奔馬 (1969年)

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感想・レビュー・書評

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  • 面白い。先ず、作家三島由紀夫の繊細な筆致に心打たれた。爽やかな読了感が正直な気持ち。やはり、話のアンカーは本多。個人ではなく、日本人の転生輪廻。日本古来からの一途な転生輪廻。シャムが輪廻で国そのものが変革する中、日本の頑なまでの自転を描きたかったんだろうなと改めて筆者の純粋に昇華した結晶を感じた。特に、槇子のような名も無き人々のシナリオなき気遣いによる転生輪廻の軌道修正こそ、日本人の美学だと伝えている。やはり、日本は美しい。外来で壊されてはいけない崇高な原点を改めて気づかされた傑作。

  • 旧字,旧かなの単行本が手に入ったので,第二巻からはこちらに移行.

    かなり辛い読書だった.

    私は年を取るごとに死というものを抽象的に考えることは
    難しくなってきた.すると,この本のように最初から最後まで
    切腹する,切腹すると連呼している本は本当に辛い.
    もう一つ,私が政治にほとんど関心を失ってしまったこともあって,
    勲のような政治思想と人生が一緒という生き方は空しさばかりを感じさせて,まったく共感できなかった.

    救いは普通の人である本多の視線だが,裁判官をやめて弁護を引き受けるという展開はあるものの,最後まで今一歩踏み込むことのない傍観者的立場にとどまっている.

    三島由紀夫が渾身の力で書いているというのはわかるし,これだけシンパシーが湧かない私に最後まで読ませてしまうその力には敬服する.

    好きな方すいません.

  • 輪廻転生を軸にしているのはわかるがなんとも難しくてよくわからない・・・

  • 四冊中、いちばん楽しんで読めた。
    生の完成度も高く、もう転生しなくていいんじゃないかと思ってしまうのだ。
    最終的な殺人に至る動機となるエピソード、旅館の主の証言など伏線も絶妙。
    作品の完成度が高いのは作者と主人公が近かったからなのか? などという無粋なかんぐりはやめようかな。

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