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- / ISBN・EAN: 4988104034502
感想・レビュー・書評
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役者の台詞として、戦意高揚の文言を語らせているわけですが、当時、観た人が、このセリフで奮い立ったかどうかは疑問。
ある意味、穏やかすぎる。
思ったほど、軍国主義的でない。
いや・・・、逆に、戦後に植えつけられたイメージの方に影響を受けすぎて、本当の戦時を知らないだけかも。
実際は、映画のように、静かに、穏やかに、敵国を憎み、自国を愛し、粛々として戦っていたのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦中の(それも末期)作品とはつゆ知らず、大河内傳次郎がチョイ役ででいるし借りてみるか…という理由で何気なく観ました。
雷撃が特攻を意味するとは観るまで気付きませんでしたよ…。
戦闘機とか詳しいかたには映像等興味深いのかもしれないのですが、そうでもない私にはどう見たらいいのか正直迷う映画です。
戦意高揚の意図はあるようなのですが、存外話は淡々と時にほのぼの(?)としているし、リアリティもないので何と言うか、ぽかんとしてしまいました。
ただ、最近の戦争映画にはついぞみかけない、和歌をたしなむような穏やかな軍人が、切迫したい状態なのにどこかのんびりと特攻精神を語るシーンはちょっと背筋がひんやりしました。
「日本人の真の姿、それが雷撃精神ではないだろうか。
国民のひとりひとりが日本民族の優秀性を自覚して雷撃精神になる。一億全部が君らのような雷撃屋になったら、それこそ本当に神の国なんだ」
こんなような台詞なのですが、ごく普通に、世間話のなかで良いこと言った的な感じで話されるので、なんとも奇妙な不思議な印象を受けました。
鬼気迫る勢いで言ってくれたほうがまだこちらとしては受け止めやすい気がします。
戦前の戦争映画をほかに見たことがないので何とも言えないのですが、奇妙なものを見た、というのが正直な感想です。 -
本作品は、『ハワイ・マレー沖海戦』『加藤隼戦闘隊』とともに航空映画三部作の一角を担う作品。空母瑞鶴から天山が発艦するシーンは必見。
『雷撃隊出動』が公開されたのは1944年11月であるが、その前月には既に特攻隊の出撃が行われている(ついでに言うと、映画公開時には空母瑞鶴も沈没した後であった)。
作品が作成された時期は戦局も悪化を辿る時期であり、そのせいかある種の玉砕思想のようなものが反映されている。
バリバリの戦意高揚映画というよりは、どことない物悲しさも感じられた。