SAYURI [DVD]

監督 : ロブ・マーシャル 
出演 : チャン・ツィイー  渡辺謙  ミシェル・ヨー  役所広司  桃井かおり  工藤夕貴  コン・リー  大後寿々花 
  • ポニーキャニオン
3.28
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感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013126640

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な日本の国に 迷い込んだような・・・・。
    景色が日本じゃないけど 心が日本であるような・・・。

    和服の着方がねぇ・・・
    和服での歩き方がねぇ・・・
    すそ捌きがねぇ。
    チャン・ツィイー(章子怡)が足を傷つけた時に 
    大きな口をあけていたがったり・・・・
    日本舞踊が・・・扇子の使い方が曲芸的で・・・
    おどりの腰と足の使い方が違うよ・・・
    中華街に 花町があるのかと思わせたり・・・
    と 突込みどころ満載で・・・
    そういうものが 積み重なっていくと 不思議な空間が生まれる。
    次第に それもありかと 思ってしまう。

    私の好きな女優 鞏俐 が やはりピカイチ。
    いいなぁ。
    ちょっと 違う鞏俐の顔が見れただけでも
    幸せな気分。 
    なんて 高慢で はすっぽいオンナを演じるのだ。

    それに劣らず・・・桃井かおり。
    やりますねぇ。怪優の一歩手前で踏みとどまっている。
    その危うさが・・・いい塩梅。
    英語ではなすテンポと間合いがとてもいい。
    鞏俐 と互角な 闘いを 見せる。
    桃井かおりって こんなにできる役者だったのか
    感心しました・・・
    ウエスタンスキヤキジャンゴでも いい感じだったけど
    今回は さらに パワーアップ。

    使い走りから 半玉 そして 水揚げ 芸者への道は
    厳しいのだ・・・。
    日本に サユリ をできる女優が居ないのか?
    とくやしがってしまう。
    最後の日本庭園のシーンの 
    チャン・ツィイーのうなじには 惚れました。

    芸者には自分の人生はない。
    という 言葉 が悲しい。
    ちょっと・・・説明が多すぎるのも 玉にキズ。

    役所広司、渡辺謙、工藤夕貴 が熱演。
    映画は ガラパコスではない・・・と思った。

    外国人から日本をみれば 
    フジヤマ、ゲイシャ、サムライ、スモウ、キモノ
    というのが 日本の文化の特徴なのだろう。
    それを ゲイシャ サユリ のゲイシャになっていく姿を
    しっかりと見据えている ところに 
    この作品のよさがある。
    日本人では 描きいれない部分が 表現された。

    おねえさん、おかあさん、
    オキヤ、ダンナ、オビ、ミズアゲ、スモウなど・・・・
    日本語のまま使ったことも 意味あることだ。
    英語に訳さないで 英語圏のヒトに広めていく言葉だ。

    ミズアゲ がどこまで理解されているのか 
    興味深い。
    商人が船から 商品をとりだして 初めて売るのが ミズアゲ。
    未通女(おとめ)が 未通揚げ(みずあげ)。
    英語に訳すなら  landing とか unloading になるのだろうか。

    珍しく もう一度見てみたい と思って
    DVDを取り出し、再度見てみた。

    ここが違うよ と日本人の眼で見るのではなくて
    違ってもいいから 映画を 素直に観てみたい
    と思った・・・・

    ロブとジョンの会話が日本語の字幕で出る。
    ロブが 必死に 日本の文化そして ゲイシャとは何か
    を考えていることに 興味を持った。
    そして 本当のゲイシャが もうなくなってしまっている
    という嘆き が 日本人でないモノからいわれることが
    新鮮でもあった。

    ゲイシャと娼婦はちがう・・・・
    ゲイシャは 芸に秀でて 芸で客を喜ばすこと。
    「ゲイシャとは 動く芸術品である」
    ここでの 大きなテーマとなる。
    動いていることがすべて踊りのように振舞うゲイシャ。
    身体ですべて表現し、状況に応じて機転を利かせて
    その場で 相手を喜ばさせる。
    ゲイシャは 愛する人に愛しているといえない。
    それをいうと 一流のゲイシャになれない。

    初桃(鞏俐)は花街のトップのゲイシャであるが・・・
    一流のゲイシャではない。
    だから トップの後は 落ちてゆくしかない。
    オカボ(工藤夕貴)も ゲイシャの後は 娼婦に
    身を崩していくしかない。

    千代 そして サユリ(章子怡)は 水のように
    流れ・・・障害物があっても それにあたって・・・
    別の流れる場所を探していく・・・

    アメリカ人の見方から言うと・・・・
    娘二人を 貧しいからといって 売ってしまう
    ということが 理解できない という。
    姉は 15歳で 娼婦に 妹は 9歳で 置屋に。
    もうひとつ不思議なのが、
    女将さんが経営者をしていることのようだ。

    花街でトップのゲイシャといわれる初桃(鞏俐)は
    芸者のルールを守らず 若い男に恋をしてしまっている
    いくら置屋の経営が すべて初桃によって稼ぎ出されても
    自由の効かない運命の中にいる。

    初桃が 納屋で 若い男と いちゃついているところで
    千代からお母さん(桃井かおり)に そのことを告げられた時に
    お母さんに しかられるのであるが・・・
    雨が 降り続く中で・・・・
    鞏俐の見せた 怒り くやしさ 悲しみ 自由にならない身
    というのが すべて 鞏俐の顔の表情の中に 染み出してくる。
    ほんと。この瞬間のシーンは 最高である。

    そして サユリを 養女にするといった時に
    初桃は 怒りを 爆発させて・・・桃井かおりにせまる。
    その形相のすごいこと・・・怒りが凝縮する。

    サユリとケンカして ランプが落ちて 燃え上がり
    そして ランプを 次々に 壊していく・・・・
    その炎の中での 鞏俐の絶望的な表情。
    いやぁ。すげえよ・・・・。

    アジアの俳優たちだけで 映画が進む。
    鞏俐 章子怡 役所広司にしても 
    英語の映画は始めて。
    役所広司のイメージは アルパチーノであるという。
    工藤夕貴は 英語がうますぎて 
    日本語訛りを入れさせたという。
    演技をして 感情表現をする・・・・その上 英語で。
    役者魂を見る。

    位牌が出てきて日本人にはわかるが・・・
    そのほかの国の人にはわからないので・・・・手紙を読んだ
    という配慮もある。

    希望を見出せなかった一人の少女の
    ささやかな出会い・・・運命を大きく変えていく。
    そこでは ニンゲンの優しさに 初めてであった千代。
    会長(渡辺謙)のために・・・・芸者になろうとする希望。

    手伝いをしている 千代は 自尊心もなく
    自分の美しさについても気がつかない
    それを 豆葉が とことん教えていく・・・
    身体すべてを コントロールする・・・
    そして 心さえも。
    初桃は そういう 千代 そして サユリに 強く嫉妬する。

    雪の日に 三味線を練習するのであるが・・・・
    氷水の中に 指先を入れる。
    緊張して 指の感覚がなくなっても 弾くための訓練。
    焼炭で 眉を引く・・・・
    高枕の訓練に米を使う
    髪を整えるために ロウを使って固める・・・・
    そのために アタマの天辺の髪が薄くなる。
    娼婦は 首までしか 化粧をしない。
    半玉は半襟が赤い ゲイシャになると白襟になる。
    火打石で 送り出す・・・

    サユリ(章子怡)は 急激に 映画で言えば 
    短時間に 変身をしていく。
     
    日本人は タテマエで話す。本心を中々いわない。
    相手の気持ちが 自分の気持ちより大切なのだ。
    会長は 延さんへの 友人関係から
    千代・・・・サユリへの思いを語ることはできない。
    意思表示さえもできない・・・・

    愛する人にも 愛を告白できない
    そんな思いを おいらんの姿をして くろほしく踊るサユリ。

    サユリは 延さんに頼まれて・・・・
    ゲイシャに復帰するが・・・
    結局 オカボに 仕返しされて 会長への思いが断ち切られ
    希望を 失い・・大切に持っていたハンカチを
    崖の上から 海に投げ捨ててしまう・・・。

    自分の感情を捨て・・・・自分の希望も捨て・・・・
    空洞な ゲイシャの道を 生きていこうとするが・・・

    竹のマドや ガラス戸など 窓越しに 映像が映される・・・
    そして さまざまな水の流れが・・シーンとして挿入される。
    迷路のような花街道筋を あるいていく・・・・

    人生は 自分でもどうすることもできない・・・・
    それを自分の力で切り開こうとする・・・
    そして それは サユリだけの視点だけではなく
    違ったところから 人生が切り開かれる。

    愛を得るだけでなく 生きることの希望を 得るために・・・

  • どうせ日本人じゃないんでしょケッ。で観ず嫌いだったけど、チャン・ツイィーがあまりにも美しくて、話なんてどうでもよくなる。大後寿々花もかわゆー!
    ただ着物の着方だけは・・・右前って・・

  • あぁぁぁもぅ外国の監督が日本を描いたらこうなっちゃうんだから!!っていう作品。
    これを日本が作って欲しかったなぁーって思える。そしたら絶対星5個だ!!
    みんなが英語を話してるのがやっぱ一番の違和感。
    なのに「芸者」「お姐さん」とか日本語やし。
    だから余計おかしい!!って思える。
    この世界観やストーリーめちゃくちゃ好きやわー!やから残念。

    に、してもチャン・ツィイー綺麗やなぁー。
    でも初めての舞台であのイナバウワー的な踊りはありえない(笑)
    激しく間違ってる・・・・、チャン・ツィイーができる踊りを重視したからああなったのか???
    あとハンカチ捨てるためにどこの山のぼってるんだよ!!京都の祇園に海なんてないって!!どこまで行って捨てるんだか。まさに描写だけのためのシーンやね。

    だけどなかなか素敵!京都の祇園ってあんなごちゃごちゃした景色ちゃうし、やっぱ随所に違和感を感じずにはいられないけど。
    ストーリーは面白かった♪
    チャン・ツィイーと渡辺謙の恋にキュンってなったし♪♪

  • 女たちの駆け引きややり合いは面白かったけど、オチが普通すぎて拍子抜けしてそこで終わるの?感

  • すっごくキレーな映画だよ。

    なんか、俺は見終わって、癒されたような気分になってますた。んで、芸者さんに対してのリスペクトと自分のこれからの生き方を考える作品ともとらえられると思います。

  • 主演のチャン・ツィイーが演じる千代と千代の姉が幼い頃に京都の別々の置屋に売られる。一人前の芸者になるまでは、芸者養成学校に通いながら置屋で雑用をこなす。
    ある日、街中の橋で渡辺謙が演じる会長さんに、かき氷をご馳走になった。

    千代は「さゆり」という名前で人前に立つ。
    その頃、別の置屋で活動するようになり、幼い頃に橋で出会った会長さんの企業の相手をするようになる。

    女性どおしのイザコザや戦争などがあり話がどんどん展開をしていく。

    はっきりとしたコントラストが、雰囲気を出す映像に仕上がっている。
    英語の作品なので違和感がありました。

  • これを外人が作ったと思うと凄い。キャストも日本人じゃない人が多いし……。ただ日本人が日本語で作ればもっと風情や色のある作品になっただろうと思う。

  • 昔の日本の話のようだけど、色々変なところがあるので違う国の話として観てました。さゆりの片思いは、見てるだけで切なくなります。
    日本人の役は日本人が演じて欲しいけど、チャン・ツィーが可愛いので気にならなかったです。変な日本語混じりの英語はどうかと思いますが…。渡辺謙さんは日本が誇れる俳優だと思います。カッコイー!!

  • 映像は綺麗だったけどツッコミどころが多すぎる

  • 終始「海外から見た日本」という印象が強かった。
    映像はとても美しかったが、着物の着付け方が素人目でも汚く見えたし、所々日本語で話すところ、目が青いという設定を上手く使えてなかった。しかしそれを映像、音楽、演技でカバーしていたのでまあいいかなという感じ。
    途中バッドエンドで終わるか?と見せかけて最後の最後にハッピーエンドで終わったのが良かった。
    日本国内でリメイクしたらまた印象変わるかもしれない。

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