龍神池の小さな死体 (1979年)

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著者 : 梶竜雄
  • 講談社 (1979年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)

龍神池の小さな死体 (1979年)の感想・レビュー・書評

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  • 隠れた傑作。こんなミステリに出会えるとすごく嬉しい。

    「智一、おまえの弟は殺されたのだよ。秀二は殺されたのだよ......」
    大学教授中條智一は、死期が迫った母の言葉に触発され、幼いころ池で溺れた弟の死の真相を調べ直すことに。

    戦時中の弟の疎開先を訪ねる智一。たしかに何かあるようではあるが、いったい何がおこっているのかわからない不穏な空気。
    しかし中盤で物語は一転。後半で畳み掛けるように二転三転。
    「そんなところにまで伏線張ってたの!?」と唸りっぱなし。構成も見事。
    多少の古さ、若干の強引さは否めないものの、本格ミステリに対する勢いと熱気で最後まで押し切られた感じです。
    探偵役(?)の扱い方も面白いし結末も味わい深い。惜しむらくは古本購入時についてた帯だけ。帯付きはありがたいけど、あの紹介文は半分ネタバレでしょう(と書いても何のことかわからないですよね)。
    それくらい問題なく楽しんだ本作。しばらくはこの時代のミステリにはまりそうです。

  • 大学教授の主人公が、母親に「20年以上前に溺死した主人公の弟は、事故ではなく殺人だった」と告白され捜査を開始します。しかし、その現場の「龍神池」で更なる事件に巻き込まれてしまう…というお話です。
    謎解きに向かう怒濤の伏線回収ラッシュと意外なラストは圧巻です。隠れた名作です。
    因みに本書は絶版で入手が困難です。Amazonだと10000円もします。図書館などで借りることをお薦めします。

  • 主人公の智一は弟は殺されたという母の死に際の言葉が気になり、弟の死を調査する為に千葉の山蔵を訪ねます。
    弟は23年前、戦時中の学童疎開先の池で溺れたという事だったのですが、当時の事を調べていくうちに新たな事実が分かってくるのです。
    そんな中、主人公は殺人事件に巻き込まれていきます。
    これだけ読めばありがちなパターンのように思えますが、最後には驚きの連続が待ち受けています。
    かなり昔の作品ですが、この構成には素直に感心させられました。
    戦争についての描写のせいか作品全体に古さが感じられますが、構成は素晴らしく、最後の驚きも本格ミステリとして見ても良く出来た作品だと思います。

  • 母親が死に際に残した「おまえの弟は殺されたのだよ。」の一言に心を動かされた智一は、弟の死の真相を究明するため、千葉の山蔵を訪ねた。すると次々に奇怪な事件が起こり……。
    傑作!!。二転三転するプロットに加え、終盤に至り随所に散りばめられた伏線が回収される様に圧倒される。個々のトリックは小粒ながらもその構成と演出の巧さに最後まで気が抜けない。
    1979年にこんなことを考えていたということも凄いね。

  • 久しぶりに面白くて一気読みした。20年前の弟の死と現代の問題が絡み合う。謎解き自体はそんなに難しいものではないが、文章も読みやすく、引き込まれた。

  • 乱歩賞作家・梶龍雄が本格推理の犯人当てで読者に挑戦!
    四つのアリバイがないのは――黒岩教授、友倉助手、相原君、灰谷教授、横川君の5人の中で、さて誰が犯人でしょう!?

    アリバイ崩しで犯人を当てる新探偵小説!
    「智一、おまえの弟は殺されたのだよ。秀二は殺されたのだよ……」
    死の直前に残した母の一言に心を動かされた智一は、弟の死の謎を究明するため、千葉の山蔵を訪れた。
    しかし、そこで智一を待っていたのは戦慄すべき連続殺人事件だった。

    母が臨終の際に、弟の死について重大なことを告げた。
    事故死ではなく、殺人。
    疑念を抱いてかつての現場に向かう兄・智一だったが、
    同時にいろいろな不可解が立ち上ってくる。

    確かに冒頭から伏線張りまくりの本格ミステリで、怒濤の展開が待ち受けるのだけれど、期待値が高すぎたところがある。
    もちろんこの長さでやってのけるのはすごい、と思うが、
    『エンプティー・チェア』ほどではなかったかな。

    ミステリ  :☆☆☆☆☆
    ストーリー :☆☆☆☆☆
    人物    :☆☆☆
    文章    :☆☆☆☆

  • 「おまえの弟は殺されたのだよ」という母の死に際の一言が気になり、主人公は調査に乗り出すことにする。弟は23年前、戦時中の学童疎開先の池で溺れたということだったが…
    昔の事件を調べに行った主人公がさらなる事件に巻き込まれるというパターンはありがちである程度先は読めるものの、ラストはサプライズの連続で新本格以前にこの構成はすごい。
    また、戦争がまだ生々しく記憶に残っている時代の出来事なので、今読むとかなりノスタルジーな感じがするが、そのような時代背景が事件に溶け込んでいるのもうまいと思った。
    ただ主人公の大学教授にあまり感情移入できなかったのと、一般人なのにいろいろ調査情報が簡単に入手できすぎるのがいまいちかな。

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