本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本
感想・レビュー・書評
-
古い本の紹介です。ベニシアの”猫のしっぽ、カエルの手”を読んでいて、何かしら昔似たような印象があったので、本箱から引っ張り出しての再読。発行が1984年ですので30年前の本。
微かだが確実に変化していく季節の移ろいを、静かに、穏やかに見つめていく視線に共感と安堵を覚えます。透き通った冬の空気から、夏の熱気まで、人々の暮らしに寄り添う日常が詩の土台となっている。
”穏やかな気持ちは全てのものに美しさを見出す”ベニシアのこの言葉と似た感覚を思い出したのかもしれません。
ほとんど忘れていましたが、微かに記憶に残っていた一片の詩があります。
夾竹桃
夾竹桃が咲いている
きれいな花ね
可愛い花ね
繰り返し言った私の言葉に
友は低い声で答えた
夾竹桃の咲く頃が
一番つらいのです
夾竹桃の花には広島の原爆で犠牲になった方々、生き残り苦しんできた方々の想いと、平和への祈りが重なります。記憶は薄らいでしまいましたが、「黒い雨」にも夾竹桃に係るシーンがあったかと。夏に向けて咲く夾竹桃の濃い桃色を見る度に思い出す詩です。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示