影のジャック (1980年) (サンリオSF文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • ☆3.4

  • 癖の強いゼラズニイ。やめられない。
    70年代に入り、ファンタジー色が強まると共に評価が下がってきた時期の先品だそうだけど、いや、めちゃめちゃ面白いぞ。

    科学法則が支配する陽光界と魔術が支配する暗黒界を行き来できるうえ、何度でも生き返るジャックは自分の首をはねたこうもり王に逆切れの復讐を誓う。それだけでなく、世界を破滅させようとするとんでもない輩。なんだこの展開。

    ファンタジーになっても癖強いー!
    アンバー・シリーズに手を出しそう・・・

  • 今はもう30年以上昔、大学生になりたての私が当時
    好きだった女の子に借りて読んだ本である。懐かしい。
    図書館で借りた本の黄ばみ具合がその年月を物語る。
    年をとりました。

    確かにヒロイック・ファンタジーの一種ではあるが、SFの
    要素も含み─と言うか半ばファンタジー半ばSFと言った
    方が正解かもしれない─一筋縄ではいかないゼラズニイ
    らしい本である。内容に比べて明らかに書き足りない
    印象が強かったり、感情移入しにくい小悪党の主人公
    だったりと色々と突っ込みたいところは多いのだが、
    忘れっぽい私が、30年経っても最後のオチを覚えて
    いたことが物語るように、読み応えのある佳品である。

    単に光でもなく単に闇でもなく、光あって初めて生じる
    闇とでも言える「影」が世界を変えていく辺りに深さを
    感じる。そのためにはやはり正義の味方でもなく悪の
    権化でもなく、小悪党でなければならないのかも知れ
    ない。

    翻訳は博覧強記荒俣宏先生。その独特の訳語センスも
    この本の雰囲気作りに貢献していると思われ。

  • ダークヒーローもののSFファンタジー小説。
    何度でも生き返れる暗黒界の盗人が、自分を殺したり、裏切ったりした暗黒界の人間に対して復讐していく話。復讐が始まる後半からはスピードアップして最後まで一気に楽しめた。

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