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- / ISBN・EAN: 4934569626431
感想・レビュー・書評
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・第9話『救出』
作監・谷口守泰のアニメアール回。ザ・谷口キリコ。アニメアール回は全体的な作画レベルが高い。しかしモロに80年代的。谷口作画はそんなに好きじゃなかったが、他の回がだいたい塩山さんの絵に似せようとして失敗しているのに対して、谷口さんの作風で描いてちゃんとカッコいいのは良い。昔、谷口キリコのフィギュアも出ていたが、横顔がアゴが尖りすぎていて(実際の谷口さんの絵がそうだから!)引いてしまった。
他のキャラも良い、ココナやフィアナもかわいい。
金貨30億ギルダンをゲットするも、キリコはファンタムレディのブルタコに圧倒され、またもや治安警察にとっ捕まる。ココナがゴネ始め、脱出用に奪ったヘリでしぶしぶキリコの救出へ。金でしか結ばれていなかった3人が、非情から情へと変わっていく回である。後期必殺シリーズと全く同じ、既視感バリバリ笑。金を捨てる行為は、今までの3人を覆す感じがして嫌だったが、一応最後にちゃんとオチあり。キリコも俺も救われる。
今回もAT出ず。やっぱり出ない回の方が面白い。
フィアナの髪型は山口小夜子的…という話を先輩にしたら、「ポセイダルのモデルは山口小夜子と永野本人が言っていた」とのこと。それは知らんかった笑。フィアナはシャワー後に和服のガウンを羽織るし、髪が黒いのでより山口小夜子的に見える。当時の日本人モデルでは超有名で、影響大なはず。90年代だと川原亜矢子さんが有名かなと思うが、雰囲気も存在意義も違う。
次はココナの髪型について。こういうショートカットの女キャラは当時まだ珍しかったんじゃないかと。私は幼少期なので推測にすぎないが、1980年にシーナイーストンがデビュー。1981年?にオリビアニュートンジョンがショートカットに。1982年に松田聖子が聖子ちゃんカットをやめてショートに。1983年の2月にキョンキョンが聖子ちゃんカットをやめてショートに。ボトムズの放映開始が1983年4月なので、そういう流れの中でココナというキャラクターも作られていると思う。
翌1984年になると主人公が段カットの永野の『エルガイム』、85年はいんどり小屋の『ダンクーガ』で、ファッションをキャラクターに取り入れるスタッフが出てくる、そんな時代。
・第10話『レッド・ショルダー』
作監・鈴木英二&塩山紀生。
ウド編もそろそろクライマックスに近づいてきた。ラス立ち前のワクワク感!そしてキリコの過去が明かされる回。
キリコを監視しているロッチナ。狙いはあくまで素体なので静観(はよ素体奪還せえや!と笑。ロッチナが動くとウド編のクライマックスが作れないのでご都合主義だが、あえてツッコまない)。
キリコ達を包囲した治安警察。数話前からだがガチで殺しにかかる。火炎放射器&爆撃(そこまでせんでも!)で、バニラの隠れ家周辺を攻撃。火炎放射器……といえばゲリラ、便衣兵に対して。我々日本人はどうしても沖縄戦を連想する。自軍の被害を最小限にするための兵器だが、それはベトナムのナパームまで続く。キルゴアの「朝のナパームの匂いは格別だ!」というセリフがどれだけ狂っているか、だ(今はネタとして消費されるが)。
なんとか隠れ家→通路へと脱出する4人。キリコの「諦めるのは早い」というセリフが泣かせる。キリコはバトリング会場のハンガーへ潜入、スコープドッグにハリネズミのように武装を取り付ける。前回同様ココナの情にほだされて、結局キリコを手伝いに戻る3人。
「レッドショルダーの赤はもっと暗い。血の色だ。」
ついに明かされるキリコの過去!
序盤、もはや伝説のようにゴウトの口から語られるレッドショルダー隊。これが効いている。実際のレッドショルダー隊を描かず、想像のみで語らせる!!(レッドショルダーカスタムは、のちのSTTCの装備で補完される。逆算すると、キリコは原隊の最強装備をなるべく再現したかったという設定になると思う。)
この回もAT戦なし、RSCを組み立てるのみ。しかしアツい、アツすぎる!久しぶりに塩山さんが作監に参加、作画はまあまあ良い。塩山さんが亡くなられたのはショックでした。炎につつまれるこの回を見ると思い出してしまう(シャレにならん……)。
・第11話『逆襲』
中村プロ回。
ついに治安警察とキリコのRSCの全面対決!今回はメカ戦である!ラビット、デコイのくだりが良い!あとは延々と戦うのみ。ラビットを見ると、スコタコの耐久性が特に優れているわけではなく、装甲車に普通にやられる。キリコの戦闘能力が高いという演出。RSCすら乗り捨て、予備のスコタコで警察本部を目指すキリコ。サポートする3人組、泣かせる。
女の謎が少しずつ情報開示される。パーフェクトソルジャー、プロトワン。キリコを殺したくないので命令に従わない。殺さず、行動不能にせよ。
本部を壊滅させたキリコ。ロッチナがついに軍の出動を要請。キリコとプロトワンの再会。ようやくふたりで話す。書き忘れていたが、前回アーマーマグナムを手入れしていたのが伏線になっている。
やっぱり当時の中村プロの作画は良い。作監・西城明=中村明。セーラームーンの頃になるとヒドかった笑。
・第12話『絆』
作画が安定していない。しかしATに関しては普通に良い。
話し合うキリコとプロトワン。いちゃいちゃタイム。ふたりで共闘して脱出することに。スコタコの無線が壊れ、ゴウトたちとの会話も一方通行、ココナがヤキモチを焼く演出、良い。
イスクイ署長とボロー司祭はバトリングのゴロツキを集め、キリコと戦わせる。この作戦をはよせえよ!と思うが、ゴロツキどもを嫌っているようだ。
ロッチナとバッテンタイン中将の会話で、イスクイ署長の過去が判明。ロッチナ=ウィラード、イスクイ=カーツとすると、ウド編ですでに『地獄の黙示録』の構造になっている。
集められたボトムズ(最低野郎)。ストロングバッカスとパープルベアーが大集合している絵ヅラがすでに爆笑もんだが、指向性爆弾のブービートラップでほぼ全滅するのがヒドい笑。先輩と話題になったが、タカラ35のSAKシリーズのNo.1がストロングバッカスで、ノーマルのスコタコとほとんど違って金型流用できないのによく出したな!と。パープルベアーは全く出てないのに!
逃げる最中、キリコが「フィアナ!」と叫ぶ。これが彼女の名前になった。結局、当然、はなればなれに。パラシュートで大量に降下してくるメルキア軍のスコープドッグ……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011年1月23日