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- / ISBN・EAN: 4988104034816
感想・レビュー・書評
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多民族国家ゆえの人種差別、心のぶつかり合いを描いている作品。
人間の本能ともいうべき攻撃性、それは誰の心の中にもあり考えさせられた。
雪の降るシーンは浄化を思わせる。
透明マント欲しいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間ーーーー!
人間の心ーーーーー!
人間の心の複雑さをあらゆるクラッシュを通して描いた素晴らしい映画だった
この人はこんな人間ってのは決まってないし、イライラしてたら人間何をするかわからないし、その日の気分によってはどんな行動をするかわからない
男女とか白黒とか善悪とかにわけて判断することがいかに意味がないか、うまく表現されてる
いいもの観た -
どのような場所で、
どのような肌の色で生れ落ちるかは、
誰一人として選べないのに、
どうして人生はこうも過酷なのか。
深い哀しみと、どうにもならない閉塞に、
苛立ち、もがき、
そして許しあいながら、
それぞれの命が少しずつ、しかし重大に絡み合っていく。
善人と悪人の区別がつかない。 -
本当にすごい映画だった。何もかもうまく書かれていて。
特に主人公はいないんだけど、全ての登場人物が複雑に、でもすごーくうまく繋がっているの。
舞台はサンフランシスコで、全体を通して人種差別や黒人の立場の低さ、銃社会のこと、警察内のこと、家族とか夫婦のこと、子供の純粋さまで本当にうまく描かれてて、よく作られた映画だなぁって思った。
アカデミー賞の作品賞、脚本賞、編集賞取った映画なんだけど、全部納得できる。脚本書いた人も編集した人も、どんだけ頭いいんだーって感心しちゃう。
いい映画ってゆうより、すごい映画!!って感じ。
もう一回見てみようと思います。 -
これ、観た事ある映画やった。
普通、観た事は覚えていても
内容はすっかり忘れてるって事はある。
でもね、観たこと自体覚えてないって
あんまり無い事なんだよね。
それだけ記憶に残らない映画って事か?
でもね、良い映画ではあるんだよ。
面白いとは表現できないけど
なんていうかな、考えさせられる映画?
そう言うべきかな。
人間なんて複雑で
人生なんて紙一重で変わる。
そんなことは分かってる。
こんなん見せられなくても
分かってるよ…って
そんな気持ちもあるんだよね。
良い映画なんだろうけど。 -
見ごたえのある映画でした。
胸に突き刺さるモチーフに
重厚なストーリーをまとった群像劇。
ポール・ハギスの正に納得のアカデミー作品賞受賞の傑作。
アメリカに存在する深い深い差別の問題がベースに描かれている。
本作は「差別はいけません」とだけ言いたいのではなく
その根っこにある人間の未熟さとも言うべき
未知の存在への過剰な『不信感』や『警戒心』が生み出す禍を描いている。
白人へ、黒人へ、アジア人へ、メキシコ人へ、中東・・・
しかし、問題は人種の差だけではない。
夫へ、妻へ、同僚へ、上司へ、父へ、息子へ・・・
そこに運命のいたずらも加味されれば・・・
混迷の度合いはさらに深まる・・・
当てるべきフォーカスは人種差別だけではなく
目を向ける対立構図は他にもある。
本質を見誤らないように多角的に描かれている。
知らない他者を警戒するのは必要だが
理解しようとする努力を怠り、ただ敵として排除すること
この自己防衛的行動心理の強烈な副作用のようなものが
深刻な問題を生み出しているのだと言っているように思いました。
他者への過剰な不信感や警戒心に端を発する差別の問題が
こんなにもあからさまに日常の生活に影を落としているのかと
世界一安全とも言われる日本の日常を享受している身として
何度も何度も胸に棘が突き刺さった。
この映画には憎む側、憎まれる側、双方の視点があり
誤解や無知が暴力を生み、不安を更に煽る。
結果として意図しないの憎しみのスパイラルが渦を巻く…
複雑怪奇な縦糸と横糸が絡み合った人間の営みの世界が見られました。
大好きな群像劇にP.T.アンダーソン監督の「マグノリア」
ロバート・アルトマン監督「ショートカット」がありますがそれに
勝るとも劣らない素晴らしい作品に出会えました。 -
クソッタレな人間ばかりで胸糞悪くなるけれど、これが人間なんだよな。悪態をつく裏には消せない思いが滲み出てる。
思わず胸が詰まってしまうシーン、余韻が残るBGM、根底に流れる人種問題。とてもおもしろかった。良質な群像劇だった。 -
「サタ☆シネ」にて。群像劇は苦手なんですが、これはよかったです。さすがはアカデミー賞受賞作品(賛否両論あったみたいですが)
リベラリズムとかポリティカル・コレクトネスとかいっても、アメリカ社会にはやはり人種差別が抜きがたくはびこっている。そんなシビアな現実を描いているのですが、本作が興味深いのは、矛盾を抱えた多面的な存在として人間を描いているところなんですね。黒人差別主義者だがまっとうな職業倫理と正義感を持つマット・ディロン、そんな彼を嫌悪しながら黒人を射殺してしまうライアン・フィリップ、人種差別にも良識的に対応しつつ最後には逆ギレしてしまうテレンス・ハワード。常に他責的な態度でまわりに毒づいているがケガをして助けられることで何かに気づくサンドラ・ブロック。差別を受けた被害者意識から差別する側になってしまう雑貨屋のペルシャ人・・・。
唯一誠実な人間として描かれるのがヒスパニックの錠前屋(「ワールド・トレード・センター」のマイケル・ペーニャ!)。そんな彼の家族に起こる「奇跡」。このシーンには息がつまりましたね。個人的にはこのエピソードを物語のクライマックスに置いたら大感動したんじゃないかと(安っぽいかな?) まぁそんなこともあり、この多すぎる登場人物をまとめきれなかったのは本作の唯一の不満かな。
それとやはり考えてしまうので銃の問題。人々が銃を持っているから哀しい事件が起きるわけ。銃さえなければ、ね。 -
どんな闇の中にも光はある。
暗闇の中で手探りで探しても、ただじっと待っていても光は見つからない。
本気でぶつかり合って、火花が散って、はじめてそこに光は生まれる。
人種、言葉、職業、様々な偏見という壁に阻まれて、それでも懸命に生きようとする人々が起こす小さな奇跡に心を打たれます。
無関係に思えた人たちが意外な形で結びついていくラストは見事。
とてもよくできた映画です。是非。