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- / ISBN・EAN: 4910164970360
感想・レビュー・書評
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表紙写真はby広河隆一(2015年12月12日、福島県大熊町)。Aさんのインタビューを読むと、帰宅困難者の苦悩が伝わる。
福島県富岡町、楢葉町、大熊町の除染等で出来たあまりにも広大な廃棄物のコンフレバッグ(黒い袋)の置き場所の写真もあった。それが集まると、ちょっとした小さな小山になる。そうなると、緑色の防水シートを被せることになっている。ひとつひとつの山は、ちょうど方形墓に見える。それが一ヶ所50も、100も並ぶ異様な光景(航空写真)。後世の歴史学者は、何時になったらここを発掘調査するのだろうか。
今号は、広河隆一氏の写真の割合がとても多い。非常に精力的に原発取材をしている。チェルノブイリでは、当時20代30代だった被災者が、あれから30年経って60代の若さで次々と亡くなっている。なんという残酷な時限爆弾なのだろう。子供の早く症状が出る時限爆弾も残酷だが、大人の既に補償責任を問いようもない時限爆弾も残酷だ。残酷だし、それに日本の未来だ。
原発再稼働を進める安倍に対して、物申す企画が始まった。
●短期集中連載(1)安倍政権に命の舵は渡さない!
文/森達也(ドキュメンタリー映画監督、作家)、上野千鶴子(社会学者)
多くの人は言う。どうせ投票しても何も変わらないと。でも次の選挙は、変えるためではなく変えないことを選択する選挙なのだ。どうせ何も変わらないと棄権するのなら(もしくは周囲に同調するのなら)この国はさらに速度をあげながら、個よりも全体を優先する集団へと大きく転回することになる。(50p森達也)
そうなのだ。今度こそは「どうせ」という言い訳で、棄権することは許されない。
●コラム「OUTLOOK」
1月の首長選の結果から次の参院選を考える
文/斎藤美奈子
斎藤さんのコラムはさらに悲観的だった。沖縄宜野湾市長選、岩国市長選、八王子市長選でいずれも大差で負けている。
二つほどの理由をあげて、斎藤さんは「現在、野党が勝つ条件が熟しているとはいいがたい」という。「とか書くと、希望のないことをいうなと叱られるよね。だけど私はいまは希望なんか持つなといいたい。むしろ絶望を噛みしめるのが先。」
彼女は参院選で負けたあとも考え始めている。こういう知識人がいると言うことだけでも、私たちは今を頑張れる。頑張らななければならない。今がいくら絶望的でも、それを打開するのは、やはり民衆の運動の中にしかあり得ない。と私は思う。評論家のように、民主党の損得とか、共産党の損得などを考える暇はない。私たちの未来の問題なのである。
2016年2月23日読了
No objection!
无异议 ! Wú yìyì
aucune objecti...
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