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- / ISBN・EAN: 4907953018747
感想・レビュー・書評
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98年に起きたとゆう米雑誌「TheNewRepublic」の記事捏造事件の実話に基づいた作品。
当時最年少であり、エース記者のスティーブン•グラスの墜落の一途を描いてる、ちょっと精神異常にも見える、、。ともかく真実はどこにもなかった。フォーブスに掲載された記事の最後の締めくくりはこうらしい。
It is not medium, it is the writer. -
1998年に米国で実際に起きた捏造報道事件の映画化である。
「エアフォースワン(米大統領専用機)に常備してある唯一の雑誌」として知られる一流政治誌『ニュー・リパブリック』。その若手記者であったスティーヴン・グラスは、スクープを連発し注目を浴びていた。スター記者となってからも謙虚で気さくな彼は、みなに愛されていた。
だが、グラスが手がけた「ハッカー天国」という記事に、競合他誌からの指摘で捏造疑惑が浮上する。
調査が進むにつれ、ほころびを見せていく記事内容。編集長は当初、グラスが取材相手のハッカーにガセネタをつかまされたのだと考える。だが実際には、それはグラスが誰も取材せずに頭の中でデッチあげた記事であったのだ。
しかも、グラスが行なった捏造はそれだけではなかった。なんと、彼が同誌に在籍中に手がけた記事の過半(41本中27本)が、まったくの捏造だったのだ!
事実に忠実に作られたすこぶる地味な映画で、たんに娯楽映画として観た場合、あまり面白いものではない。とくに、元になった事件のことを何も知らずに観たら、退屈きわまりないだろう。
しかし、ジャーナリズムに関心のある者にとっては非常に味わい深い作品だ。
とくに、米国の雑誌ジャーナリズムの舞台裏を垣間見られる点で、報道に携わる者には一見の価値がある。
劇中、『ニュー・リパブリック』誌の記事ができあがるまでのチェック体制がくわしく説明されるシーンがある。それは、編集者、チェック係、弁護士、編集長がそれぞれ複数回事実関係をチェックするという、きわめて厳密なものである。
にもかかわらず、ゼロから事実をデッチあげたグラスの記事は、何重ものチェックをすり抜けて掲載されてしまった。それは、グラスの捏造が周到を極めたものだったからだ。彼は、ニセの取材メモまで綿密に作り上げていた(そこまで手間をかけるなら実際に取材したほうが楽だったのでは?)。『ニュースの天才』という邦題には、痛烈な皮肉がこめられているわけだ。
そしてこれは、「一つのウソを隠すためには何十ものウソが必要になる」という、「ウソの泥沼」を描いた映画でもある。
捏造疑惑が浮上してから、グラスは“取材相手”のニセの電話番号にニセの留守電メッセージを残しておいたり、自らがデッチあげた架空企業のサイトを自作したりしてまで、捏造を隠そうとする。映画で克明に描かれるそのプロセスは、スリリングであると同時に滑稽で哀しい。
恐ろしいのは、これと似たような事件がほかにも何度も起きていること。
たとえば、1980年に『ワシントン・ポスト』紙で起きた「『ジミーの世界』虚報事件」(ピュリッツァー賞受賞のルポが捏造であることがのちに判明し、賞の返上に至った事件)や、2003年に『ニューヨーク・タイムズ』紙で起きた「ジェイソン・ブレア捏造事件」がよく知られている。
とくに、「ジェイソン・ブレア捏造事件」は、1人の若手記者が継続的に行なった捏造である点といい、捏造記事の多さ(ブレアが『ポスト』紙在籍中に書いた73本の記事中、じつに46本が捏造だった)といい、スティーヴン・グラス事件の「再来」といってよいものだった。
なお、事件によってジャーナリズムの世界から追放されたグラスは、その後ロースクールに進み、現在は弁護士をしているという(!)。証拠の捏造などしないでほしいものだ(笑)。 -
嘘を取り繕うために嘘を上塗りしていき、どうにもならなくなることはよくある話。
真実を伝える仕事で嘘を書いた記者はもちろん悪いが、一人の取材に任せて記事を作成してしまう編集部の体制にも問題があるのではないか -
ニュー・リパブリックに勤める若手有望記者・スティーブンは書く記事が当たりに当たり、超売れっ子として同僚や上司にちやほやされていた。ある日、スティーブンの書いた記事がライバル会社のフォーブス・デジタル・ツールに裏付け調査をされた事により、スティーブンの築いてきた栄光のメッキが徐々に剥がれてくる。編集長のチャックは、始めはスティーブンの言葉を信じていたが、調査を続ければ続ける程、疑念は増すばかりだった。果たして真実はどこにあるのか!?実話を基にした映画との事ですが、途中からスティーブンの行動が痛々しくて目も当てられなくなりました。
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1:34
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実際にあった人気ジャーナリストの記事捏造事件が基になった作品。ジャーナリズムにおいて最もクリティカルなポイントを突いた内容。一度はぜひ観てほしい。
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ある記者の戯言癖がバレていく話
ザ普通で、可もなく、また不可もないのであった。自分の評価に関係することはなんでも覚えているのがリアル -
なぜ記者は記事を捏造したのか。焦りか、プレッシャーか、功名心か。そこには悪魔的な葛藤があったはずですが、本作の主人公はただの虚言癖のバカにしか見えない。自分でついたウソと現実の区別さえつかないときたら、一片の同情の余地なし(そもそも捏造記事の筋が悪すぎる)し。。これはある意味ヘイデン・クリステンセンの本領発揮であり、この全く共感できないキャラクターは、アナキン・スカイウォーカーにも通ずるところあり。
あまりに簡単に真相が明らかになってしまうので、なんかどんでん返しがあるのかなー、と期待した自分もバカでした。
映画としてつまらなかったかというとそんなことはなくて、「世の中、こんなバカがいるんだ」と妙に清清しい気分になったりして、案外楽しんでしまった自分もいます。 -
一度嘘をつくとルールを破るというハードルが下がり創造性が高まるという調査があるらしい。
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実際にあった記事捏造事件を基にした映画。
嘘でしか自分を守れないとは、悲しいやら情けないやら。周りから責められても、自分のなすべき仕事に真摯に向き合った上司がよかった。
嘘で得られるものはなく、失うものは大きい。
地に足をつけた誠実な仕事をせなあきません。 -
ニュースを捏造した新聞記者の話を元にした映画。
テレビでやってたのを吹き替えでみた。
心臓を握りつぶされる感じ。
というか、いつ潰されるんだって怯えながら待っている感じ。
主人公の不安定な様子につられてぐらぐらする。
人当たり良くみんなに信頼されている序盤でさえ不安げだから、その場しのぎの嘘が崩れていく様に泣きたくなる。
「守ってくれる」「怒ってない?」とか、味方になってくれない人は敵とみなす価値観も、苦しそうで悲しい。アナキンもそんなこと言ってたな。
吹き替えの声が少年風だったおかげもあって幼くみえる。
この幼い弱さには心当たりが有りすぎて、感情移入してしまう。
編集長が過去記事をチェックするところが好き。
過去の仕事が頭に入っているから、バックナンバーを迷わず選びとれる。
編集長が変わった時の針のむしろだとか、同僚の割り切れなさだとか、そういう空気を外国の映画で感じるのは、私には珍しいことだった。
どう考えても同情の余地なく主人公が悪くて、追跡側はみんな正しくて大人で優しい。
だからどうにもならなくて苦しい。
この苦しさは『モンスター』http://booklog.jp/item/1/B00080KNNQを思い出す。 -
権威ある政治雑誌『ニュー・リパブリック』の記者スティーブン・グラスによる記事捏造の実話を描く。
最初は取材源に騙されたのかと思いきや実は全部記者の捏造だった。さらにその事件だけでなく今までの多くの事件も捏造だったとなっていく。
スティーブは嘘を小出しにし「これは確かに嘘をついたがそれ以外は本当だ」と言ってはさらに嘘がバレてを繰り返す。それを上司はどんどん追求していくのだけど、嫌われてる上司は周囲からスティーブンを執拗に追い詰めてると見られてしまうし、スティーブン本人までが「僕が嫌いだからだろ」とか言うのが面白い。
周囲にこんな人がいたらと思うとなかなかに怖い。
STAP細胞騒動を意識しながら見るとなかなかに興味深い。 -
記事をねつ造した若者と編集長の話。事実が分かっていく過程や若者の変貌ぶりが怖いです。
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ニュースはみんなこんな感じだろうなあってずっと思ってた…信じたくないけどね。
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"read between the lies" 言い得て妙。
映画も面白かったのですが、特典として付いているドキュメンタリーも興味深いものでした。1998年の事件を題材にした映画が公開された2003年に、NYタイムズ紙で大規模なねつ造事件があったというのもなかなかに皮肉な話で、まさに「浜の真砂は尽きるとも・・・」といった感じですね。
こういう題材の映画でありながらも、メイキング映像の中でマイケル役のハンク・アザリアが「正確さがなにより重要だがドラマである以上細かい創作が入り込む。映画の際にはやむを得ないことだ。ただ事実を並べただけではドラマにならない」と語っていたことが印象深かったです。