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- / ISBN・EAN: 4907953019171
感想・レビュー・書評
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宮崎あおいのほぼデビュー映画。初主演映画である。一番おぉ!と思ったのは彼女の役がとても性的であること。この映画以降とくに最近、宮?あおいはあまりにクリーンなイメージを纏う。今や押しも押されぬ”国民的女優”である。しかし、露出が極端に増えた最近では少々飽きが来ているのも事実。生来の童顔も手伝ってか、演じる役回りが純朴な乙女か拗ねた女子か、二つにひとつになってしまっている。
もう一人の「あおい」こと蒼井優と比べてみればはっきりするが、表情という点で、宮崎あおいはずいぶん蒼井に負けているように思われる。蒼井の表情はうまく頭の中で思念することができない一方で宮崎の表情はすぐに思い浮かんでしまう。キュートに笑っているか、眉間にしわを寄せてだんまりしているか。純朴であろうと不良であろうと、二つともティーンの少女がつくりだす表情であることに変わりはない。結局、宮崎は少女性のみを売りにしている女優である。もちろん類型化した表情を、観る側にここまで刷り込むことは素直にすごいことであって、糾弾されるべきものではないだろう。でもやっぱりそれだけでは飽きる。割と彼女の映画を多くチェックしている宮崎ファンとしては、何らかの過剰さが欲しい。それも少年メリケンサックのような中途半端なコメディエンヌとしてではないような何かで。別にそれは、クリーンな”国民的女優”で評価されている今、一般に必要なことではないのだけれど。
で、害虫。宮?あおいはここで、他の作品同様、キュートさと眉間のしわを武器に演じているのだが、性のニュアンスが含まれていることでだいぶ印象が違う。いきなり「生理いつ?」と同級生から聞かれる。告白されたら簡単にキスして「タバコクサい」と言う。レイプ未遂されて服がはだける。援交を二度、試みる。小学校6年生で担任をベッドに誘う。映画が発表されたのは2002年、もしかしたら「今の女子高生、スゴいんだよ」的なステレオタイプに乗っかっただけのキャラクタ設定かもしれないが(バベルの菊池凛子みたいな)、ともかく今の宮崎の徹底したクリーンなイメージから、それは明らかに逸脱している。萌えます。けっこう、ドキドキします。
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あとはまぁ関係ないけど、僕は映画の音フェチ(歌やBGMではなく衣擦れや雨等の音)なのですが、この映画のそれらはひどいと思う。たとえば宮崎がホームレスのおっちゃんと火炎瓶を家に投げつけるシーン。火炎瓶が割れる音が全部一緒で単調。ほかにも、ローファーの足音の異常な誇張とか。13歳の女子の体重をちょっとでも想像すれば、あんな音出ないってわかるのに。しかも後ずさりするときも「カコッ、カコッ」って、どうしたって不自然でしょそれ!このへんは我慢ならぬ。
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激しいいじめ映画かと思ったら違いました。
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害虫は、サチ子ですか?
彼女は害虫というより、いたいけな幼虫にしか見えません。
成虫になるまえに、駆除されてしまうような危なげな感じがします。
少女のゆるやかな反抗はどこに行き着くのでしょう???
途中で挿入される手紙のやりとりと、ナンバーガールの音楽が印象的。 -
どこかのブログに、タイトルで観ようとした人の半分は失っているだろうと書かれていたけど、そうかも…。
最後の教室のシーンは、とても素敵です。 -
むずかしかった。
一人の少女の世界に対する孤独・虚無感を映し出したような作品。
見ごたえのあるものでした。
宮崎あおいはいい演技します。
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繊細だけど危く大胆な 宮崎あおいとナンバーガール
中学一年生の彼女に 絶望的すぎる現実をつきつけ
自ら零落していくことを選ばせるなんて。
人から「かわいそう」なんて言われたって
全然うれしくなんかないよ -
蒼井優が出てくると聞いて見ました。マイナーな邦画っぽい感じ。なんだろう、空恐ろしい映画だった…
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あおいちゃんがまだロリータ女優扱いだったころ。
陰鬱なところはよしとして、美にこだわりすぎてまわりくどいところがしゃくにさわるけれど
でもあおいちゃんがいいのでいい。
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地味で鬱な話。Wあおいの初競演作かな?違うかな?無気力なんだけど剥き出しで、儚いんだけど強烈な悪意が感じられる。
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何年かぶりに観たけど
やっぱり 微妙かな
塩田監督は
「サチ子こそが害虫であり、ゴジラである。」とか言ってたけど
サチ子は
害虫には思えないな
宮崎あおいも蒼井優も 若い
そこに注目して観るといいかも