風船 [DVD]

監督 : 川島雄三 
出演 : 森雅之  北原三枝  三橋達也  芦川いづみ  新珠三千代 
  • 日活
2.85
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本棚登録 : 22
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988103601217

感想・レビュー・書評

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  • これから優先的に観る必要はまったくないと思う、川島雄三監督のあんまり人気じゃない映画。詳しい人に言わせると、川島さんは駄作もいっぱい撮ってるみたい。けしてそこまでの駄作ではなくて、芦川いづみさんが本当に清純で可愛らしいので、アイドル映画として観るとよい気が。

    原作は大佛次郎。この人ってこういう作品も書いてるのね。タイトルにもなってる『風船』の意味、これは外見と中身の象徴なんかで、作中でも語られる部分、ここはけっこう好きでした。

    お話は、成瀬巳喜男の『山の音』とかに近い。あるいは、小津さんの『東京暮色』とかも連想する。『山の音』が1954年、『風船』が1956年、ついでに『東京暮色』が1957年と、時期が近い。成瀬さん的な作品を川島雄三監督が作らんでも……っていう感じ。
    成瀬作品のレビューにて書いたけど、この時期の映画はアプレゲール、戦中派か戦後派かという点を意識して観ると良いと思う。

    『山の音』の山村聡のポジションが、『風船』での森雅之。あんまり関係ないかもだけど、森さんって私生活で浮気ばっかしてたそうだから、この映画みたいな真面目な父親役をされても「お前が言うなよ!」ってなる笑。やっぱり『雨月物語』や『浮雲』みたいに浮気性の役の方が森雅之っぽいんじゃないかな。

  • この人は何を目指したいのだろう。小津安二郎だろうか。
    それにしても、鑑賞後、観客はしばらく茫然とするだろう。
    名作が作りたい監督。
    でも・・・・・、そんな風には仕上がっていない映画

  • 川島雄三が大沸次郎の小説を映画化した作品。

    川島作品がとても気に入ったから最近特に見出したんだけど、この作品の少しシリアスな雰囲気には、はまらず。

    というか、他の川島作品と比べて映画としても少し劣るかな。豪華スター競演で、脚本も主題が定まらない感じ。それはそれで当時の映画としてはアリだったのかもしれないけど。

    それでも、何と言っても芦川いづみですよ。可愛いのなんのって。他の人物はどこか荒んだ心で描かれているのに、彼女はただ一人純真の即身仏みたいに映画の良心として描かれる。彼女だから出来た役でしょう。

    徐々に経済成長を遂げる1950年代の日本にあって、芦川いづみと京都の下町が持つものの価値がこうして影を潜めて、それこそ「享楽する術を知って」いったんじゃないかと思う。そういう時代の狭間で揺れる人々を捉えている作品である点で、やはり川島監督に魅了されている自分には、趣深い作品だなぁとこのレビューを書きながら思う。

  • 大仏次郎の大衆小説を川島雄三が監督した日活映画で、豪華オールスター勢ぞろいの人間群像劇である。
    1時間50分の程度の長さなのに、途中、ちらちら時間を見てしまう。やっぱり川島雄三は、ちょっと短いくらいの作品のほうが、スタイリッシュでスピーディーな持ち味が出る。
    スターが大勢出ているので、飽きないといえば飽きないのだが、主人公(森雅之)に視点が集中していないため、ラストに感動を呼ばない。
    また、主人公の妻(高野由美)の出番が多い割に、ここにはスターを使っておらず、なおさら主人公が浮き上がらない。
    人間心理を描くのが群像劇なのだから、川島雄三にはあまり向いていない素材だったのではないかと思った。

  • ぼや〜としている。
    大人の恋愛ドラマなんだろうけど、
    主人公っていうか、イマイチ話の核が薄い。
    眠くなる感じではないけど、
    設定も悪くもないと思うけど、
    何だ、このつまらなさは?

  • あの男はたしかに冷たい、しかしお金のヤリトリしてる時点で愛人確定なのに女の態度が一途というか重すぎる。この映画の時代はたぶん女性ひとりが衣食住に満足するほど稼ぐのは容易ではなかっただろうし、ああいった冷たい態度をとられるからなおさらウザイほどすがってしまうのだろうな、と理解はできるけど。陽気でドライな女と紳士(都築)とのヤリトリは好きです。

    資本主義で都会的な東京で社長として成功した男は、下町的で人情味溢れる京都(という点に時代を感じますが、京都って今もそんなかんじなの??)へ、最終的にはスノッブな妻と冷たい息子を東京に置いて移り住む。経済成長が下り坂な今現在では、世の中のムードもそんな選択を支持されそうだけど、そんな人情味溢れる(もしくはパラダイス的な)下町が、あればソレもいいかもね。

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