エディプスの恋人 (1977年)

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感想・レビュー・書評

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  • 高校生の頃に読んだ三部作

  • これまた家にあって、どんな話かも知らなかった。
    暗めの表紙で、ホラーちっくなのかと思いきや。

    そんなはずない、立派な恋愛小説です。


    エディプスというのは、ギリシャ神話に出てくる男のこと。父を殺し、自分の母にあたる女と結婚する。
    それをうけて、母に愛着を持って父に敵意を抱く傾向のことをエディプス・コンプレックスという。
    …というのが題名の由来。


    階段を転げ落ちるような展開って、まさにこんな感じじゃないかな。
    「意思」によって、「彼」を愛しはじめてから、まるで別のストーリーのような風合いに変わってゆく。
    ほんとうに、くっきりと。

    意思とは何か。なんて、普段考えない。辞書をひいてみると、

    意思:1)道徳的評価を担う主体。理性による思慮・選択を決心して実行する能力。
       知識・感情と対立するものとされ、併せて知・情・意という。
       2)ある行動をとることを決意し、かつそれを生起させ、持続させる心的機能。

    だって。わっかりづらいっての。
    でもそういえば、この知・情・意の中では、「意」が、一番重要なのかな。個人的には、「情」の方が人生の中じゃ大切と思うけれど、でも意思がなければやっていけないし、これを奪われるというのはひどく恐ろしいことだと思う。
    そして奪われたら最後、本人はそれに気づきもできないのだから残酷な話だよね。本人にしてみれば幸福か。

    意思に支配させるかされないか、ギリギリの境界線を描いてるこのお話、スリル満点。




    でも☆5つは与え過ぎかな、4半くらいかな。
    だって、ラスト、七瀬が幸せでいられるか微妙なままなんだもの。それがいいのかな。不安を抱えたまま生きてゆく。
    でも う〜んちょっとムヤムヤ。

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