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- / ISBN・EAN: 4988103601217
感想・レビュー・書評
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これから優先的に観る必要はまったくないと思う、川島雄三監督のあんまり人気じゃない映画。詳しい人に言わせると、川島さんは駄作もいっぱい撮ってるみたい。けしてそこまでの駄作ではなくて、芦川いづみさんが本当に清純で可愛らしいので、アイドル映画として観るとよい気が。
原作は大佛次郎。この人ってこういう作品も書いてるのね。タイトルにもなってる『風船』の意味、これは外見と中身の象徴なんかで、作中でも語られる部分、ここはけっこう好きでした。
お話は、成瀬巳喜男の『山の音』とかに近い。あるいは、小津さんの『東京暮色』とかも連想する。『山の音』が1954年、『風船』が1956年、ついでに『東京暮色』が1957年と、時期が近い。成瀬さん的な作品を川島雄三監督が作らんでも……っていう感じ。
成瀬作品のレビューにて書いたけど、この時期の映画はアプレゲール、戦中派か戦後派かという点を意識して観ると良いと思う。
『山の音』の山村聡のポジションが、『風船』での森雅之。あんまり関係ないかもだけど、森さんって私生活で浮気ばっかしてたそうだから、この映画みたいな真面目な父親役をされても「お前が言うなよ!」ってなる笑。やっぱり『雨月物語』や『浮雲』みたいに浮気性の役の方が森雅之っぽいんじゃないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人は何を目指したいのだろう。小津安二郎だろうか。
それにしても、鑑賞後、観客はしばらく茫然とするだろう。
名作が作りたい監督。
でも・・・・・、そんな風には仕上がっていない映画 -
大仏次郎の大衆小説を川島雄三が監督した日活映画で、豪華オールスター勢ぞろいの人間群像劇である。
1時間50分の程度の長さなのに、途中、ちらちら時間を見てしまう。やっぱり川島雄三は、ちょっと短いくらいの作品のほうが、スタイリッシュでスピーディーな持ち味が出る。
スターが大勢出ているので、飽きないといえば飽きないのだが、主人公(森雅之)に視点が集中していないため、ラストに感動を呼ばない。
また、主人公の妻(高野由美)の出番が多い割に、ここにはスターを使っておらず、なおさら主人公が浮き上がらない。
人間心理を描くのが群像劇なのだから、川島雄三にはあまり向いていない素材だったのではないかと思った。 -
ぼや〜としている。
大人の恋愛ドラマなんだろうけど、
主人公っていうか、イマイチ話の核が薄い。
眠くなる感じではないけど、
設定も悪くもないと思うけど、
何だ、このつまらなさは?