トゥルーマン・ショー(通常版) [DVD]

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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113756488

感想・レビュー・書評

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  •  アメリカのコメディ映画に若干苦手意識があるんですが『LIFE!』を観たらけっこう面白かったので、ベン・スティラーとかジム・キャリーとかキャメロン・ディアスとか観ようかな、と。
     ’98~9年前後ってあんまり映画を観てなかったようで、『トゥルーマンショー』も『メリーに首ったけ』も観たことなかったです。20年前、『マスク』と『バットマンフォーエバー』は劇場で観たんですがそこで終わってました。よく考えたら『マスク』ってジム・キャリー&キャメロン・ディアスでしたよね。

     というわけで先入観なしで観たところ、コメディじゃなくてSFでしたねこれ・・・『トータル・リコール』とかディック作品っぽいなあと思ってたら、ディックの『時は乱れて』に影響されてるんだとか。社会全体じゃなくて個人が管理されてるという、管理社会ものSFの変形でした。
     脚本がアンドリュー・ニコルで、この人は『ガタカ』とかメタファーを多用する人ですが、この作品は母胎から出るっていうお話。
     映画としてすごく良いなあと思ったのは、映像で語ってる点。予告編やあらすじを知ってから本編を観るとどういう話かわかるけど、冒頭から一切説明がなく、中盤にようやく解説されます。『ハンガー・ゲーム』なんかも似たような話ですけど、爪の垢を煎じて飲ませてやりたいぐらいです。

  • 面白かった〜。
    面白いと聞いていたけど、もっと早く観れば良かった。

    クライマックスの場面は「天冥の標」のブラックチャンバーとかテッドちゃんの「バビロンの塔」の話を思い出してSF…!と思ってしまいました。

    妻がちょいちょい挟むコマーシャルに笑ってしまう。

    なんの説明もなしに始まるオープニングとすぱっと未練なく終わるラストシーンが素晴らしい。
    特に、二人組の警備員(?)の去り方。

    いろいろ含意するものが多そうな作品だった。

  • 劇場公開以来久々の視聴。この奇抜な設定はいま見ても十分に新鮮。その奇抜な物語を支える細部の作り込みに余念がないところもまた素晴らしい。

    最初みたときは、この映画はメディアの過剰な演出と扇情を皮肉った作品だと思ったんですよ(だって「騙されている男の姿を観て世界中が面白がっている」なんて構図はとても悪趣味ですし)。もちろんそういう映画なんですが、今回改めて思ったのは、これって「1984」なんですよね。つまり、統制化された監視社会から主人公が脱走する物語なのです。トゥルーマンを野次馬的に見ていた視聴者が、自由を獲得したトゥルーマンについに喝采の声を上げるラストシーンは印象的で、大衆は体制に従わずに反逆者にコミットしたわけです。ディストピアSF(?)にはあるまじき希望溢れるエンディングだったと思います。

    傑作。

  • 「一番好きな映画」です。
    が、正直この映画の何がそんなに自分の胸を打ち続けているのかよく分かりません。
    とにかく、トゥルーマンが嵐に立ち向かうシーンでは、「これ、そんなに泣くシーンか?」と思いつつ鼻水まで流して、EXITに進んだら加えて全力でガッツポーズ。これが毎回。
    もっと他に壮大/感動的/切ない/雄々しい映画はあると思うのですが。
    もちろん設定は面白いし、ジム・キャリーは大好きですし、セリフ回しに見られるユーモアも好みです。
    いや、どうなんでしょうね。最高なんですが、やっぱりよく分かりません。
    「合う」ということはもう理屈じゃありませんしね。
    この映画が一番好きです。

  • 98年にこの斬新かつ壮大なスケールの設定がまず素晴らしい。
    トゥルーマンによるラストも衝撃的でものすごく見応えがある。結論づけられた筋書きどおりの人生を歩むことの不気味さやリアルバラエティ番組に対する懐疑心があらわになった。

    だが、私が1番心に残ったのはテレビマンとしてのクリストフのプロフェッショナルな想いである。
    自分の人生を掛け、何十年もトゥルーマンを見守り続けて培った親心とひとつの作品のコマとしてトゥルーマンを見なす無情な様子が相入れているとも受け取れる表情に息を飲むものがあった。

    また、プロダクトプレイスメントの先駆けを映画の中の作品内で取り組んでいるのもとても面白い。さすがハリウッド!絶対私がトゥルーマンショーの視聴者なら買っちゃうもん。

    またこれは他のレビューで読み、ラストのシーンを理解したので記載しておく。
    ラストの視聴者のすぐにピザを片手にチャンネルを回すシーンでは1人の生身の人生がフィクションで作られたエンタメとして消費されていることへの狂気が現れている。

    エンタメでもあり、SFでもあり、ホラーでもある何度も見たくなる作品である。 

  • めちゃくちゃ面白い作品。
    視聴者達が非常に良い味を出している。

    ジムキャリーによって薄められてるけど、これってサイコホラーだぞ。中学生くらいのときに観てしまっていたら「自分も見られているのでは」という妄念に囚われていたに違いない。
    ミザリーとかに近いものがある。

  • 2019年11月16日鑑賞。TVセットの中で生まれ放映され続けていることを知らずに生きる男トゥルーマンはいつしか周囲に疑惑を抱き…。ずっと観たかった作品をやっとAmazonプライムにて鑑賞。設定だけですでに魅力的な映画、主役がただの善人顔の俳優でなくてジム・キャリーというあたり、滑稽さにより逆に彼の悲しみが引き立つナイス配役だと思う。トゥルーマンが劇中で抱く懸念は自分自身も「もしかしたら…」と感じるものであり、またいかにその裏側を暴いた気になっても・逆に全く問題ないことを示されたとしても、「妄想なのか?現実なのか?」を完全に証明することはできない、ということは実は空恐ろしいことだよなあ…。自分の人生だって結局、自分という登場人物の生きる映画を自分という観客に見せているだけ、とも言えるもんなあ。

  • テレビ局とスポンサーによって作られた世界で、それを知らずに暮らすある一人の人間の一生を全世界が視聴する。それが長寿番組「トゥルーマンショー」だ。

    テレビとは仮想現実がもたらす娯楽だが、すべてが非現実では視聴者は物足りない。何らかのリアリティが必要だ。そして、主人公トゥルーマンが作り出される。ディレクターの狙いは見事に当たり、番組「トゥルーマンショー」は大人気、スポンサーもご満足。

    しかし、ラストのトゥルーマンの選択した行動に対して、視聴者は歓声、ディレクターは失望。このギャップこそが現代のテレビ離れの原因の一つなんだろう。本作品の公開は1998年。それから、テレビ業界は進化したのだろうか。

  • 原題:THE TRUMAN SHOW (1998年) ※日本公開 同年
    収録時間:103分

    ストーリー概要を見て、斬新だなぁと思って鑑賞。
    見始めて途中までは、思ったより退屈だし世界観に入り込めなくて観るの止めようかなぁとも思った。
    でも途中から面白くなってきた。
    コメディとあるけど、あんまりコメディっぽくない。
    ラストの展開で救いがあったから良かったものの、主人公めっちゃ可哀想と思いながら観てた。
    もし自分が、この国自体がこんな風だったらと考えるとゾッとするし。
    天災も何もかも人為的に起こされたもので、それを他世界の人達が見ていたら…と思うと怖すぎでしょ。


    “トゥルーマンは保険会社の平凡なセールスマン。しかし彼は自分の生活が少し変だと思い始めた。もし自分の人生が、実は“演出された作りもの”だったら…? 鬼才ピーター・ウェアー監督のもと、才人ジム・キャリーが絶妙な名演技を見せて絶賛されたヒューマン・コメディの傑作。”

  • 保険会社に勤める青年・トゥルーマンは、離島で母や妻たちと一緒に平和に暮らしていた。父はトゥルーマンが幼い頃にヨットの事故で亡くなった。同乗していた彼は水がトラウマになり、島から外へ出ることができなくなってしまう。しかし、彼は学生時代に出会ったシルヴィアのことが忘れられず、彼女がいるというフィジーへ行くことを夢見ていた。

    だが、彼がフィジーへ向かうことは不可能だ。なぜなら、トゥルーマンは生まれた時からこの島での暮らしを全世界に24時間中継されていた。リアリティ番組「トゥルーマン・ショー」の主役であり、この島が作りものだと知らない唯一の人間だったからだ。妻・メリルも親友・マーロンも役者だった。でも、ある意味では彼はここに暮らしている限り、安全だけは保障されているという皮肉。そんな彼が番組の綻びを見つけて、事態は急変していく。

    ジム・キャリー好きでずいぶん前に観たのを、改めて視聴。当時はトゥルーマンの大いなる勇気とささやかな一歩に感動した記憶がある。今回受けた印象は「もしかしてこれってヒューマンドラマかつディストピアSFでは?!」ということ。生まれた時から自由を奪われたトゥルーマン。生まれた瞬間から24時間、衆人環視の中で人生を送る「作られた理想郷」。妻の不自然な笑顔やねじ込んでくるスポンサーの宣伝、心を開いている親友が世界を閉ざしてくるという悲劇、からくりを知るほどにそれは恐怖でしかない。誰一人として相談してはいけない中で、トゥルーマンが行動を起こしていく知恵と勇気はやはり素晴らしい。

    トゥルーマンの脱出を阻止しようとする番組プロデューサー・クリストフ。彼の無理やりなやり方を止めようと「世界中が見てる前で彼を死なせるのか?」と声をかけた答えが「生まれた時と同じだ」というのは戦慄した。これは完全に殺人でしかない。さらに、これまでその非人道性を見ないフリしてきた視聴者が、手のひらを返して脱出を応援するシーンもなかなか複雑な思いで観てた。このあたりは直接的な形ではないとはいえ、昨今のリアリティショーで起きている諸問題にも通じるなと。モヤついた心境の中で見た、最後のワンシーン。ユーモアと皮肉たっぷりに一歩を踏み出すトゥルーマンの姿が爽やかで、清々しく観終わった。昔はここで終わり?!って思ったもんだけど、トゥルーマン・ショーの終わりだからこれでいいんだよね。

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