妖女サイベルの呼び声 (1979年) (ハヤカワ文庫―FT)

  • 14人登録
  • 4.14評価
    • (3)
    • (2)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 2レビュー
制作 : 佐藤 高子 
  • 早川書房 (1979年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)

妖女サイベルの呼び声 (1979年) (ハヤカワ文庫―FT)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 久々に好みまっただなかを突いてくる作品と出会えた。
    森の奥で、伝説的なけものたちと住む妖女サイベルの物語。
    父親以外の人間を知らなかったサイベルは、無知であり無垢である。
    人間の倫理から離れているため、酷薄でもある。
    しかし縁あって預けられた赤子と、ひたむきな愛を向けてくる男との出会いで、少しずつ変わってゆき、自分の感情と向き合い始める。
    初めて知る愛と憎しみの狭間で苦しみ、破滅へと向かってゆく。

    正直コーレンがサイベルのどこに惚れたのか、読んでいる最中は「なぜ?」と思っていたのだが、このあやうさが目を放せなくなるのは分かるような気もする。
    ある意味、サイベルが共に住んでいる獣と似た部分もあるのかもしれない。どうしようもない魅力で心を惹きつける。
    あらゆる謎かけに対する答えを知る猪、黄金の上に眠る老いた竜など、伝説的なけものの描写も美しいし、サイベルの持つ、名を持って縛る妖術の描写も面白い。
    盛る火や氷や剣戟といった派手な見せ場がない代わりに、綿密な心理描写でぐいぐい引きこんでくる。
    コーレンとのロマンスも女としては甘い心地にさせられ、もう魔法にかけられたような一時を与えてもらった。

    何度も読みかえしたいお気に入りの一冊。

  • コーレンは六十頁で「ライラレンの瞳に見入ってその色をたしかめたことがある」と言っていたのに、三百三頁ではサイベルに「なぜわかったのだ?」と呟いていて、矛盾を感じたというか。百一頁には、ロマルブとコーレンが見つめ合う描写があったのに。ロマルブに恐怖を感じる時と感じない時の違いがよく分からなかった。精神的に追い詰められているかどうか?
    ロマルブの姿に、人は自分が最も恐れているものを見るらしいが、タムやコーレンの死では無くライラレンの死を見たサイベルって……と思うと微妙な気分になった。
    幻獣たちが好きです。特にサイリン。

全2件中 1 - 2件を表示

パトリシア・A.マキリップの作品

妖女サイベルの呼び声 (1979年) (ハヤカワ文庫―FT)はこんな本です

妖女サイベルの呼び声 (1979年) (ハヤカワ文庫―FT)を本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする