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- / ISBN・EAN: 4988126204198
感想・レビュー・書評
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オープニングからぐいぐい引き込まれた。
窪塚はやっぱり、アラフォーとミドサーにとって、ヒーローですね★
卓球を好きであるというペコと、卓球の才能に恵まれたスマイル。
持つ者と持たざる者。
持つ者にしか分からぬ苦悩。
持たざる者の中にいる、必死に努力をする者と、やめていく者。
必死に努力をする者の中にいる、努力が実る者と、実らない者。
「楽しい」だけで続けられる瞬間がある一方で、
「楽しい」だけでは乗り越えられないものにぶつかる瞬間がある。
例えば、持たざる者が持つ者と戦った時。
その時に味わう、挫折。
誰のために戦っているのか。これに対する回答が、「自分のため」であったとしたら。その挫折は喜びへと変わる原動力になるだろう。ただ「楽しい」であったとしても、挫折を克服する原動力となるだろう。
でも。誰のために戦っているのか分からなくなってしまうと、それはただの苦痛となる。
わたしが6年も続けた吹奏楽は、決して自分のためなんかじゃなかった。
だから楽しいと思える瞬間はなくて、苦痛そのものだった。
努力をすることすら面倒だった。だから挫折すらまともにできなかった。
ただ、楽しい瞬間がほしかった。友達がほしかった。クラスメイト以外に、たくさんの友達がほしいだけだった。それだけだったのに。いつからか部活は、わたしを苦しめるものに変わっていった。
何のために戦っていたんだろう。
きっと、ただ褒めてもらいたかっただけなんだ。でも、努力をしない者を褒めるほど、学校の先生って暇じゃない。
中国の孔選手が、試合中に他の選手を表現しているシーンが印象的でした。
スマイルが才能ゆえにちょっと悲しい考え方をする、そのARATAの演技もすごくよくて。
中村獅童は凄むと歌舞伎みたいになって、ちょっと笑っちゃって。
何より夏木マリが湯婆婆そのものでした。いや、銭婆か?
音楽も心地よくて、サントラが聴きたくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Primeビデオで。
アニメに続いて映画も観てみた。
観始めはアニメのほうが振り切れてていいなーと思ったけど、後半はすっかりのめり込み。卓球シーンは卓球の人が観てどうなのか気になる。
アニメがスマイルの話で、映画がペコの話なのかな?原作読んでみないと。 -
久々の試聴。原作は読んだことないですが、これは紛うことなきスポーツ映画の傑作。それは、勝利至上主義から離れた、スポーツ自体の楽しさを高らかに称揚しているからです。象徴的なのがペコ(窪塚洋介)とドラゴン(中村獅童)の試合で、勝ち負けを忘れたドラゴンが「楽しかった」と言う境地まで達するところが素晴らしい。
初めてみたときにはプレーシーンのリアルなCGにびっくりしますが、ここはまったく古びてないですね。ペコの不恰好なスウィングからは、卓球が楽しくてしようがないというのが伝わってきますし、スマイルの流麗なカット打法には惚れ惚れします。2人のラリーはいつまでも見ていたいという気分になります(最後の数分しかないですが)。
登場するキャラクターは個性的で、皆どことなく人間くさいところも素敵。ほんとに長所だらけの作品だなぁ。 -
おかえり、ヒーロー。
有名すぎてって言えば語弊があるけども、
ただなんとなく観てなかった映画で、先日ようやく観ました。
というのも、ピンポンといえば窪塚洋介って感じで、
他のキャストも見て無くて、おまけに漫画の映画化っていうので
敬遠してた映画でもあります。
でも良くみたらキャスト陣すごいのね!
ARATA・大倉孝二が出てるってだけでも即効観ると思われる映画なのに、
中村獅童・竹中直人・夏木マリまで出てるとは…。
原作漫画は読んでないのですが、映画としては最高の出来でした。
そしていつも文頭に書く文を
『この星の1等賞になりたいの卓球で俺は』か迷ったのですが、
やっぱりスマイルのセリフのほうがグッときたので、それにしましたww
あとスーパーカーの曲の使い方も最高でした。
何度でも観たい。 -
今から15年前の作品ですが、画の古さはほとんどない。登場人物の見た目が時制にとらわれない特徴を持っているからだろう。
弱く怯える自分をひとりでは立てない場所に引き上げてくれる、見たことのない景色を見せてくれる、走り続けるために立ち向かうという意味を与えてくれる。
自分の能力をふりしぼらせてくれる、最高の「ライバルがヒーロー」という話だが、センスがある⇔続けられる⇔上手くなる⇔プレッシャーも楽しめる⇔好きでいられる、という公式に当てはまる奴がヒーローになるというところも描かれている。
そういう意味では、何度も立ち上がるからヒーローなんだというより、ヒーローだから何度も立ち上がるのだと感じた。もちろん人としての弱さも表現はされているけれど。
アニメを先に見ていたので、窪塚さんの話し方の近しさにびっくり。アニメがかなりリスペクトしているのかな。 -
見る前、個人的な窪塚洋介の印象から、勝手にペコを負けたことない天才タイプと思っていました。序盤、それがどうやら違うらしいと気付いた時、一気に引き込まれました。
展開はわりと淡々としていて、そっけなさすら感じる。それゆえエキセントリックな登場人物がすっと入ってくる。ペコめちゃめちゃかっこいい。
スマイルがペコを「ヒーロー」と呼んでいますが、ぴったりな表現だと思います。
同時に、全体を通してみられる、憧れる者と憧れられる者とのコントラストをさらに強調する、残酷な表現のようにも思いました。
そういう意味では、最後のシーンはかなしい。 -
10代、20代で観たい映画。おっさんになってこの手の映画を観すぎてしまっていては、感動が薄れてしまった。経験が悪い方に出てますね。
出演者がもうちっと、アスリート体型をしていれば、入り込めたか。