茫界偏視 (1978年)

著者 :
  • 講談社
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 5
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 美術、骨董、旅行、文学、自分、に分類した随筆集。

    著作集にも講談社文芸文庫にも収録されている「志賀直哉・天皇・中野重治」が中心か。もう読むのは3回目。金子みすずじゃないけれど「みんなちがって みんないい」がフェアに誠実に表されていて、気持ち良い。意見が違う人たちをこんな風に捉えられるって、大人だなあと思う。

    文学以外の話は「門外漢ですから」というゆるみがあって可笑しい。旅行記なのに「第一に、大庭みな子さんが(中略)素直で優しい女性であったということを書いておきたい」とか、かえって失礼というものだ。また、「空気頭」の読書会での顛末は可哀想過ぎて笑える。短いけれど、静男ファンのひとは要チェックだ。

  • 2009/11/14購入

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1907年、静岡県藤枝町生まれ。本名勝見次郎。成蹊実務学校を経て第八高等学校に入学、北川静男、平野謙、本多秋五らと知り合う。このころ志賀直哉を訪ね、小林秀雄、瀧井孝作を知る。1936年に千葉医科大学を卒業、医局、海軍火薬廠共済病院などを経て妻の実家である眼科医院に勤め、1950年に浜松市で開業。1947年『近代文学』9月号に本多秋五らが考案した筆名・藤枝静男で「路」を発表。その後も眼科医のかたわら小説を書く。1993年、肺炎のため死去。 主な著作に、芥川賞候補となった「イペリット眼」「痩我慢の説」「犬の血」などがあり、『空気頭』が芸術選奨文部大臣賞、『愛国者たち』が平林たい子賞、『田紳有楽』が谷崎潤一郎賞、『悲しいだけ』が野間文芸賞を受賞している。

「2012年 『田紳有楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤枝静男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×