ロード・オブ・ウォー [DVD]

監督 : アンドリュー・ニコル 
出演 : ニコラス・ケイジ  イーサン・ホーク  ジャレッド・レト  ブリジット・モイナハン  イアン・ホルム 
  • 日活
3.52
  • (40)
  • (103)
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  • (26)
  • (2)
本棚登録 : 502
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988103631184

感想・レビュー・書評

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  • ストーリー
    ウクライナから移民としてアメリカへ渡り、武器の密輸商人となったユーリーがたどる衝撃の運命。ユーリーのキャラクター像や、エピソードの数々は、実在の武器商人の証言を基に作られている。ソ連の崩壊により、余った武器を、アフリカの独裁国家などに横流しするユーリーを、インターポールの刑事ジャックが追跡。そこに、ユーリーの妻や弟との悲痛なドラマが絡んでいく。
    危険な顧客を相手にした、ユーリーの臨機応変の対応が見もので、ニコラス・ケイジが、本心を表情に出さないユーリーにハマリ役。「リベリア」といった実際の国名や「ビン・ラディン」、さらにはアメリカ大統領の責任にも言及するなど、あまりにも現実的な要素やセリフに、観ているこちらが「ここまで描いていいのか?」と心配になるほどだ。世界に存在する銃の数なども、恐ろしい現実を伝える。ただ、映画作品として、全体にサスペンスなのか、人間ドラマなのか、はたまたブラックコメディなのかが曖昧。ジャンルを特定させない不可解さも、アンドリュー・ニコル監督の作風なのだが。(斉藤博昭)

  • 作中名言「人生にとっての不幸は2つある。欲しいものが手に入らないこと。そして、手に入ることだ。」

    すごく良い映画でした。知識量も増えるし、人間性のドラマもある。語り手も親切で分かり易い。ノンフィクションでリアリティーがあり、社会性がもろに伝わる。
    話は武器の密輸を生業とするディーラーのニコラスケイジが様々な国に武器を密輸する話。

    「ただ、密輸するだけ。」

    ここの真理が深い。

    戦わないことが行き伸びるすべてであり、武器商人の立場だけが金を儲けるシステム。
    これが社会すべてのことに共通し、この矛盾しあう情勢を切に描いている。国に対して、国連に対して、戦争に対して、人に対して、ここまで痛いところをほじくるかという、衝撃力のある作品。

  • 実在した死の商人に基づき作られた、武器商人の話。
    凄く面白かった。
    インターポール捜査官のジャックと、商人ユーリーの会話に見るアメリカの銃社会に対する批判が痛々しい。
    右手に聖書、左手に銃。そんな矛盾がいつまでも許されていいはずがないのだ。

  • リベリア共和国は、アメリカから奴隷解放された黒人が作った国だと知った。

    武器商人が悪い、というのは問題の本質を見ていないという話。たしかにニーズがあれば、商売として成り立てば、誰かがやるのが資本主義だ。

    殺し合いにしか使えない武器を商材とすることは、まっとうなビジネスとは言えないけれども、それを必要悪として認めているのが現在の先進国である。

  • 観たことあった。赤ちゃんの前で飛行機が止まるところ。飛行機が身ぐるみ剥がされるところ。弟が狂うところの記憶があった。

    ウクライナはソ連の武器庫だったんだと改めて認識。

    武器に群がって権力とお金と政治が動いていて、ハイエナみた。

    逆に贅沢させてもらっていた妻の正義感が薄く感じた。ニコラスケイジが得意な事をしているだけ、合法、と淡々としているからなのか??謎。

  • 主人公にいっさい感情移入できないけれど、一度闇に足を踏み入れたら戻れない世界の描写には引き込まれました。裏稼業専用の倉庫のロック番号が子供の誕生日というのはさすがに引きましたが…

  • 史上最大の武器商人と呼ばれた男の半生をニコラス・ケイジが演じる風刺アクション。ウクライナで生まれて家族といっしょにアメリカに渡ったユーリーは、やがて武器の売買に目をつけ、世界有数の武器商人に成り上がっていくが。監督は「ガタカ」「シモーヌ」のアンドリュー・ニコル。ユーリーの逮捕を狙うインターポールの刑事役でイーサン・ホーク、ユーリーが仕事に引き入れる弟役でジャレッド・レト、ベテラン武器商人役でイアン・ホルムらが共演。
    原題:Lord of War
    (2005年)

  • 2005年 122分
    監督・脚本 アンドリュー・ニコル

    武器商人・死の商人の話。
    ノンフィクションに基づくフィクションの形。

    NOTE記録
    https://note.com/nabechoo/n/n6339f4f87b4c?magazine_key=m5dc4f732487e

    こういう話って、意外と表立って出てこない類のモノ?なのかどーか知らんけども、以前ふと鑑賞した時は、思いのほか新鮮で、考えさせられる内容で印象深い。「核兵器の死者より銃での死者のほうが多い」(よくよく思えば、あたりまえか…)日本だと、やはり縁遠い感じがするけども、銃になじみある国というのは案外多いんだろうな。
    こうやって、紛争地帯に武器が渡っていくのか。儲かるんだろうな。殺し、殺され。子供たちまで武装したり。争いは尽きないし。命がけっぽいけども。この映画の主人公は、そこに天性の才能があってしまったという、悲劇的な面も感じる。あの弟の最後の反応がまともな人間のものだと思う。
    こんなことまでして儲けたいのか。お金の魔力。経済至上主義の弊害。一個人でこれだから、国レベルとなればそれはそれは凄まじそう。国際的にも、こういう問題ってどんな扱いなんだろ。必要悪みたいなもんなのか?暗黙の了解的にスルーされてたり? 先進国から途上国へ。その利益は、巡り巡って、自分たちも恩恵を受けてたりするのかしら。他国の争いにつけこんで、儲けて、自分たちは安全で豊かな生活を享受している、そんな現実なのか。よく分かりませんが。

    争いを望むものの存在。

    「最大の武器供給者である米英露仏中の5か国は、
    国連安保理の常任理事国でもある」
    というインパクトのあるメッセージで締めくくられる。

    平和が果てしなく遠くに感じる。

  • 武器商人。
    仲介者ゆえに真の悪ではないが、その真の悪を後景に印象付けることに成功している本作は、余りにも見事な風刺映画と言って過言ではないはず。

    イーサン・ホーク演じる捜査官の「大量破壊兵器。それは核兵器ではない。AK47(自動小銃)こそ真の大量破壊兵器なのだ」という主旨のセリフに含蓄満載。

  • ニコラス・ケイジ主演の2005年映画。
    最後の武器取引に更正した弟を巻き込むなよ。いや、家族のためにも取引自体を再開すべきではなかった。武器商人が必要悪・・この世界の不条理に愕然とする。
    映画ラストの、「国連の常任理事国それぞれは武器商人より国家主導でより大きな武器輸出を行っている」というナレーションが哀しい現実に気づかせる。

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