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感想・レビュー・書評
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(2017.07.18読了)(2007.10.29購入)
【目次】
Ⅰ 「ふつうの国」としてのベトナム
Ⅱ 「オモテ」の理想と「ウラ」の活力
Ⅲ チマタの人びとにとっての「革命」
Ⅳ 「自由」と「インテリ」と「文化」
Ⅴ 虐殺にむきあって考える
Ⅵ 社会主義を根もとのところで考える
Ⅶ 「第三世界」を根もとのところで考える
Ⅷ おまえのたたかいは終わったのか
あとがき
☆関連図書(既読)
「泥まみれの死 沢田教一ベトナム写真集」沢田サタ著、講談社文庫、1999.11.15
「ライカでグッドバイ」青木冨貴子著、文春文庫、1985.03.25
「シャッターチャンスはいちどだけ」石川文洋著、ポプラ社、1986.10.
「ベトナム問題入門」ベトナム研究誌・岡倉古志郎著、新日本新書、1967..
「ベトナム戦記」開高健著、朝日文庫、1990.10.20
「輝ける闇」開高健著、新潮文庫、1982.10.25
「夏の闇」開高健著、新潮文庫、1983.05.25
「花終る闇」開高健著、新潮社、1990.03.30
「母は枯葉剤を浴びた」中村悟郎著、新潮文庫、1983.09.25
「女の国になったカンボジア」大石芳野著、講談社文庫、1984.10.15
「ベトナムは、いま」大石芳野著、講談社文庫、1985.04.15
「あの日、ベトナムに枯葉剤がふった」大石芳野著、くもん出版、1992.11.20
「サイゴンから来た妻と娘」近藤紘一著、文春文庫、1981.07.25
「バンコクの妻と娘」近藤紘一著、文春文庫、1985.01.25
「サイゴンのいちばん長い日」近藤紘一著、文春文庫、1985.04.25
「戦火と混迷の日々」近藤紘一著、文春文庫、1987.02.10
商品の説明(amazon)
ベトナム戦争が終って約十年、著者はベトナムとカンボジアを旅した。ホー・チミン市の闇市、農村の「新経済区」を歩き、元活動家やチマタの人々の声を聞き、産院で枯葉剤の胎児を見、処刑場で頭蓋骨の列に向かい合う。一方に核戦争、他方に強制収容所という破滅に至る構図を打破すべく、「非同盟」の原理に基づく第三世界との連帯を訴える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ベトナムに平和を!市民連合」の代表を務めた著者が、ベトナム戦争後の現地を訪ね、新たな可能性の萌芽を見いだそうとしています。
著者のまなざしは、ようやく歩み始めたばかりの社会主義国家が掲げる理想ではなく、戦争の爪痕が残る混乱の中で生きようとする人びとのたくましさに向けられています。また、カンボジアのポル・ポト政権下での虐殺や、中国の文化大革命の悲劇などについても触れながら、社会主義の「根っこ」にあると著者が信じる、人びとの連帯の可能性について考察をおこなっています。
北朝鮮の「非同盟」の連帯への期待を語っている箇所など、今日読むと苦笑を禁じえないところもあるのですが、東西冷戦と南北問題の現実の中で理想を求めた時代の雰囲気を踏まえて読むべきではないかと思います。