけないとことか、女くさい湿っぽさのない役がとても良かったです。田中泯さんは、もう、存在感だけで凄い。さすが舞踏出身のひとは違う…!

    映画としては『ジョゼ』でも身障者であることが物語の中に偽善を持ち込まなかったように、マイノリティである同性愛者であることを、けしてそう感じさせない潔さみたいなものがあったと思います。愚かでも醜くてもちっぽけでも、人間に対する愛のある映画は、気分が良いです。

    (2006.01.16)

  • DVD

    長年ゲイバーのママを務めたヒミコは、自分の病を契機に店をたたみ、ゲイ向けの老人ホームを始めた。
    ゲイだけの世界のちょっと奇妙な共同生活、そしてヒミコの愛人であるオダギリジョーと、娘の柴咲コウとの恋愛が描かれる。

    米国のゲイコミューンの話は聞いたことがあるけれど、日本でもこういう生活があるのかしら?
    彼らは常にテンションが高く、時々唐突に真面目になる。その瞬間がとても怖くて、でもこの映画の魅力だと思う。
    オダギリジョーはただただ美しい。他の人々が喪に服して黒を着ている時でも、彼だけは白を通していたのがとても印象的だった。

    流しそうめん、ディスコ、壁にメッセージ

  • ゲイである父を嫌い、その存在さえも否定して生きてきた沙織。ある日、彼女が働く塗装会社に春彦という男が訪ねてくる。彼は、幼い沙織と母を捨てて出て行った父の恋人だった。春彦は沙織の父が癌で死期が近いと言い、父の営むゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」を手伝わないかと誘う。ある事情で借金を抱えていた沙織は父の遺産と破格の日給をちらつかされて、申し出を承諾する。「メゾン・ド・ヒミコ」、そこは賑やかで、哀しくて、温かな場所だった。

    沙織役の柴咲コウが良かった。「ずっと一人で生きてきた」という言葉の通り、周りの人間から距離を置くような態度をとる沙織も、「メゾン・ド・ヒミコ」の住人に心を開き、笑ったり怒ったり感情を露わにする沙織も、どれもとても魅力的だった。

    「メゾン・ド・ヒミコ」の住人たちは毎日を明るく自分らしく生きている。しかし他人と違う、いわゆるゲイだという点において、過去には皆悩んだり辛い思いをした経験があるはずである。住人たちに限らず、誰しも同じように他人に知られたくない部分を持っている。どんなに明るく振舞っていても、自分の暗闇に触れた時、他人の暗闇を垣間見た時、悲しい思いにとらわれる。自分しか知らない秘密を抱えている時点で、皆平等に孤独なのだ。だからこそ人は誰かと一緒にいたい、つながっていたいと思うのだろうか。そんなことを考えてしまった。

  • 中盤だれたけどわりと良かったかな、ジョゼ虎よりは理解できたと思う、セックスシーンが相変わらず冗長だったような。犬道一心って最初はいいんだけど中盤からの何をするにも間が置かれる感じが見てて飽きてきちゃうんだよな…。

    メゾン・ド・ヒミコでのバイトを通して、サオリが出した結論は「お母さんのためにあんたを嫌い続ける」。それでいいんじゃないかな、と思った。どんなに今足掻いたところで過去やったことは変えられないし、サオリが母親といっしょにいて味わった苦悩は消えることがない。でもそういう結論を出すなら、はじめにヒミコに会っても会わなくても変わらない結論だから、ここまできてそれは作品としてどうなのかなとも思った。ヒミコはそれを「まっとうな結論ね」と肯定しながら、「でも私はあなたが好きよ」って言う。そこで、ああ、ここが変わったのね、と思えた。
    でも結局のところノンケの女性であることと、ゲイであることは変えられなくて、お互いの境遇は乗り越えられないから、一旦サオリはメゾン・ド・ヒミコを出て行ってノンケの男の専務と寝る。それで終わっちゃうの? でも、サオリと春彦が寝ようと思ったのは、絶対ノンケとかゲイとかの壁を越えて寝てもいいくらいお互いのことを好きと思ったからじゃないのかな、そう思いたいな、と思って見ていたら、最後にそれを確認するかのような台詞がきて(「俺、あんたじゃなくて細川さんがちょっとうらやましかった)、最後に「チューしていい?」「サオリに会いたい」!!
    あのキスを拒むためのちっちゃなマスク? を外して顔覗きこむとかときめかない人いるのかなあ。でも、サオリがほんとにほんとに春彦を好きになっちゃって、セックスしたいって思ったらあの関係は終わっちゃうわけで、そのバランスは危ういのかなと思うけど。でもサオリなら、他の男と寝たり結婚することも出来そうだから、良かったっていうか、それはそれで「いい」のかな。
    なんというか、セクシュアリティ的にセックスは出来なくても、異性を愛することは出来るんだなって思って、はーーよかった、ってひとまず安心できた。

    オダギリジョーの「欲望が欲しいんだよ、強い欲望が。俺あの人がゆっくり死んでいくの見てるとなんで生きてんのかわかんなくなんだよ」ってとこが渇いてて痛々しくてよかったなー。あと「俺はずっと一人だった」「私は今も一人だよ」も。脛に傷持つ人ってなんでこんなに色気があるんだろう。ていうかまあオダギリジョーの色気がやばかった。水風船ぶつけられるシーンもぞくぞくした…。
    あの中学生?の男の子はなんで改心したんだろう。ホモに目覚めたとか、そういうわけじゃないよね? そういう想像力とか含みをもたせる所も犬道一心的映画の手法なのかなあ。春彦がヒミコのことをああまで好きになったわけも、言わぬが花って感じで。こう物語の種が心に埋められて、時間を追うに従って想像(妄想)が育ってくみたいな、そういう遅効性の効果みたいなのを狙ってるんだろうか。
    楽しめました。

  • シバサキコウが父親を最後まであんたよばわりするのも、父親にスキといわれて泣けないのもすごいいい。ローズなんてひとりで死ねばいいなんていっちゃうところもイイ。
    いちばんよかったのは、オダギリジョーとキスしながら、「触りたいところなんてないんでしょ」っていえちゃうところ。そのあとあっさりニシジマヒデトシと寝ちゃうのもいい。オダギリジョーへの感情を言葉に出来ない不器用さというか素直じゃ無いかんじがカワイイなっておもった

  • 定期的に観たくなる映画のひとつ(特に盆に)。

    いわゆる社会通念みたいなもの対して、若いときは反抗できても、老いによって反抗することも難しくなってくる。

    もし、老いて尚、社会通念みたいなものに対してうまく折り合いがつかないときにどういう態度で死にゆくか…。

    滅びの美学を描いた映画だと思います。

  • この時のオダギリジョーが絶頂じゃないでしょうか。
    超絶セクシーです。
    色気の塊です。

    オダギリ語録を少し。

    「お前次殺すぞ」
    これはこれは。
    ありきたりな言い方しかできないけど、

    惚れてまうやろーーーーー
    女の私でも惚れちゃう。ちがうか。


    「ちょっと羨ましかった。お前じゃなくて細川さんが。」
    これはもう。

    ありきたりn
    惚れてまうやろーーーーーーー



    「チューして良い?」

    あr
    惚れてまうやろーーーーーーーー

    笑。
    っていう自己満足レビュー。
    気になった人は映画見れば良いと思う笑

    ゲイの方たちってズバズバ人を傷つけるけど、
    本人たちはすごい繊細よね。
    すごく、すごく、共鳴したよ私。
    すごく良かった。オダギリジョーが。笑
    映画も。

  • 当事者だから言えること、じゃないと重みがない言葉、感情って、たくさんあると思う。
    どんなに背景を想像したところでそれは想像でしかなくて。同情ができても、理解したり受け入れられても、それまででそれ以上にはなれない。

  • ゲイについての表現が少々不満 ゲイ監督が撮ったゲイ像とこの人が撮ったゲイ像と、ぜんぜん違うよね? マイノリティに対しての問いかけを作られた設定で描いてもあまり伝わってこないんだなと思う もっとリアルでないと

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著者プロフィール

1960年、東京生まれ。映画監督、CMディレクター、脚本家。監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「黄色い涙」「眉山」「のぼうの城」など。脚本作品に「大阪物語」「黄泉がえり」など。

「2016年 『我が名は、カモン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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