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- / ISBN・EAN: 4988102221331
感想・レビュー・書評
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主演:チョンウソン
オムジウォン キムガプス詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勇気や元気を貰いたいとき必ず観る。
何度観ても飽きない作品。 -
「消しゴム」(純愛映画「私の頭の中の消しゴム」、以下「消しゴム」)でチョン・ウソンにやられた女子にしてみれば、かなりがっかりな役柄ではあるけれど、かっこわるい野良犬(=トンケ)役をやっても、チョン・ウソンは宿命的にかっこいい。タッパがあって、適度に筋肉質で、いつも濡れてるような優しい目をした二枚目。
日常生活の感情や言葉をリアルに表現した脚本。ソウル方言でしか韓国語を習ったことのない日本人の私には時に聞き取りが難しいくらいの方言。
密陽(みりょん。「シークレット・サンシャイン」の原題であり、映画の舞台にもなった場所)という地方都市で、大学進学率97%の韓国で高校を中退しふらふらと遊んでいるトンケと、警察官の親父、同じく落ちこぼれて廃車工場で働く仲間、不正に土地を買い取って開発を進める悪役と高校時代の宿敵、という人々が絡みあい、たった一人のヒロインである不良のオム・ジウォンが唯一の華を添える。
監督がインタビューで言っているように、この映画はシーンそれぞれが面白さを秘めている映画である。
特にトンケと親父、トンケと仲間たちでご飯を食べるシーンが3、4回でてくるのだけれど、このご飯シーンは食べているもの自体も、そのシチュエーションも、ものすごいリアリティを追求している。食事の場面にリアリティがないと、映画全体の現実性が下がる。特に傑作なのは、トンケとその仲間が初めて出会うシーンで、つけたてのキムチをご飯だけで縁側でむさぼり食うシーン。そして二つしかない目玉焼きを親父に二つとも食べられて、次の機会には大量に作って皿に盛りつける。そのアップにされる目玉焼きや浅漬けのキムチは、それ自体は全く飾り気のない平凡なメニューなのだけど、いちいちにおいがでてきそうなくらい美味しそうで、ものすごいリアリティを出している。
最初の15分くらいで描かれる飼い犬だったトンケは、強烈にみるものの心に残る。彼がいなくなった後の人間のトンケ(チョン・ウソン)を観ながら、観客はどこかで犬のトンケを思い描いているはずだ。そして最後の決闘場面でその観客の思いを一気に回収するのはさすが。
よく暴力シーンが多くでてくる映画のレビューを見ると、暴力的な映画は嫌いだ、などというレビューが出てくる。実際にこの世に暴力があり、暴力には明るみにするべき暴力と、わざわざ描かなくてもいい暴力があると思う。私も決してアクション映画はすきではないので、よくわからないのに戦っていたり、やたらと任侠っぽい人が殴り合い殺し合う映画は苦手なのだけど、この映画の暴力は、私にとっては「明るみにだすべき」暴力だった。
ケン・ローチも大好きだし、「息もできない」のように、今まで描かれにくかった社会を映画に撮る中で、そこにある暴力や、暴力にならざるを得ない社会環境を見せていくのは、とても大事なんじゃないかと思う。ここで描かれている地方都市の人々の姿は、韓国と言えばソウルばかり滞在してきた自分にとってとても面白かったし、一般の観光では決して見ることができないであろう韓国の姿を映していると思う。
オム・ジウォンが最後のメイキングインタビューのときに、自分はここに出てくるような女(家が貧乏で、たばこを吸い、ひどいスラングを連発する)ではない、というのを念入りに言っていたのが印象的だった。若干方言がたどたどしい部分もあるが、出てくる人たちの役者魂のこもった演技も見物。
こてっこての純愛や家族愛感涙シーンが詰まった、デコレーションケーキみたいな韓国映画が好きな人には物足りないかもしれない。この映画にはキスもなければ劇中では誰も死なないし、涙がぼろぼろでてとまらないようなお涙ちょうだいシーンもない。
でもこういう地方の村の、全然かっこ良くない人の人生を描いた作品の中に、いい韓国映画がいっぱいあるから、だから韓国映画は好きだ。
消しゴムとは違う意味で、大傑作。
*ちなみに韓国語の原題は「トンケ」で、日本語字幕でトンケと=野良犬と訳されているものの、直訳すれば「糞犬」である。ちなみに「息もできない」の原題は「糞蝿」で、これもマイルドな訳され方をしている。 -
旦那が面白いよ〜って言ってたけど????って感じだった
うちの旦那南訛りがあると面白いって言うのか謎・・・
チングといい南の方の話はほとんど喧嘩です↓ -
<a href="http://www.tonke.jp/">『トンケの蒼い空』公式HP</a>
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(2006/03/12)