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感想・レビュー・書評
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戦国〜幕末までを舞台にした短編集。人物を通して時代背景を描いているような印象を受ける。ちなみに表題作は伊達政宗の話。その父・輝宗の話でもあるかもしれない。
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3月20日読了。表題作は伊達政宗を取り上げているが、彼のように英雄的器量・特質を持ちながらも、時代が遅かったか生まれた場所のせいか日本史の中で大きなポジションを占めることのなかった人々を描いた短編集。名を残した人々はその能力もさることながら、「時」とその人を見出した周囲の人々の存在を含む「運」の要素が大きかったのだなあと思わされる。まあ、河合継之助などは別の時代・別の場所に生まれていたとしてもどれほどの実績を挙げたか疑問ではあるが・・・。秀吉の七人衆の一人・脇坂甚内がその地味ながらも波乱の人生を通じて田舎侍から老獪な策士へ変貌するさまを描く「貂の皮」の存在がこの短編集の中でいいアクセントとなっている。