半年かけて読んだ。なかなか強敵だった。
原題はContes de la rue broca 1967
ブロカ通りの小話、というかんじ。
フランスらしい、面白おかしいおとぎ話12編。
アングロサクソン系の怖い面白いおとぎ話とは毛色が違って、食べ物、魔法、ゲテモノありの、不思議な味というか、かなりハア?となる話もある
好みだったのは、じゃがいもの恋の物語。
蛇口の妖精はインパクトがすごい。
子供の頃、わたしの姉がこれを読んだのか、この話をしてくれたのだけど、そのストーリー…
「優しい少女は悪い妖精に嫌われて口から蛇が出る魔法をかけられる。その妹は悪知恵があって悪い妖精に気に入られたので、口から宝石が出る魔法をかけられる。
宝石が狙われた妹は悪漢に誘拐され、一日中、口の前に桶を置かれてコレをいっぱいにしとけ、と言われる。
蛇のほうの姉は蛇研究者と結婚して幸せになる」
がすごく変で、さすがにそれは無いわー、と当時思っていたのだけど、今回偶然この話を読み、本当にそういう話だったんだ、姉はかなり忠実に話していたんだなと分かって笑ってしまった。
本書は飯野和好さんのおしゃれなイラストがいい感じにピッタリだった。
博物誌のイラストとなんか似てるな。ぶっとい線と不思議な目つき。
これも本書のインパクトに貢献してるなあ。