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感想・レビュー・書評
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偏執的誇大妄想狂の言動をほぼ伝聞で偏執的に延々と記述し続ける小説。初めのうちは繰り返しを多用する偏執性の表現に面白さを感じていたのだけれど、コンラート夫妻の膠着状況を聞かされているうちにだんだん気分がじっとりと落ちてくる。どうせわたしも自分の「石灰工場」にこだわって取り返しのつかない状況に陥っているに違いない、今は気が付いていないだけなんだ、という気分になってくる。延々と読んだ結果大したオチもつかないのに、もうそれもどうでもいい。軽く洗脳してくる本。
栄光の一瞬を求めて待ち続ける点はブッツァーティの『タタール人の砂漠』と共通しているが、こちらは寒々しく身も蓋もない。夫婦が互いを苦しめる部分、とてもリアルに感じた。実はよくある話なのでは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者名がデータに入ってませんね。
トーマス・ベルンハルトです。
もの凄く異様な小説。狂人の独白、と思いきや独白ですらない。
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