人形愛 (1978年)

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  • ・「人形愛」「秘儀」「見知らぬ山」「結晶体」を所収した短篇集。
    ・「人形愛」がお気に入り。
    ・著者はカトリック信者。作品自体にキリスト教的な臭いはないが、肉体の内側に深くもぐり、精神の奥底を覗くような世界が描かれる。
    ・著者は京都出身。「人形愛」は阪急沿線が舞台。←読む前に知っていればまた違ったはず…

    ・著者の本
    『彼方の水音』…第一創作集。人間関係の背後にひそむ悪
    『魂の犬』…告白的小説論。エッセイ
    『華やぐ日』…夢幻の性と空無
    『誘惑者』…ファムファタル。泉鏡花文学賞受賞作。長篇

  • 夜毎蝋人形の少年を愛撫し、昼間はそっくりな少年と過ごす幻想的な『人形愛』、肉体の「中」に入る事で実在を確認しようとする『秘儀』、恩師の墓参りと高校生の頃の級友との思い出『見知らぬ山』、1人の男と正妻と愛人の奇妙な関係『結晶体』の4篇の短編集。表題作の『人形愛』が好みだった。主人公はいつの間にか望んでいた「正の自分」に同一化してしまう、不思議な掌編。『秘儀』にも蝋人形の少年が出てくる。蝋人形を等身大の球体関節人形と脳内変換して読んだ。

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著者プロフィール

高橋たか子(1932.3.2~2013.7.12) 作家。京都市生まれ。京都大学文学部修士課程修了。修士論文は仏語で「モーリアック論」。大学卒業後に結婚した高橋和巳の創作活動を支える一方、自らも小説・評論を書き続ける。71年に夫を亡くした後洗礼を受け、日本とフランスを往復しながら霊的生活と作家活動を送る。『空の果てまで』の田村俊子賞を始め、『誘惑者』で泉鏡花賞、『怒りの子』読売文学賞、『きれいな人』毎日芸術賞など多くの文学賞を受賞。

「2022年 『亡命者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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