ニュースの天才 [DVD]

監督 : ビリー・レイ 
出演 : ヘイデン・クリステンセン  ピーター・サースガード  クロエ・セヴィニー  ハンク・アザリア 
  • ハピネット
3.04
  • (11)
  • (54)
  • (136)
  • (50)
  • (8)
本棚登録 : 441
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953018747

感想・レビュー・書評

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  • 会社の同僚、上司。
    みんなから好かれていた主人公(記者)が嘘を書いたり言ったりしてしまう話。
    ひょんとした事でついてしまった小さな嘘が、どんどん大事になっていき、最終的には暴かれ始める。そして大騒ぎ。
    これは人生に残るような大きな嘘をついてしまい、心に傷が残った事がある人にとっては死にたくなる程胸が痛む作品。
    逆に考え、そんな嘘をついた事がないという人は、嘘を暴くシーンでは「やった!」等。喜びの感情が起こるでしょう。
    因みに私は前者でした。「ヤバい、しまった」とか思ってしまったから。
    ほんとに心が痛くなります、こういう作品は。
    誰かと一緒には観たくない映画だなぁ。笑

    こういう事が起こったら例え庇ってくれる人が沢山いたとしても、事実に気付いてしまった人が1人でもいたらそこに居続ける事は難しいものなのよ。
    だから主人公はクビになってよかったねって思う。私だったら自分から辞表を出す、きっと。
    レビューでは酷い言われようなとこもあったけど、この映画。
    私は映画の評価っていうのはどんな感情を生まれさせるにしても、1つの作品の中でどれだけの数の感情を生まれさせる事が出来るか、という所も観ているので、その点では文句無しの5つ星でした。が、主人公が何故記事を捏造したかがいまいち分からなかった部分があったので全体評価は4つ星。

    だって普通の人から観たら作中の女性達に対して「何で庇うんだよ」って思う所が私は「庇ってあげて、何も聞かないであげて」だったから。
    まあそういう事しちゃったら1回痛い目見るのが1番っちゃあ1番です。笑


    ・・・という所でしたが、そういう経験が昔あった私にとってはかなり胸がキリキリしたなぁこの映画。
    経験の観点。面白いよ。

  • 98年に起きたとゆう米雑誌「TheNewRepublic」の記事捏造事件の実話に基づいた作品。
    当時最年少であり、エース記者のスティーブン•グラスの墜落の一途を描いてる、ちょっと精神異常にも見える、、。ともかく真実はどこにもなかった。フォーブスに掲載された記事の最後の締めくくりはこうらしい。
    It is not medium, it is the writer.

  •  1998年に米国で実際に起きた捏造報道事件の映画化である。

     「エアフォースワン(米大統領専用機)に常備してある唯一の雑誌」として知られる一流政治誌『ニュー・リパブリック』。その若手記者であったスティーヴン・グラスは、スクープを連発し注目を浴びていた。スター記者となってからも謙虚で気さくな彼は、みなに愛されていた。

     だが、グラスが手がけた「ハッカー天国」という記事に、競合他誌からの指摘で捏造疑惑が浮上する。
     調査が進むにつれ、ほころびを見せていく記事内容。編集長は当初、グラスが取材相手のハッカーにガセネタをつかまされたのだと考える。だが実際には、それはグラスが誰も取材せずに頭の中でデッチあげた記事であったのだ。

     しかも、グラスが行なった捏造はそれだけではなかった。なんと、彼が同誌に在籍中に手がけた記事の過半(41本中27本)が、まったくの捏造だったのだ!

     事実に忠実に作られたすこぶる地味な映画で、たんに娯楽映画として観た場合、あまり面白いものではない。とくに、元になった事件のことを何も知らずに観たら、退屈きわまりないだろう。

     しかし、ジャーナリズムに関心のある者にとっては非常に味わい深い作品だ。
     とくに、米国の雑誌ジャーナリズムの舞台裏を垣間見られる点で、報道に携わる者には一見の価値がある。

     劇中、『ニュー・リパブリック』誌の記事ができあがるまでのチェック体制がくわしく説明されるシーンがある。それは、編集者、チェック係、弁護士、編集長がそれぞれ複数回事実関係をチェックするという、きわめて厳密なものである。

     にもかかわらず、ゼロから事実をデッチあげたグラスの記事は、何重ものチェックをすり抜けて掲載されてしまった。それは、グラスの捏造が周到を極めたものだったからだ。彼は、ニセの取材メモまで綿密に作り上げていた(そこまで手間をかけるなら実際に取材したほうが楽だったのでは?)。『ニュースの天才』という邦題には、痛烈な皮肉がこめられているわけだ。

     そしてこれは、「一つのウソを隠すためには何十ものウソが必要になる」という、「ウソの泥沼」を描いた映画でもある。

     捏造疑惑が浮上してから、グラスは“取材相手”のニセの電話番号にニセの留守電メッセージを残しておいたり、自らがデッチあげた架空企業のサイトを自作したりしてまで、捏造を隠そうとする。映画で克明に描かれるそのプロセスは、スリリングであると同時に滑稽で哀しい。

     恐ろしいのは、これと似たような事件がほかにも何度も起きていること。
     たとえば、1980年に『ワシントン・ポスト』紙で起きた「『ジミーの世界』虚報事件」(ピュリッツァー賞受賞のルポが捏造であることがのちに判明し、賞の返上に至った事件)や、2003年に『ニューヨーク・タイムズ』紙で起きた「ジェイソン・ブレア捏造事件」がよく知られている。

     とくに、「ジェイソン・ブレア捏造事件」は、1人の若手記者が継続的に行なった捏造である点といい、捏造記事の多さ(ブレアが『ポスト』紙在籍中に書いた73本の記事中、じつに46本が捏造だった)といい、スティーヴン・グラス事件の「再来」といってよいものだった。

     なお、事件によってジャーナリズムの世界から追放されたグラスは、その後ロースクールに進み、現在は弁護士をしているという(!)。証拠の捏造などしないでほしいものだ(笑)。

  • 嘘を取り繕うために嘘を上塗りしていき、どうにもならなくなることはよくある話。
    真実を伝える仕事で嘘を書いた記者はもちろん悪いが、一人の取材に任せて記事を作成してしまう編集部の体制にも問題があるのではないか

  • 主人公スティーブン・グラスが嘘を重ねすぎて破滅していく姿が悲壮。ストーリー中で追い詰められるごとに、母校で後輩達に自分の輝かしい仕事ぶりを語る幕間もどんどん破綻していき、最後には誰もいなくなり皆グラスの妄想だったという演出が見事。
    グラスの狂気が目立つ。同情的な同僚達から思われているような働きすぎで追い詰められやってしまった可哀想な人なのか、哀れな演技をしているしたたかな奴なのか、本人しか分からない。(しかしグラスの開き直ったその後を知るとあきらかに後者なんだよな…)
    同僚みんなの嫌われものチャックはどう見ても最初からまともな人物だったので、そこから主人公側がおかしいと気付きはじめる。
    グラスは感情移入できるタイプじゃないアンチヒーローで、主人公向きなのはチャックのほう。アナキン・スカイウォーカーのクリステンセンがグラス役に選ばれたのもアンチヒーローものだから?
    グラスに目をかけグラスから慕われていたケリー前編集長を、シンプソンズ声優のハンク・アザリアが演じる。このケリーとの対比で、チャックが最初は悪人に見える。
    吹き替えも良い。


    ◼︎特典映像を見て
    ・テーマは「報道関係者の良心のあり方」。(少し異常なまでに)気が利いて誰からも好かれている青年が道を踏み外す物語。
    ・グラスとチャックの2人は人間の両面を表している。監督はグラスの心情も理解できたと言ってる。医者弁護士でないと認められない家庭で育ち、何より注目されることを考えていた。有名なスター記者になって両親を見返したかった。 監督「グラスの人物像はいじる必要もなかった」
    ・ニュー・リパブリック誌は大統領専用機に常備されている(どちらかというと左寄り)信用ある硬派な雑誌。 チャック役の俳優「報道には言うまでもなく嘘があり、問題なのはやすやすと信じる読者がいることだ」
    ・出演者ロザリオ・ドーソン「グラスがここまで増大したのは周囲が頭から疑いもせず面白がったせい、期待したせい、需要に応えようとしたせい」 ドキュメンタリーの批評家「彼は人を喜ばせるのが好きなんだ」 グラス本人「みんな面白がってウケるのが病みつきになってしまった」芸人か?
    ・それにしても本人あっさり出てくるのスゲー。不正がバレる前はテレビ出演もしてたんだ、ほんとに売れっ子記者だったんだな。みんなを騙すための捏造工作の精密さがもう強迫的。病気。
    ・しでかしといて弁護士として再出発しようとするとこがすごい。そのガッツは見習いたい。しかし司会者にも突っ込まれてたけど信頼回復はもう無理だろ…

  • ニュー・リパブリックに勤める若手有望記者・スティーブンは書く記事が当たりに当たり、超売れっ子として同僚や上司にちやほやされていた。ある日、スティーブンの書いた記事がライバル会社のフォーブス・デジタル・ツールに裏付け調査をされた事により、スティーブンの築いてきた栄光のメッキが徐々に剥がれてくる。編集長のチャックは、始めはスティーブンの言葉を信じていたが、調査を続ければ続ける程、疑念は増すばかりだった。果たして真実はどこにあるのか!?実話を基にした映画との事ですが、途中からスティーブンの行動が痛々しくて目も当てられなくなりました。

  • 1:34

  • 実際にあった人気ジャーナリストの記事捏造事件が基になった作品。ジャーナリズムにおいて最もクリティカルなポイントを突いた内容。一度はぜひ観てほしい。

  • ある記者の戯言癖がバレていく話
    ザ普通で、可もなく、また不可もないのであった。自分の評価に関係することはなんでも覚えているのがリアル

  • なぜ記者は記事を捏造したのか。焦りか、プレッシャーか、功名心か。そこには悪魔的な葛藤があったはずですが、本作の主人公はただの虚言癖のバカにしか見えない。自分でついたウソと現実の区別さえつかないときたら、一片の同情の余地なし(そもそも捏造記事の筋が悪すぎる)し。。これはある意味ヘイデン・クリステンセンの本領発揮であり、この全く共感できないキャラクターは、アナキン・スカイウォーカーにも通ずるところあり。

    あまりに簡単に真相が明らかになってしまうので、なんかどんでん返しがあるのかなー、と期待した自分もバカでした。

    映画としてつまらなかったかというとそんなことはなくて、「世の中、こんなバカがいるんだ」と妙に清清しい気分になったりして、案外楽しんでしまった自分もいます。

  • 一度嘘をつくとルールを破るというハードルが下がり創造性が高まるという調査があるらしい。

  • 久々に映画(録画)を観た。
    近ごろは映画に対する集中力が続かず細切れにしか進まずHDDの容量確保に困っていた。 この映画も初めはBGMとしてだったが、聴いているうちに面白くなり、途中から魅入り、久々に最後まで通して観れた。
    主人公の弱さがリアルで悲痛で醜いほどに表現されていた。一番はチャック?の人柄。正しく、やるべきことをやり通せる唯一の登場人物だったかも。

  • 朝日新聞のねつ造問題に興味があるならこれを観ろ!?
    実話をもとにした新聞ねつ造事件が題材の映画。

    ここで登場する記者はおもしろいと思われる記事ならと次々に作り話を新聞記事にしていく。

    この場合、上司に問い詰められて紙面上で謝罪文を掲載するに至ったが、読者からの信頼をどう取り戻すのか。
    メディアのウソを問いただし、正しい情報発信のあり方とはどういうものか考えさせられた。

  • 実際にあった記事捏造事件を基にした映画。
    嘘でしか自分を守れないとは、悲しいやら情けないやら。周りから責められても、自分のなすべき仕事に真摯に向き合った上司がよかった。
    嘘で得られるものはなく、失うものは大きい。
    地に足をつけた誠実な仕事をせなあきません。

  • ニュースを捏造した新聞記者の話を元にした映画。
    テレビでやってたのを吹き替えでみた。

    心臓を握りつぶされる感じ。
    というか、いつ潰されるんだって怯えながら待っている感じ。

    主人公の不安定な様子につられてぐらぐらする。
    人当たり良くみんなに信頼されている序盤でさえ不安げだから、その場しのぎの嘘が崩れていく様に泣きたくなる。
    「守ってくれる」「怒ってない?」とか、味方になってくれない人は敵とみなす価値観も、苦しそうで悲しい。アナキンもそんなこと言ってたな。
    吹き替えの声が少年風だったおかげもあって幼くみえる。
    この幼い弱さには心当たりが有りすぎて、感情移入してしまう。


    編集長が過去記事をチェックするところが好き。
    過去の仕事が頭に入っているから、バックナンバーを迷わず選びとれる。
    編集長が変わった時の針のむしろだとか、同僚の割り切れなさだとか、そういう空気を外国の映画で感じるのは、私には珍しいことだった。


    どう考えても同情の余地なく主人公が悪くて、追跡側はみんな正しくて大人で優しい。
    だからどうにもならなくて苦しい。
    この苦しさは『モンスター』http://booklog.jp/item/1/B00080KNNQを思い出す。

  •  権威ある政治雑誌『ニュー・リパブリック』の記者スティーブン・グラスによる記事捏造の実話を描く。

     最初は取材源に騙されたのかと思いきや実は全部記者の捏造だった。さらにその事件だけでなく今までの多くの事件も捏造だったとなっていく。
     スティーブは嘘を小出しにし「これは確かに嘘をついたがそれ以外は本当だ」と言ってはさらに嘘がバレてを繰り返す。それを上司はどんどん追求していくのだけど、嫌われてる上司は周囲からスティーブンを執拗に追い詰めてると見られてしまうし、スティーブン本人までが「僕が嫌いだからだろ」とか言うのが面白い。
     周囲にこんな人がいたらと思うとなかなかに怖い。

     STAP細胞騒動を意識しながら見るとなかなかに興味深い。

  • 記事をねつ造した若者と編集長の話。事実が分かっていく過程や若者の変貌ぶりが怖いです。

  • ニュースはみんなこんな感じだろうなあってずっと思ってた…信じたくないけどね。

  • "read between the lies"  言い得て妙。
    映画も面白かったのですが、特典として付いているドキュメンタリーも興味深いものでした。1998年の事件を題材にした映画が公開された2003年に、NYタイムズ紙で大規模なねつ造事件があったというのもなかなかに皮肉な話で、まさに「浜の真砂は尽きるとも・・・」といった感じですね。
    こういう題材の映画でありながらも、メイキング映像の中でマイケル役のハンク・アザリアが「正確さがなにより重要だがドラマである以上細かい創作が入り込む。映画の際にはやむを得ないことだ。ただ事実を並べただけではドラマにならない」と語っていたことが印象深かったです。

  • 主人公にまったく感情移入できないし、好きになれない。
    この映画だって小説から映画になったというのなら、信じられる所は少ない。同僚に持ち上げられたとか、本当に皆彼の話を受け入れていたのか、楽しみにしていたのか、好かれていたのか。
    それすら疑ってしまう。
    役者の人は彼に複雑な感情を抱く、と言っていたけどそんな事はない。むしろ彼に人間的感情はあるのか? と疑っている。
    謝れば何でもすむと思っているし、新編集長への暴言、他社の編集長を尊敬しているから、編集長は僕に目をつけたんだ。と愚痴るシーン。あそこは本当見るに堪えなかった。なんて浅ましいんだろう。こっちが恥ずかしくなってくる。

    特典映像で弁護士になると言っていて爆笑しました。凄いな。
    そもそもこの映画ができている時点で本当に駄目な人だなー、と思うんですけど、まさかの弁護士というチョイス。ここまで来ると尊敬しそうになる。
    心臓に毛が生えてるというレベルじゃない。

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