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- / ISBN・EAN: 4562102156369
感想・レビュー・書評
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ようやくちゃんと鑑賞しました。すげえ面白い。
暴走族に偏見がある人・・・っていうかそれしょうがないんだけど(笑)・・・DQNがどうのこうのとか先入観がある人は観なくていいです。けど、全然違いますよ。映画史とか、映画と文化史は切っても切れないとちゃんとわかってる人、あるいはそういうのに興味がある人は絶対に観た方が良いと思う。簡単に観れますので。
今の我々が思う「暴走族」のイメージとは全然違います。'76年の映画ですが、まだこの頃はロケットカウル・三段シート・特攻服ではないです。映ってないだけかもしれないけど(笑)。バイクは普通のネイキッドに風防つけてるだけ。あと、服装が非常におしゃれ。ルードボーイ、ルーディ風というか・・・スリムパンツにカーディガンやセーター、スウィングトップ。
この頃も暴行や抗争事件はあったと思うんですが、それらが激しくなったり見た目が変わるのももうちょっとあと、'80年代ってことなのかなあ。
この映画が面白いのは、暴走・暴力行為に作品の重点が置かれてないところ。集団内の仲間関係について・・・ここが非常に面白いんです。
例えば部活とか、大学のサークル運営、自治とか。社会人の「一から手作り」のサークル活動でも、そういうのを経験したことがある人はわかると思う。(仕事とかお金が関わる集団だとダメです)
彼らは高校に行ってないんですが、走るのは趣味で・・・ほんとサークル活動でもあるし、受け皿でもあって。特に昔はやることがないし、学生運動も終わった後だしエネルギーの行き場がない。今だったらゲームもネットも、暇つぶしできるものが何でもあるんだけど・・・オタクとヤンキーは紙一重で、時代的にもそこらへんが分かれ目ですけどね。
それで、暴走族という集団に属してるんだけども、集団である以上は統率・統制がとれてないといけない。だから自治をしないといけないというのはどの集団でも同じ。自分目線で言うと、この映画は『桐島、部活やめるってよ』に近いところがある。
ドキュメンタリー(風?)だけど、青春映画で。『桐島』以外にも『さらば青春の光』『狂い咲きサンダーロード』、それから『ミーン・ストリート』。そこらへんは全部近いですよ。
勝手な推測ですけども、柳町監督のこの『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』→『十九歳の地図』って、スコセッシの『ミーン・ストリート』→『タクシードライバー』の関係と近しいのかもしれない。
あとこの映画、音楽もすごくいいです。モップスの『なむまいだあ』のところは『ああ爆弾』のようだし・・・。笑えるところもいっぱいあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示