こぶしの花 (1981年)

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  • 古い本の紹介です。ベニシアの”猫のしっぽ、カエルの手”を読んでいて、何かしら昔似たような印象があったので、本箱から引っ張り出しての再読。発行が1984年ですので30年前の本。

    微かだが確実に変化していく季節の移ろいを、静かに、穏やかに見つめていく視線に共感と安堵を覚えます。透き通った冬の空気から、夏の熱気まで、人々の暮らしに寄り添う日常が詩の土台となっている。

    ”穏やかな気持ちは全てのものに美しさを見出す”ベニシアのこの言葉と似た感覚を思い出したのかもしれません。

    ほとんど忘れていましたが、微かに記憶に残っていた一片の詩があります。

    夾竹桃

    夾竹桃が咲いている
     きれいな花ね
     可愛い花ね
    繰り返し言った私の言葉に
    友は低い声で答えた
     夾竹桃の咲く頃が
     一番つらいのです

    夾竹桃の花には広島の原爆で犠牲になった方々、生き残り苦しんできた方々の想いと、平和への祈りが重なります。記憶は薄らいでしまいましたが、「黒い雨」にも夾竹桃に係るシーンがあったかと。夏に向けて咲く夾竹桃の濃い桃色を見る度に思い出す詩です。

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