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- / ISBN・EAN: 4580120518143
感想・レビュー・書評
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スピルバーグの『ジュラシックパーク』、非常に有名な映画で、観てない人の方が少ないのではと思う。私が初めて観たのもだいぶ昔だけど、劇場ではなく少しあとになってテレビで観たような気がする。1993年、大ブームだったはずなのに、この映画に関する当時の記憶がまったくない……。
大人になってから、私の周囲には恐竜好きがけっこういて、福井の博物館まで行ったという方もいた。しかし私は恐竜好きではなく、子供の頃からそんなに惹かれず、よさがあまりわからない。だからこの映画もあまり興味がなかったのかも。
そんな私が、好きな恐竜を強いて挙げるとすればパラサウロロフス。あの頭の管みたいなの、なに?と。子供の頃の図鑑ではシュノーケル説だったが、今ではそう考えられていないらしい。
・原作者マイケルクライトン
映画で観てるのは『アンドロメダストレイン』『ウエストワールド』『ジュラシックパーク』1と2。『アンドロメダ』はテクノロジー小説の嚆矢で、パンデミックものの名作。これ以前の作品が小松左京の『復活の日』。
『ウエストワールド』はマイケルクライトン本人が監督した、テーマパークのディストピアもので、『ジュラシックパーク』と直接的につながっている。少し前にディズニーのドキュメンタリー番組を観たが、『ウエストワールド』ってディズニーランドに対する批判なのではないか?と思わされた。当時のディズニーランドってそういう批判もあったらしい。いかにもアメリカ的な、大量消費社会の権化が50年代の映画、テレビと、ディズニーランド。当時の時代背景としては『100分de名著』の『華氏451度』の回が非常に参考になったのでお薦め。
リチャードアッテンボロー演じる財団のおじいちゃんの性格が、原作と映画で全く異なるのはそのへんが理由かと。マイケルクライトンは「権力や科学文明の暴走に警鐘を鳴らす作家」なので原作版は儲け主義で悪いやつ、映画版は良い人になっている。
・スピルバーグ監督
この映画はスピルバーグ汁が満載でとても良い。楳図かずおの『漂流教室』を読んでいる最中、たまたま放映されたのだが、楳図先生とスピルバーグってかなり共通点が多いなあと思う。どちらも「子供の気持ちを持ったまま大人になった人」である。
まず冒頭、いきなり恐竜に人が襲われる笑。以降も恐竜パニック映画、ホラー映画。観客を驚かせてやろう、ビビらせてやろうという悪趣味感満載。悪趣味描写に関しては2も良かったけど、1ももちろん良い(2は映画としては駄作!)。顔面にぶっかけられるシーン×2で大爆笑。
スピルバーグと言えばスピルバーグフェイス。スピ顔。アクション(対象物)ではなく、リアクション(観察者)の方を撮る。楳図先生の「ギャーッ!」と同じ。北野武もバイオレンス映画を撮る方法論として、まったく同じことを言っていた。その番組はリアクション芸人についてで、『お笑いウルトラクイズ』から、なぜリアクション芸人が面白いか?という内容。『ジュラシックパーク』もスピ顔満載で良い。
メインのストーリーは父子の話。スピルバーグ作品はずっとそう。しかし『未知との遭遇』や『E.T.』が父子の断絶や父親の代替物を描いていたのに対して、『ジュラシックパーク』は「父親になる覚悟をする」話。この変化はとても大きいし、感動する。『宇宙戦争』の父娘につながる流れ。
さらにスピルバーグ演出の共通点、「デカいものが迫ってくる」。『激突!』のトラック、『ジョーズ』の巨大鮫、『ジュラシックパーク』のTレックス、『プライベートライアン』のティーガーI……。Tレックスとティーガーは観客に姿を見せる前に、音や振動でビビらす。ジョーズもジョンウィリアムズのあの音楽でビビらす。
序盤、主人公たちがテーマパークに案内されて、解説のアニメを観るシーン。ユニバーサルスタジオじゃねえか!!あと『1941』のダンボのシーンじゃねえか!!と思った。スピルバーグはユニバーサルスタジオに潜り込んでた。
逃げ惑って、恐竜たちに襲われるシーンはゲームの『バイオハザード』にかなり影響を与えていると思う。まあ当時のアクションゲーム開発者で『ジュラシックパーク』を観てない人はいないとは思うけど。『バイオハザード』には『ジョーズ』のオマージュ(というか全く同じ)シーンがある。
クライマックスのシーン、これはスクリューボールコメディの『赤ちゃん教育』が元ネタじゃないかなと、今回観て思った。
・フィルティペット&スタンウィンストン&デニスミューレン
最高!!
90年代にCGが本格的に導入されて、大ヒットしたのが『ターミネーター2』と『ジュラシックパーク』だけど、その流れ。スタンウィンストンと言えばターミネーター、フィルティペットと言えばスターウォーズやロボコップ。この映画はCGだけではなく、スタンウィンストンのアニマトロニクス(実物のロボットみたいなやつ)が良いのだ。サムニール演じる主人公の博士がハイテク嫌いな点とも通じる。
フィルティペットは元々恐竜マニアで、1985年に恐竜のストップモーション(コマ撮り)作品を監督してたらしい。『ジュラシックパーク』の完成度を高めた功労者。
・全体的に、一本の映画としては早撮りスピルバーグなので雑な点もあるが、それでも名作、良い映画だと思う。実写部分を撮ったあと、スピルバーグはさっさとポーランドに飛んで『シンドラーのリスト』の撮影を開始して、残りの統括はジョージルーカスがやったというのも面白い(ILM=ルーカス)。
・脇役に、『パルプフィクション』出演前年のサミュエルLジャクソン。ヘビースモーカーというよりチェーンスモーカー?の設定で、めっちゃタバコ吸う。タバコ吸いすぎやろ!!と思った笑。 -
めちゃ面白いから!
学者がトイレでぱっくんされるとこなんか、最高の喜劇シーンだから。
ジュラシックパークで恐竜へのリスペクトが生まれた。ロストワールドの方がドキドキしちゃう。
子どもの頃ジョーズみて、興奮すると同時に海に入ることが怖くなり、ジュラシックパークに出会って続篇見るうちに、海へび怖いって思って、さらに海入るの怖いってなるという。
私が海に入れないのは、サメと海へびが怖いから。その原因はスピルバーグ作品のせいだったのだと、
大人になって自覚した。 -
90年代のCGがどれだけ子供に夢を与えたか。その金字塔的作品。
恐竜たちの「呼吸」…ドキドキしてしまう。今でもドキドキしてしまう!
ラプターやT-REXのアクションシーンなぞ、むしろ、今の方がドキドキするわい。凄いよ、スピルバーグ。世界一だ、あんたが。
白昼にプラチオサウルスが現われるシーン……「人間はなんでもできる」と思わせてくれる。涙すら出るわい。
映画は夢なのだ。 -
現代によみがえった恐竜と人間たちの戦いを、当時最先端のリアルなCG映像で描き、世界的ヒットを記録した。
生物学者グラントと恋人の古代植物学者サトラーは、大富豪ハモンドがコスタリカ沖の孤島に建設した施設に招待される。
そこは、最新テクノロジーによってクローン再生された恐竜たちが生息する究極のテーマパークだった。
グラントたちは同じく招待された数学者マルコムやハモンドの孫である2人の子どもたち(ティムとレックス)と一緒に、コンピュータ制御された車に乗り込んで島内ツアーに出発。
しかし思わぬトラブルが続発し、檻から解き放たれた恐竜たちが彼らに襲いかかる。
「ここに並べたてられている自然への謙虚さの欠如には……めまいがするよ」
「遺伝子ってのは、この地球上で、最も驚異的な存在であるはずだ。それなのに、あんたらはまるでおもちゃのように、その力を振り回してる」
「できるかどうかってことに心を奪われて、すべきかどうかは考えなかった」
「恐竜たちは、自然界の摂理によって滅びたんだ」
「神は恐竜を滅ぼして、かわりに人間をつくった。だが人間は、神を滅ぼし、恐竜をつくった」
「ティラノサウルスが、人間の決めたパターンやスケジュールに従うもんか」
グラント氏、マルコム氏のこれらのことばは、行きすぎた科学技術への警鐘である。
「3頭のうち1頭は、そこに閉じ込められているのか?」「えぇ、ドアを開けたりできなければね」
って、ドア開けて入ってくるんかい!
そこからの、厨房での子どもたちとの攻防にハラハラドキドキ!
知能をもったラプトルたちに取り囲まれ、万事休すか―。
T-REXの迫力のCG映像、アクションと、アドベンチャーと、ロマン。まさに恐竜映画の金字塔! -
エイリアンや恐竜など、未知の生命をコントロールできるなんて人間のエゴであるというのを、娯楽作品であると同時に表現した作品。当時の最新技術を駆使した恐竜の映像もリアルで、本当にいるかのよう。